債券投資

投資用語解説:債券等の個別取引与信額とは?

債券投資は、株式投資と比較してローリスクとされることが多いですが、決してリスクがないわけではありません。特に、発行体の財務状況が悪化した場合、債券の価格下落や元本毀損のリスクがあります。このリスクを管理するために、債券等の個別取引与信額を設定することは重要です。個別取引与信額とは、特定の債券発行体に対して設定する投資可能額の上限のことです。この上限を設定することで、仮に特定の発行体の債券で損失が発生した場合でも、全体のポートフォリオへの影響を最小限に抑えることができます。債券投資を行う際には、分散投資と並んで、個別取引与信額の設定によるリスク管理も重要な要素となります。自己の投資方針やリスク許容度を踏まえ、適切な投資判断を行うようにしましょう。
投資情報

企業年金運用における『プロセス責任』とは?

近年、企業年金の世界では「プロセス責任」という言葉が注目されています。従来の企業年金運用では、運用結果である「結果責任」が重視されてきました。しかし、短期的な収益にとらわれず、長期的な視点に立って、加入者にとって最善の運用が行われているかどうかという点が重要視されるようになり、その過程である「プロセス」に責任を持つ「プロセス責任」が注目されているのです。
株式投資

初心者向け:投資の基礎「エクイティ」とは?

「エクイティ」って言葉を聞いて、難しそうな金融用語だな…と感じた方もいるかもしれません。しかし、投資の世界では基本中の基本となる、とても大切な言葉なんです。簡単に言うと、エクイティとは「企業の純資産」のことを指します。 これはつまり、企業の財産から借金などを差し引いた、残りの純粋な持ち分のことを表しています。 例えば、あなたが100万円の貯金で50万円の車を買ったとします。この時、車の価値である50万円があなたのエクイティということになります。
投資情報

投資初心者のためのGNP入門

GNPは「国民総生産」の略称で、ある一定期間内に一国の国民が国内外で新たに生み出した付加価値の総額を示す経済指標です。ポイントは、「国民」ベースで計算される点にあります。つまり、日本企業の海外工場で生産された付加価値もGNPには含まれますが、逆に、国内にある外資系企業の生産活動で生み出された付加価値は含まれません。似ている指標にGDP(国内総生産)がありますが、こちらは「国内」ベースで計算されます。
債券投資

債券現先取引を解説!仕組みやメリット・リスクを理解しよう

債券現先取引とは、将来の特定の日付で同じ債券を再び売買することを約束した上で、現時点で債券を売買する取引のことです。分かりやすく言うと、一度売却した債券を、将来また買い戻すことを約束して取引するイメージです。「現先」とは「現在」と「将来」を組み合わせた言葉で、現在の取引と将来の取引をセットで行うという特徴を表しています。
投資情報

マルチアセット投資: 分散投資でリスクを抑えよう

「卵は一つの籠に盛るな」ということわざがありますね。これは投資の世界にも当てはまります。投資の世界では、リスクを分散するため、複数の種類の資産に投資することをお勧めします。これを-アセットアロケーション-と呼びます。そして、マルチアセット投資とは、このアセットアロケーションを実践する投資手法の一つです。具体的には、株式や債券だけでなく、不動産、コモディティ(金や原油などの商品)、オルタナティブ投資(ヘッジファンドやプライベートエクイティなど)といった幅広い資産クラスに投資を行います。次の章では、マルチアセット投資のメリットについて詳しく見ていきましょう。
組織・団体

EECとは?投資とのかかわりを解説

EECとは、Eastern Economic Corridorの略称で、タイが国家戦略として進めている経済特区のことです。タイ東部に位置し、チョンブリ県、ラヨーン県、チャチュンサオ県の3県を跨ぐ広大なエリアを対象としています。EECは、1961年に制定された投資促進法に基づき、当初は「東部臨海開発計画」としてスタートしました。当時のタイは農業国から工業国への転換期にあり、外資導入による工業化促進を目的としていました。その後、時代と共にその役割を変化させながら発展を続け、2016年に制定された「東部経済回廊法」により、現在のEECという形に生まれ変わりました。現在のEECは、単なる工業団地ではなく、高度な技術とイノベーションを駆使した、持続可能な経済成長を実現するための戦略的な経済特区と位置付けられています。タイ政府は、EECを東南アジアの経済の中心地、そして世界の経済活動における重要な拠点とすることを目指しています。
株式投資

初心者向け!有償増資で企業分析

企業が成長していくためには、新しい設備投資や事業拡大などにお金が必要になります。その資金調達方法の一つに「増資」があります。増資には大きく分けて「有償増資」と「無償増資」の2種類がありますが、今回は「有償増資」に焦点を当てて解説していきます。
債券投資

割引債:投資初心者にもわかりやすく解説

割引債とは、額面価格よりも安い価格で購入し、満期日に額面価格で償還される債券のことです。例えば、1万円の額面価格の債券を9,000円で購入した場合、満期には1万円で償還されます。この価格差である1,000円が、投資家にとっての利益となります。割引債は、発行体である国や企業が資金を調達する際に発行するもので、投資家は利息を受け取る代わりに、この価格差(割引)によって利益を得ることができる仕組みです。
投資情報

貯蓄率から経済を読み解く:APSのススメ

「将来に備えて貯蓄をしよう」とよく言われますが、一国の経済においても貯蓄は重要な役割を担っています。経済の現状を分析する際、さまざまな指標が用いられますが、中でも「平均貯蓄性向(APS)」は、景気動向を探る上で非常に有用な指標と言えるでしょう。平均貯蓄性向(APS)とは、国民所得のうち、どれだけ貯蓄に回されたかを示す指標です。具体的には、以下の式で表されます。平均貯蓄性向(APS)= 貯蓄額 ÷ 可処分所得この式が示すように、APSは「可処分所得のうち、貯蓄に回された割合」を表しています。例えば、100万円の可処分所得のうち、20万円を貯蓄した場合、APSは0.2となります。
投資情報

投資の基礎知識:閉鎖体系モデルとは?

投資の世界では、様々なモデルや理論が用いられますが、その中でも「閉鎖体系モデル」は基礎的な概念の一つです。閉鎖体系モデルとは、特定の市場や経済システムを、外部の影響を受けない独立したシステムとして捉える考え方です。 つまり、このモデルでは、外部からの資金流入や流出、あるいは政治・経済状況の変化といった外部要因は考慮されません。例えば、ある国の株式市場だけを対象として分析する場合、その国の経済状況や企業業績のみを考慮し、海外投資家の動向や国際的な金融政策の影響は無視するのが閉鎖体系モデルに基づく分析と言えます。これは、システム内部の要素間の関係性を純粋に分析し、市場メカニズムを理解するために用いられます。
投資情報

証券アナリストってどんな仕事?

証券アナリストは、企業の財務状況や経済動向などを分析し、投資家に対して株式や債券などの有価証券への投資判断の材料を提供する仕事です。具体的には、企業の決算書などの公開情報を分析したり、企業の経営者へのインタビューを通じて、企業の収益力や成長性を評価します。そして、その分析結果に基づいて、投資家に対して、どの銘柄に投資すべきか、売却すべきかなどの推奨を行います。また、投資戦略のレポート作成や、顧客企業へのプレゼンテーションなども重要な業務です。
投資情報

株式投資の基礎知識:上場制度とは?

企業が証券取引所に上場するということは、株式を不特定多数の投資家に公開し、市場で自由に売買できるようにすることを意味します。これは、企業にとって資金調達の幅を広げ、知名度や信用力を向上させるというメリットがあります。一方、投資家にとっては、その企業の成長に投資する機会を得ることができ、利益獲得のチャンスとなります。上場するためには、企業は証券取引所が定める厳しい審査基準をクリアする必要があります。これらの基準は、企業の財務状況、経営体制、内部統制などが適切であることを確認するためのものであり、投資家保護の観点から非常に重要です。
投資情報

ニクソン・ショックを解説!投資への影響とは?

1971年8月15日、世界経済を揺るがす一大事件が起こりました。それは、当時のアメリカ大統領ニクソンによって発表された、ドルと金の交換停止です。この発表は、「ニクソン・ショック」と呼ばれ、戦後長く続いてきた国際通貨体制「ブレトン・ウッズ体制」が崩壊する決定打となりました。ブレトン・ウッズ体制下では、ドルの価値が金と固定され、各国通貨はドルに固定されていました。しかし、ベトナム戦争の長期化によるアメリカの財政赤字の拡大や、インフレーションの加速により、ドルの価値は下落し続けていました。この状況を打開するために、ニクソン大統領はドルと金の交換停止という、事実上のドル切り下げに踏み切ったのです。この発表は世界中に衝撃を与え、為替市場は混乱に陥りました。そして、このニクソン・ショックをきっかけに、世界経済は変動相場制へと移行していくことになります。
FX投資

投資用語「マージンコール」を解説

「マージンコール」とは、信用取引において、証券会社に追加の保証金を差し入れるように求められることを指します。信用取引では、自己資金の何倍もの金額を取引することができますが、その際に証券会社に預ける保証金のことを「証拠金」と言います。マージンコールは、取引状況が悪化し、証拠金維持率が証券会社が定める一定の水準を下回った際に発生します。これは、投資家と証券会社双方にとって、損失が拡大することを防ぐための安全装置としての役割を果たしています。
株式投資

議決権制限株式:投資の前に知っておくべきこと

議決権制限株式とは、企業が発行する株式のうち、株主総会における議決権が制限されている株式のことです。一般的な株式は、1株につき1議決権が付与されていますが、議決権制限株式は、議決権が全く付与されていない場合や、一定の条件下でのみ議決権を行使できる場合があります。議決権制限株式を発行する目的は、主に企業の経営の安定化を図ることです。例えば、長期的視点を持った経営を維持するために、敵対的買収を仕掛けようとする投資家から、企業の経営権を守るために利用されることがあります。
投資情報

経済の主役「経済主体」とは?

経済活動を行う個人や組織のことを、経済主体と呼びます。経済活動というと難しく聞こえるかもしれませんが、私たちが日々行っている、お金を稼ぐ、使う、貯めるといった行動も経済活動に含まれます。つまり、私たち一人一人も経済主体の一員なのです。経済主体には、家計、企業、政府の3種類があります。家計は、私たち消費者を指し、モノやサービスを購入したり、労働力を提供したりします。企業は、家計に対してモノやサービスを供給し、利益を上げていきます。そして政府は、税金を集めたり、公共サービスを提供したりすることで経済活動を調整する役割を担っています。
投資情報

投資家必見!知っておくべき「RBA」とは?

「RBA」とは、Reserve Bank of Australiaの略称で、日本語ではオーストラリア準備銀行と訳されます。これは、オーストラリアの中央銀行としての役割を担っており、日本でいうところの日本銀行に相当します。RBAは、オーストラリアドルの価値を安定させ、経済の成長を支えるという重要な役割を担っています。具体的には、物価の安定を目指した金融政策の実施や、安定した金融システムの維持、効率的かつ安全な決済システムの提供など、多岐にわたる業務を行っています。
投資情報

初心者向け:投資の「委託売買業務」とは?

投資の世界では、頻繁に「委託売買業務」という言葉が使われます。しかし、投資初心者の方にとっては、「委託売買」と言われても、具体的にどのような仕組みで、誰が何をしているのかイメージしづらいのではないでしょうか? この記事では、委託売買業務の基本的な仕組みについて分かりやすく解説していきます。
投資情報

投資判断のヒント?パブリックコメントを知ろう

近年、投資を行う上でESG投資やSDGsといった言葉が注目されていますが、企業の社会的責任や環境への配慮への意識は、投資判断においても重要な要素となりつつあります。では、実際に企業の取り組みをどのように判断すれば良いのでしょうか?そのヒントとなるのが「パブリックコメント」です。パブリックコメントとは、国や地方自治体が政策や事業計画を策定する際、広く一般市民の意見を募集する制度です。企業活動に関わる法令改正や新規事業の許認可など、様々な場面で実施されています。投資家にとって、このパブリックコメントは、企業活動が社会にどのように影響を与え、また社会からの意見をどのように受けているのかを知るための貴重な情報源となります。例えば、ある企業が新しい工場を建設する計画に対して、環境保護団体から批判的な意見が多数寄せられたとします。これは、その企業の環境への配慮が十分ではない可能性を示唆しており、投資判断の材料となりえます。逆に、地域住民から歓迎の声が多く寄せられた場合は、その企業が社会との良好な関係を築けていると判断できるでしょう。このように、パブリックコメントを分析することで、企業の社会的な評価や潜在的なリスク、そして成長性をより深く理解することができます。パブリックコメントは、企業の財務諸表などの数値情報だけでは見えてこない側面を浮き彫りにする、投資家にとって有益な情報源と言えるでしょう。
投資情報

投資戦略に必須!アウトプット・ギャップを理解する

「アウトプット・ギャップ」は、経済の需給バランスを示す重要な指標です。簡単に言うと、ある経済において、実際に生み出されている生産量(GDP)と、資源をフル活用した場合に生み出せる潜在的な生産量の差のことを指します。 需要が供給を上回り、経済が過熱している状態では、アウトプット・ギャップはプラスになります。逆に、需要が供給を下回り、経済が停滞している状態では、アウトプット・ギャップはマイナスになります。 この指標を理解することで、現在の景気動向を把握し、今後の経済の動きを予測する一助となります。ひいては、投資判断においても重要な役割を果たすと言えるでしょう。
投資情報

投資信託説明書を読み解く

投資信託説明書は、投資信託を購入する前に必ず確認すべき重要な書類です。投資信託は、多くの投資家から集めたお金をひとまとめにして、専門家である運用会社が株式や債券などに投資し、その運用成果を投資家に還元する金融商品です。その投資信託がどのような方針で運用されるのか、どのようなリスクがあるのかなどを詳しく説明したものが投資信託説明書です。投資信託説明書は、いわば投資信託の「説明書」であり、投資家にとって、その投資信託を理解するための重要な情報源となります。
投資情報

退職金設計の基礎知識:最終給与比例方式とは?

最終給与比例方式とは、退職時の給与額を基準に退職金を計算する方式です。長期間にわたる勤続や昇給が反映されるため、勤続年数が長いほど、また、高い役職に就いているほど、多くの退職金を受け取れるという特徴があります。具体的には、「退職時の基本給与額」×「勤続年数に応じた支給率」という計算式で算出されます。支給率は企業ごとに定められており、勤続年数が長いほど高くなるのが一般的です。例えば、30年間勤務し、退職時の基本給与が40万円、支給率が1ヶ月あたり3ヶ月分だった場合、退職金は40万円×3ヶ月×30年=3,600万円となります。