投資情報

もう過去の通貨?投資用語「エキュー」を解説

エキュー(ECU)とは、European Currency Unitの略称で、日本語では「欧州通貨単位」と訳されます。1979年から1998年まで、ヨーロッパ諸国間における通貨統合を目指したヨーロッパ通貨制度(EMS)において、基準となる通貨バスケットとして使用されていました。為替相場メカニズム(ERM)の中心的な役割を担い、参加国の通貨はECUを中心とした一定の変動幅内で固定されていました。ECUは、複数の通貨の価値を加重平均して算出されていました。具体的には、当時のヨーロッパ経済共同体(EEC)加盟国の通貨が、それぞれの国の経済規模に応じて決められた比率で組み合わされていました。しかし、ECU自体は単独の通貨として発行されておらず、紙幣や硬貨は存在しませんでした。あくまでも、ヨーロッパ通貨制度における決済や公定歩合の基準として使用される、いわば「仮想的な通貨」でした。1999年にユーロが導入されたことにより、ECUはその役割を終え、歴史の舞台から姿を消しました。ユーロへの移行は、ECUの役割を継承し、より統合されたヨーロッパ経済の実現を目指したものでした。
債券投資

CDO入門: 仕組みとリスクを解説

CDOは、Collateralized Debt Obligationの略称で、日本語では「債務担保証券」と訳されます。 簡単に言うと、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードローンなど、様々な債権を束ねて証券化した金融商品です。CDOは、元となる債権のリスクと収益のレベルに応じて、いくつかの「格付け」に分けられます。 投資家は、自身の投資方針やリスク許容度に応じて、どの格付けのCDOに投資するかを選択することができます。
投資情報

投資の基礎知識:国民経済計算入門

国民経済計算(SNA System of National Accounts)とは、一国の経済活動の状況を把握するための統計です。家計、企業、政府といった経済主体が、一年間にどれだけ生産、分配、消費などの経済活動を行ったのかを、様々な角度からまとめた統計の体系であり、いわば「経済の健康診断書」といえます。このSNAは、国内総生産(GDP)など、私たちが経済状況を把握する際に目にする様々な経済指標を算出するための基礎となっています。つまり、SNAを理解することは、経済の動きを理解する第一歩と言えるでしょう。
投資情報

年金運用を支える「共同運用事業」とは?

日本の公的年金制度は、現役世代の保険料を、高齢者や障害者など年金が必要な世代に給付する「賦課方式」が採用されています。しかし、少子高齢化の進展により、保険料収入だけでは将来の年金給付を賄いきれなくなることが懸念されています。そこで、将来に備えて年金積立金を効率的に運用し、積立金の規模を拡大していくことが重要となっています。この年金積立金の運用において、重要な役割を担っているのが「共同運用事業」です。
債券投資

ワラント債入門:仕組みと魅力をわかりやすく解説

ワラント債とは、債券とワラントが一体となった金融商品です。債券部分で定期的な利息収入を得ながら、ワラント部分で株価の上昇による利益を狙うことができます。通常の債券よりも高い利回りを期待できる一方、元本保証がないなどリスクも存在します。次の章では、ワラント債の仕組みについて詳しく見ていきましょう。
投資情報

投資判断の羅針盤!JCR格付けとは?

JCRとは、正式名称を日本格付研究所(Japan Credit Rating Agency, Ltd.)と言い、企業が発行する債券や保険会社などの信用力を客観的に評価し、格付けを行う機関です。1985年に設立され、日本初の格付機関として、投資家にとって重要な情報源としての役割を担っています。JCRは、中立的な立場で企業の財務状況や事業内容などを分析し、AAA(トリプルエー)からD(ディー)までの記号で信用リスクを評価します。この格付けは、投資家が企業の信用力を見極める上での重要な指標となり、より安全で確実な投資判断を下すために役立てられています。
投資情報

投資と公共サービス:その意外な関係とは?

私たちが日々、安全で快適に暮らしていく上で欠かせないもの、それが「公共サービス」です。 道路や橋、公園などのインフラ整備から、警察、消防、教育、医療といった生活に密着したサービスまで、その範囲は多岐に渡ります。これらのサービスは、政府や地方自治体によって提供され、私たちが等しくその恩恵を受けられるように設計されています。
投資情報

投資初心者のためのAS曲線入門

AS曲線とは、Aggregate Supply curveの略で、日本語では総供給曲線と呼ばれます。これは、財・サービスの供給量と物価水準の関係を示したものです。 需要が増えて物価が上昇すると、企業はより多くの利益を得られるため、生産を増やします。 このため、AS曲線は右上がりの曲線として描かれます。
投資情報

投資初心者必見!「支持線」を理解して底値で買おう

株式投資において、誰もが夢見るのは「底値」での購入ではないでしょうか?しかし、株価の動きは複雑で、底値を見極めるのは至難の業です。そこで、今回は投資初心者の方に向けて、チャート分析の基本となる「支持線」について解説します。「支持線」を理解することで、底値を見抜き、有利な価格で株を手に入れることができるかもしれません。- 「支持線」とは? - 株価下落の防波堤 -チャート上で、株価が下落する場面で、何度か同じ価格帯で反発しているのを見たことはありませんか?この、まるで株価を下支えしているかのように機能する価格帯のことを「支持線」と呼びます。支持線は、多くの投資家が「この価格なら買っても良い」と考える価格帯を示していると考えられています。そのため、株価がこの支持線に近づくと、買い注文が増加し、株価が反転上昇することが期待できます。まさに、株価下落の防波堤と言えるでしょう。
投資情報

投資の基本!為替レートの仕組みをわかりやすく解説

「為替」とは、異なる通貨を交換することを指し、海外旅行で日本円をドルに交換する際などに利用します。そして、「為替レート」とは、2つの通貨を交換する際の比率のことです。例えば、1ドル=100円のレートの場合、1ドルと交換するためには100円の日本円が必要になります。このレートは常に変動しており、需要と供給の関係によって日々変化します。
FX投資

為替市場の主役「TTM」:余剰と不足がレートを動かす

為替市場で取引されているレートの多くは、銀行間で実際に取引されたレートである「仲値(TTM Telegraphic Transfer Mid-rate)」を基準にしています。 TTMは、銀行が顧客に提示するレートの基礎となる重要な指標と言えるでしょう。銀行間取引では、銀行は日々膨大な額の外貨の売買を行っています。その取引の中で、ある通貨の買い手と売り手が一致した時に成立するのがTTMです。TTMは、銀行間取引における需要と供給の関係をリアルタイムで反映しているため、為替市場の動向を把握する上で非常に重要な指標となっています。
投資情報

粉飾決算の常套手段?『相落ち』を解説

企業の財務諸表は、その企業の経営状態を把握するための重要な資料です。しかし、粉飾決算が行われてしまうと、これらの情報は信頼性を失い、投資家や取引先などに大きな損害を与えかねません。粉飾決算には様々な手口が存在しますが、中でも『相場の下落を見込んだ売却による利益計上』を巧妙に利用した『相落ち』と呼ばれる手法が存在します。『相落ち』は、本来将来発生するはずの利益を、実際には発生していないにも関わらず、あたかも確定した利益として計上してしまうという、悪質な会計操作の一種です。ここでは、この『相落ち』の実態について、具体例を交えながら詳しく解説していきます。
投資情報

ECSC:欧州統合の礎となった組織

ECSCは、European Coal and Steel Communityの略で、日本語では欧州石炭鉄鋼共同体と訳されます。これは、1952年に発効した条約によって設立された国際機関です。 第二次世界大戦後、荒廃したヨーロッパにおいて、フランスとドイツの reconciliation(和解) を実現し、新たな戦争を予防するため、石炭と鉄鋼という軍需産業の鍵となる資源を共同管理しようという画期的なアイデアの下に設立されました。具体的には、フランス、西ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの6カ国が参加しました。
投資情報

株価の謎「織り込み済み」を解明!

「株価は将来を織り込む」なんて言葉を聞いたことはありませんか?未来のことなのに、なぜ織り込むことができるのか、不思議に思う方もいるかもしれません。投資の世界では、「織り込み済み」とは、ある情報やイベントがすでに株価に反映されている状態のことを指します。株式投資は常に未来の企業価値を見据えて行われるため、投資家はあらゆる情報を分析し、将来の業績や株価の動向を予測しようとします。例えば、好調な決算発表が予想される企業があるとします。多くの投資家がこの情報を事前に察知した場合、決算発表前にすでに株を購入するため、株価は上昇するでしょう。そして、実際に好調な決算が発表されても、すでに株価にその情報は「織り込み済み」のため、大きな値上がりは見込めない、というわけです。
投資情報

エンジェル税制を活用しよう!投資優遇で未来を創造

「エンジェル税制」って聞いたことはありますか?聞いたことはあっても、内容まで詳しく知っている人は少ないかもしれません。しかし、これは将来性のあるスタートアップ企業に投資を考えている個人投資家にとって、大きなメリットがある税制優遇制度なんです。エンジェル税制とは、簡単に言うと、一定の要件を満たすスタートアップ企業に投資した場合、投資額に応じて税金が軽減される制度のことです。つまり、リスクを取って将来有望な企業を応援することで、あなた自身の税負担も軽くなるという仕組みです。「投資は難しそう」「企業分析なんてできない」という方もご安心ください。これから、エンジェル税制の仕組みや利用方法について、具体的にわかりやすく解説していきます。
債券投資

投資初心者向け:債券の基礎知識

債券投資に興味はあるけれど、難しそうでなかなか手が出せない…と感じている方もいるかもしれません。そこで今回は、投資初心者の方に向けて、債券の基礎知識について解説していきます。- 債券とは何か?債券とは、国や地方公共団体、企業などが資金を調達するために発行する「借用書」のようなものです。投資家は債券を購入することで、発行体に資金を貸し付けます。そして、発行体は約束した期日に利息を支払い、満期日には元本を返済します。債券は株式と並んで代表的な投資対象とされており、ローリスク・ローリターンな投資先として知られています。債券には、国が発行する国債、地方公共団体が発行する地方債、企業が発行する社債など、様々な種類があります。
株式投資

初心者向け!有償増資で企業分析

企業が成長していくためには、新しい設備投資や事業拡大などにお金が必要になります。その資金調達方法の一つに「増資」があります。増資には大きく分けて「有償増資」と「無償増資」の2種類がありますが、今回は「有償増資」に焦点を当てて解説していきます。
債券投資

ハイリスク・ハイリターン?ジャンク債投資の真実

「ジャンク債」。その名の通り、ゴミのような債券…?と身構える方もいるかもしれません。確かに、ジャンク債は投資の世界では「高リスク債」として認識されています。しかし、単なる危険な投資対象と決めつけるのは早計です。ジャンク債とは、具体的には信用格付けが低い企業が発行する債券のことです。格付け機関によって評価は異なりますが、一般的に「BB格以下」の債券がジャンク債に分類されます。では、なぜ信用格付けが低いのでしょうか?それは、企業の財務状況が不安定だったり、業績が低迷していたりと、元本や利子の支払いが滞る可能性を孕んでいるからです。そのため、投資家はそのリスクに見合う高い利回りを期待してジャンク債に投資します。
投資情報

投資の必須知識!ストップロスオーダーで損失を最小限に

「投資で損失は避けたいけど、常に値動きをチェックするのは難しい…」 そんな悩みを持つ投資家も多いのではないでしょうか?投資にはリスクがつきものですが、リスクを最小限に抑えるための有効な手段の一つが「ストップロスオーダー」です。ストップロスオーダーとは、あらかじめ設定した価格に達したら自動的に保有資産を売却する注文方法のことです。例えば、1株1,000円の株を100株購入し、ストップロスオーダーを900円に設定したとします。すると、株価が900円まで下落した時点で自動的に100株が売却され、損失を10,000円に抑えることができます。ストップロスオーダーを設定しておくことで、感情に左右されずに損切りを実行できるため、投資初心者の方にもおすすめの機能です。
投資情報

証券投資の「プリンシパル取引」とは?

プリンシパル取引とは、証券会社が顧客との間で、自己の保有する有価証券を売買する取引のことを指します。顧客の注文に応じて証券会社が自ら売買の相手方となるため、取引所を介さずに売買が成立するのが特徴です。この取引では、証券会社は顧客に対して、売買する有価証券の価格に一定のスプレッド(手数料)を上乗せして提示します。顧客は、その価格に納得すれば取引が成立し、証券会社から有価証券を購入したり、証券会社に有価証券を売却したりすることができます。
投資情報

資金援助方式とは? 預金保険機構の役割

預金保険機構は、銀行などの金融機関が破綻した場合に、預金者を保護するために設立された機関です。預金保険機構は、破綻した金融機関の預金者に対して、預金保険法に基づき、一定額までの預金を保護します。資金援助方式とは、預金保険機構が、破綻した金融機関に対して資金援助を行うことで、預金者の保護を図る制度です。従来の預金保険制度では、破綻した金融機関の預金は、預金保険機構によって保護されますが、その範囲は限定的でした。しかし、金融危機の発生などにより、預金者の保護をより強化する必要性が高まったことから、資金援助方式が導入されました。資金援助方式には、主に以下の2つのタイプがあります。1. -資本注入型- 預金保険機構が、破綻した金融機関に対して資本を注入することで、その経営を再建する方式2. -ブリッジバンク型- 預金保険機構が、破綻した金融機関の業務を一時的に引き継ぐための銀行(ブリッジバンク)を設立し、その銀行を通じて預金者への払い戻しなどを行う方式資金援助方式は、預金者の保護を強化するだけでなく、金融システムの安定化にも貢献すると期待されています。
投資情報

投資戦略に必須?「投入産出表」入門

「投資戦略に必須」と言われると、なんだか難しそうな分析ツールを想像するかもしれません。しかし、「投入産出表」は特別な知識がなくても理解できる、経済の仕組みを分かりやすく表した表です。例えるなら、企業間の取引を網羅した「経済のレントゲン写真」のようなもの。ある産業がどれだけの材料やサービスを他の産業から購入し、どれだけの製品を他の産業や消費者に販売しているのか、その関係性を詳細に示しています。「投入産出表」は、一見複雑そうに見える経済活動の繋がりを可視化してくれるため、特定の産業への投資が経済全体にどのような影響を与えるかを分析するのに役立ちます。つまり、投資戦略において、より深く市場を理解し、リスクを予測するための強力なツールとなりうるのです。
投資情報

投資の落とし穴!?契約締結前交付書面の重要性

投資の魅力的な話につい心が傾いてしまう一方で、リスクの説明を十分に受けずに契約してしまい、後から後悔するケースは少なくありません。 実は、金融商品への投資を勧誘する際には、金融機関は投資家に対して、商品内容やリスクなどを記した「契約締結前交付書面」を交付することが法律で義務付けられています。 この書面は、投資家を守るための重要な役割を担っており、投資判断を行う上で欠かせない情報が網羅されています。
不動産投資

CMBS投資:不動産のプロが解説

CMBSとは、Commercial Mortgage Backed Securitiesの略で、日本語では「商業用不動産担保証券」と訳されます。 簡単に言うと、オフィスビルや商業施設などの不動産を担保にしたローンを証券化したもので、投資家はCMBSを購入することで、間接的に不動産投資を行うことができます。仕組みは、まず銀行などの金融機関が不動産を開発・所有する企業に対してローンを提供します。そして、複数のローンを束ねて証券化し、格付け機関の評価を得た上で、CMBSとして投資家に販売されます。投資家は、CMBSを購入することで、ローンの元本返済と金利収入を受け取ることができます。