「累積的優先株式」とは?投資初心者向けに解説
投資をしたい
先生、「累積的優先株式」って、どんな株式のことですか?
投資研究家
良い質問だね!「累積的優先株式」は、簡単に言うと、もし会社が赤字などで配当金を払えなかった時に、その未払い分を将来に繰り越して支払う約束がされている優先株式のことだよ。
投資をしたい
へえー!つまり、もし配当金がもらえなかったとしても、後でまとめてもらえるってことですか?
投資研究家
その通り!だから、投資家にとっては、普通の株式よりも配当金をもらう権利がより強力に保障されていると見なされるんだね。
累積的優先株式とは。
「累積的優先株式」とは、英語で「accumulated preferred stock」といい、投資用語の一つです。これは、もし今期の配当金が支払われなかった場合でも、その未払い分が次期以降に繰り越され、必ず支払われるという約束を持った株式のことです。
優先株式の種類と特徴
優先株式と一口に言っても、実際には発行条件によっていくつかの種類に分けられます。主な種類としては、「累積的優先株式」「非累積的優先株式」「参加的優先株式」「非参加的優先株式」などが挙げられます。
それぞれの特徴を簡単に説明すると、「累積的優先株式」は、配当金の支払いが滞った場合でも、その権利が将来に繰り越されるというものです。一方、「非累積的優先株式」は、支払いが滞った分の配当金を受け取る権利は失効してしまいます。
「参加的優先株式」は、通常の優先株式としての配当に加えて、普通株式と同じように会社の業績に応じて追加の配当を受けられる可能性があるというものです。反対に、「非参加的優先株式」は、固定の配当金のみを受け取る権利となっています。
このように、優先株式は種類によって権利やリスクが異なるため、投資する際にはそれぞれの違いをしっかりと理解しておくことが重要です。
累積的優先株式の仕組み
累積的優先株式は、もし配当金が支払われなかったとしても、その権利が消滅することなく、将来にわたって持ち越されるという特徴があります。
例えば、A社の累積的優先株式を保有していて、本来であれば年間1株あたり100円の配当金を受け取れるとします。しかし、A社の業績が悪化し、配当金が支払われない事態になったとしましょう。
このとき、累積的優先株式であれば、翌年以降にA社の業績が回復し、再び配当金が支払われるようになった際に、支払われなかった分の配当金(1株あたり100円)と合わせて受け取ることができます。
つまり、累積的優先株式は、投資家にとって、配当金を受け取る権利がより強力に保障されていると言えるでしょう。
メリット・デメリット
累積的優先株式への投資には、メリットとデメリットの両方が存在します。投資判断をする前に、どちらも理解しておくことが重要です。
メリットとしては、まず優先配当の権利が挙げられます。これは、企業が利益を上げた場合、普通株式よりも先に配当を受け取ることができる権利です。特に、配当が支払われなかった事業年度があっても、その分の配当が累積され、後日支払われる可能性がある点は大きな魅力です。
一方で、デメリットとして、元本が保証されていないことは忘れてはなりません。企業の業績が悪化した場合、投資した資金を失ってしまうリスクがあります。また、株価の変動リスクも存在します。株式市場全体の動向や、企業の業績によって、株価は上下するため、投資元本を割り込む可能性もあります。
このように、累積的優先株式は、安定的な配当収入を期待できる一方、投資元本が保証されていないという側面も持ち合わせています。投資する際は、これらのメリット・デメリットを十分に理解した上で、最終的な判断を下すようにしましょう。
投資判断のポイント
累積的優先株式への投資を判断する際には、以下のポイントに注目すると良いでしょう。
まず、発行会社の業績や財務状況はどうか、配当の支払いは安定しているかなどを確認することが重要です。過去の配当実績や企業の将来性なども参考にしながら、投資対象として適切かどうかを慎重に見極める必要があります。また、累積的優先株式は普通株式と比べて価格変動リスクが低い一方、 upside (値上がり益)も限定的になりやすい点にも留意が必要です。発行会社の将来性や自身の投資スタイル、リスク許容度などを踏まえて、投資判断を行うようにしましょう。
まとめ
累積的優先株式は、投資初心者にとって魅力的な選択肢となりえます。優先株式の中でも、特に配当金の支払いが保証されているため、リスクを抑えたい投資家に適しています。
ただし、株価の上昇は普通株に比べて期待できない点には注意が必要です。投資する際は、企業の業績や財務状況などをしっかりと分析し、長期的な視点で判断することが大切です。