上場株式で年金積立！？掛金納付の仕組みを解説

上場株式で年金積立！？掛金納付の仕組みを解説

「上場株式による掛金納付」とは？

「上場株式による掛金納付」とは、国民年金や厚生年金の掛金を、現金の代わりに上場株式で納めることができる制度です。この制度を利用することで、保有している株式を売却して現金化する手間を省き、直接掛金の納付に充てることができます。 近年、資産運用に関心の高い層を中心に注目を集めている制度です。

厚生年金基金と確定給付企業年金における違い

企業年金には、大きく分けて「厚生年金基金」と「確定給付企業年金」の2種類が存在します。どちらも従業員の老後資金を形成する上で重要な役割を担いますが、掛金の納付方法や運用主体が異なります。

まず、厚生年金基金は、複数の企業が合同で設立する年金制度です。各企業から集められた掛金は、厚生年金基金がまとめて運用を行います。一方、確定給付企業年金は、企業が独自に設立する年金制度です。企業が自ら掛金を積み立て、運用を行うケースと、保険会社などに運用を委託するケースがあります。

このように、運用主体や掛金の納付方法に違いがあるため、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自社にとって最適な企業年金制度を選択することが重要です。

上場株式で納付するメリット・デメリット

上場株式で年金保険料を納付する場合、いくつかのメリットとデメリットが存在します。
メリットとしては、株価の上昇による資産増加の可能性が挙げられます。年金保険料を株式で運用することで、将来的に積立額が増える可能性があります。また、配当金を受け取れる可能性もあります。一方で、デメリットとしては、株価の下落リスクが挙げられます。株価が下落した場合、積立額が減ってしまう可能性があります。また、株式投資の知識が必要となる点もデメリットと言えるでしょう。投資初心者にとっては、適切な銘柄選択や売買タイミングを見極めることが難しい場合があります。

導入の条件と手続きの流れ

上場株式を活用した年金積立制度を導入するには、いくつかの条件と手続きが必要です。まず、企業規模や業種、従業員数などの要件を満たしている必要があります。これらの要件は制度によって異なるため、事前に確認が必要です。

導入を決定したら、年金制度の設計を行い、金融機関や運用会社など、必要な機関を選定します。その後、監督官庁への申請や従業員への説明など、様々な手続きが必要となります。手続きには専門的な知識が必要となる場合もあるため、社会保険労務士や年金コンサルタントなどの専門家に相談することも有効です。

従業員にとってのメリット・デメリット

従業員にとって、上場株式で年金積立を行うことは、メリットとデメリットがあります。

最大のメリットは、積立金の運用成績に応じて将来受け取る年金額が増加する可能性があることです。株式投資は元本保証ではありませんが、長期的に見ると高い収益を期待できます。もし、運用が成功すれば、従来の年金制度よりも多くの年金を受け取れる可能性があります。

一方、デメリットは、運用成績によって年金額が変動するリスクがあることです。株式市場は常に変動しており、時には大きく値下がりすることもあります。もし、運用がうまくいかなかった場合、従来の年金制度よりも少ない年金しかもらえない可能性もあります。

また、運用状況を自分で把握し、必要に応じて資産配分などを見直す必要があることも、従業員にとって負担となる可能性があります。金融知識があまりない従業員にとっては、複雑な運用を自分で行うことは難しいと感じるかもしれません。

このように、上場株式での年金積立は、メリットとデメリットを比較検討し、自分自身の状況やリスク許容度に応じて判断することが重要です。