原則禁止?投資用語「親引け」を解説

原則禁止?投資用語「親引け」を解説

投資をしたい

先生、「親引け」って投資の用語で聞いたんですけど、どういう意味ですか?

投資研究家

良い質問だね。「親引け」は、新しい株などが発行された時、それを証券会社が引き受けて投資家に売るんだけど、その時に、発行会社が「あの会社に売ってね」って特定の販売先を指定して、証券会社がそこへ売ることを指すんだ。

投資をしたい

なるほど。でも、なぜ「親引け」は禁止されているんですか?

投資研究家

それは、特定の投資家に有利なように株価を操作したり、不正が行われる可能性があるからなんだ。公平な市場を守るために禁止されているんだよ。

親引けとは。

「親引け」とは、新規株式公開(IPO)などの引受けにおいて、証券会社が、引き受けた株券などを、発行する会社が決めた特定の投資家にだけ売ってしまう行為のことです。これは、一般の投資家に公平な投資機会が与えられなくなるため、日本証券業協会の規則で原則として禁止されています。

親引けとは何か?

親引けとは何か?

「親引け」とは、株取引における不正行為の一つで、証券取引等監視委員会が定める「相場操縦行為等監視指針」において「終値関与型」に分類される行為を指します。具体的には、特定の銘柄の株価を意図的に操作する目的で、取引終了間際(大引け直前)に大量の買い注文を出すことで、株価を釣り上げる行為を言います。

親引けは、市場の公正性を歪め、他の投資家に不利益を与える可能性があるため、金融商品取引法で禁止されています。もし、親引けを行ったと判断された場合には、刑事罰や課徴金が科される可能性があります。

親引けの仕組みと問題点

親引けの仕組みと問題点

株価は需要と供給の関係で常に変動しており、機関投資家や海外投資家など、多くの投資家が市場に参加しています。そして、一日の取引の終わり、つまり大引け時の株価は、その日の取引全体の値動きを象徴する重要な指標となります。 「親引け」とは、この大引け直前に、特定の銘柄の株価を意図的に大きく変動させる行為を指します。具体的には、大口の買い注文を瞬間的に出すことで株価を吊り上げたり、逆に大口の売り注文で株価を押し下げたりします。

親引けが行われる背景には、投資信託などの運用成績を良く見せたい、あるいは逆に、税金対策として損失を大きく見せかけたいといった思惑が存在します。しかし、親引けは市場を歪ませ、公正な価格形成を阻害するという大きな問題点があります。そのため、金融庁は親引けを原則禁止としており、監視・取締りを強化しています。

なぜ親引けは原則禁止なのか?

なぜ親引けは原則禁止なのか?

親引けは、市場が閉まる直前に大口の注文を出すことで株価を操作する行為とみなされます。これは、公正な価格形成を阻害し、市場の透明性を損なうためです。金融商品取引法では、このような行為を不正取引として厳しく禁止しています。

具体的には、親引けは、他の投資者に誤った情報を提供し、不当な利益を得ることを目的とする行為です。これは、市場の信頼性を揺るがし、健全な市場の発展を阻害する可能性があります。そのため、金融庁は親引けに対して厳しい姿勢を示しており、違反者には厳正な処分が下されます。

親引けが認められる例外とは?

親引けが認められる例外とは?

親引けは、原則として禁止されている行為ですが、一定の条件を満たした場合には例外的に認められることがあります。

例えば、金融商品取引法上の開示事項に該当する場合や、証券取引所の規則で認められたケースなどが挙げられます。

具体的には、企業の合併や会社分割などの重要な情報が公表される場合、その情報が株価に大きな影響を与える可能性があります。このような場合、市場の混乱を防ぐために、親会社が事前に子会社の株式を買い取ることが認められることがあります。

ただし、これらの例外はあくまで限定的なものであり、親会社が自由に親引けを行えるわけではありません。親引けを行う場合には、事前に証券取引所などに相談し、承認を得る必要があります。

投資家を守るための規制

投資家を守るための規制

金融庁は投資家保護の観点から、「親引け」を原則禁止としています。これは、証券会社などの金融機関が、自己の利益のために顧客に不利な取引を誘導することを防ぐための措置です。具体的には、顧客の注文を証券取引所に伝える前に、自己の取引を優先的に成立させる行為が規制対象となります。

親引けが禁止されている背景には、金融機関と顧客の間には情報や立場の非対称性があるという認識があります。そのため、金融機関が優越的な立場を利用して、顧客に不利益をもたらす可能性が懸念されています。親引けの禁止は、こうした不公正な取引を未然に防ぎ、投資家の利益を守るための重要なルールと言えるでしょう。

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