額面株式とは？知っておきたい投資の基礎知識

額面株式とは？知っておきたい投資の基礎知識

額面株式の定義とは？

株式会社が発行する株式には、「額面株式」と「無額面株式」の2種類が存在します。
このうち、額面株式とは、株式1株あたりにあらかじめ金額が定められている株式のことを指します。この金額は「額面」と呼ばれ、かつては株式投資を行う上で重要な指標の一つとして考えられていました。
具体的には、企業が新たに資金を調達する際に、この額面を基準として株式が発行されていました。例えば、額面500円の株式を100株発行する場合、企業は投資家から5万円（500円×100株）の資金を調達することになります。

かつての役割と現代における意味

かつて、額面株式は企業が資金調達を行う上で主要な役割を果たしていました。企業は株式を発行する際、その一枚一枚に「額面」と呼ばれる金額を設定していました。この額面が、投資家にとっての最低投資額となり、企業は集めた資金をもとに事業を拡大していきました。

しかし、現代の日本では、2001年の商法改正により額面株式は姿を消しつつあります。現在発行されている株式の多くは「無額面株式」であり、投資家は自由に設定された価格で購入することができます。

とはいえ、額面株式は完全に過去のものとなったわけではありません。現在でも、既存の額面株式が市場で取引されているケースも存在します。また、会社法においても額面株式に関する規定は残っており、企業会計の基礎となるなど、その影響力は依然として残っています。

額面株式と発行価額の違い

株式会社が資金調達のために発行する株式には、「額面株式」と「無額面株式」の2種類があります。 「額面株式」とは、株券に金額が記載されている株式のことです。一方、「無額面株式」には金額が記載されていません。

では、額面株式の場合、記載されている金額は具体的に何を意味するのでしょうか？ これは「額面金額」と呼ばれ、会社法で定められた最低発行価格を指します。

しかし、額面金額と、投資家が実際に株式を購入する際の価格である「発行価額」は必ずしも一致しません。発行価額は、会社の事業内容や業績、将来性などを考慮し、需要と供給の関係で決定されるためです。

例えば、額面金額500円の株式が1,000円で発行されるケースもあれば、逆に300円で発行されるケースも考えられます。 このように、額面金額と発行価額は異なる場合があり、投資家はそれぞれの意味を理解しておくことが重要です。

額面株式の投資判断への影響

額面株式は、投資判断に直接影響を与えることは少ないと言えるでしょう。なぜなら、現在ではほとんどの株式が額面のない「無額面株式」として発行されているからです。そのため、投資家は企業の業績や将来性、市場の動向などを分析して投資判断を行うことになります。

ただし、額面株式には、1株あたりの最低発行価格が法律で定められているという特徴があります。このため、額面株式を発行する企業は、財務状況が健全であると判断される可能性があります。一方で、額面株式であるがゆえに、株価が割高になる可能性も考えられます。

投資判断を行う際は、額面株式かどうかだけに注目するのではなく、企業の財務状況や将来性、市場環境などを総合的に判断することが重要です。

まとめ：投資の基本として額面株式を理解しよう

額面株式とは、株券に記載されている金額のことを指します。発行会社の定款に記載され、株式の最低発行価格の基準となります。 ただし、現在の日本では、2001年の商法改正により額面株式の発行は廃止されており、会社設立時に出資者が自由に発行価格を決定できるようになりました。

投資をする上で、額面株式は過去に発行された株式を理解する上で重要な知識となります。かつては、額面株式を下回る価格で株式を発行することができず、企業は資金調達に苦労することもありました。しかし、額面株式の廃止により、企業はより柔軟に資金調達ができるようになり、投資家にとっては、より多くの投資機会に恵まれるようになったと言えます。

過去の株式投資に関する情報に触れる際に、額面株式という言葉が出てくる可能性があります。額面株式に関する基礎知識を身につけておくことで、より深く理解を深めることができるでしょう。