持ち合い株とは?仕組みとメリット・デメリットを解説

持ち合い株とは?仕組みとメリット・デメリットを解説

投資をしたい

先生、「持ち合い株」ってなんですか?企業がお互いの株を持つって、どういうことでしょう?

投資研究家

良い質問だね!例えば、A銀行とB自動車会社がお互いの株を持っているとします。これが「持ち合い株」だよ。 A銀行はB自動車会社の事業を応援したい、B自動車会社もA銀行と仲良くしたい、そんな時に株を持ち合うんだ。

投資をしたい

なるほど。でも、なんで株を持ち合う必要があるんですか?

投資研究家

持ち合い株には、お互いの関係を強化したり、会社の経営を安定させたりする効果があるんだ。ただ、企業同士の関係が複雑になりすぎるというデメリットもあるんだよ。

持ち合い株とは。

投資用語における「持ち合い株」とは、英語でcross-shareholding(クロス・シェアホールディング)と言い、互いに取引関係にある企業同士がお互いの会社の株式を保有し合うことを指します。

持ち合い株とは何か?

持ち合い株とは何か?

企業が互いの株式を保有し合う関係性を「持ち合い株」と呼びます。例えば、A社とB社がお互いの株式を一定数保有している状態を指します。この持ち合い株は、かつて日本経済において非常に重要な役割を果たしてきました。

持ち合い株の仕組みと目的

持ち合い株の仕組みと目的

持ち合い株とは、企業同士がお互いの株式を保有し合うことを指します。
例えば、A社とB社が長年取引関係にあり、今後も良好な関係を維持したいと考えたとします。この時、A社とB社がお互いの株式を購入し、持ち合い株の関係を築くことがあります。
持ち合い株の目的は、主に以下の3つです。
1. 取引関係の安定化
2. 敵対的買収の防止
3. 経営の安定化
このように、持ち合い株は企業にとって様々なメリットをもたらす一方で、デメリットも存在します。

持ち合い株のメリット

持ち合い株のメリット

持ち合い株には、企業にとって以下のようなメリットがあります。

まず、安定株主の存在です。持ち合い株によって、一定数の株式を長期保有する株主を確保できるため、敵対的な買収の抑止力となり、経営の安定化につながります。また、株式市場の変動リスクを軽減できる点もメリットとして挙げられます。株価が大きく変動した場合でも、持ち合い株によってその影響をある程度抑えることができます。さらに、長期的な関係構築も期待できます。持ち合いを通じて、企業間で長期的な信頼関係を築き、ビジネスの安定化や発展につなげることが可能になります。

持ち合い株のデメリット

持ち合い株のデメリット

安定株主としてメリットも多い反面、持ち合い株にはデメリットも存在します。

まず、企業価値が低下する可能性が挙げられます。持ち合い株は、互いに株を保有し合うことで株価が安定しやすいため、株価が企業の本来の価値を反映しにくくなることがあります。その結果、市場メカニズムによる企業の成長促進効果が弱まり、企業価値の低下につながる可能性があります。

また、経営の透明性やガバナンスが低下する懸念もあります。持ち合いによって安定株主を確保できるため、外部からの圧力が弱まり、経営陣の保身が優先されやすくなる可能性も。その結果、不祥事が起きた際にも責任が曖昧になり、適切な対応が遅れるといった事態も想定されます。

さらに、投資効率の悪化もデメリットの一つです。持ち合い株は、市場で自由に売買されることが少ないため、資金効率が悪化する可能性があります。企業は、より効率的に資金を活用できる投資機会を逃してしまう可能性も出てきます。

このように、持ち合い株には企業価値やガバナンス、投資効率といった面でデメリットが存在することを理解しておく必要があります。

持ち合い株の現状と今後の動向

持ち合い株の現状と今後の動向

近年、コーポレートガバナンスの強化が求められる中で、持ち合い株の解消が進む傾向にあります。かつては、安定株主の確保や敵対的買収の防御といったメリットから、日本企業の間で広く行われていました。しかし、持ち合い株は、企業間の資本関係が固定化し、株主としての監視機能が低下するといった課題も指摘されてきました。

近年では、企業は、短期的な利益よりも長期的な企業価値向上を重視するようになり、持ち合い株を解消し、政策保有株を売却する動きが加速しています。また、海外投資家の増加も、持ち合い解消を促す要因となっています。彼らは、透明性の高い企業経営を求めており、持ち合い株に対して厳しい目を向けているためです。

このように、持ち合い株を取り巻く環境は大きく変化しています。今後、企業は、コーポレートガバナンスの観点からも、持ち合い株の在り方について、より一層、検討していく必要がありそうです。

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