投資情報

投資戦略の解剖:ビルディング・ブロック方式入門

- 1. ビルディング・ブロック方式とは何か?投資の世界では、リターン獲得を目指す一方で、リスクとどのように向き合うかが重要なテーマです。リスクを闇雲に恐れるのではなく、正しく理解し、コントロールすることで、投資目標達成への道筋が見えてくるでしょう。そこで有効なアプローチの一つが、今回ご紹介する「ビルディング・ブロック方式」です。ビルディング・ブロック方式とは、例えるなら、家を建てるように、投資ポートフォリオを構築していく手法です。土台や柱、壁といったように、投資目標やリスク許容度に応じて、異なる役割を持つ「資産クラス」を一つずつ積み上げていく点が特徴です。この方式のメリットは、リスク分散効果を高め、特定の資産や市場の変動に大きく影響を受けにくいポートフォリオを構築できる点にあります。また、自身の投資スタイルや目標に合わせて、柔軟にカスタマイズできる点も魅力です。次の章では、具体的なビルディング・ブロックの構成要素となる「主要な資産クラス」について詳しく解説していきます。
投資情報

OTC取引入門:市場外取引の仕組みとメリット・デメリット

OTCとは「Over The Counter」の略称で、日本語では「店頭取引」や「相対取引」と呼ばれます。これは、証券取引所などの公的な取引所を経由せずに、売買当事者が直接交渉して取引を行う方法です。一方、私たちが普段よく耳にする株式投資などは、証券取引所で行われています。こちらは「取引所取引」と呼ばれ、証券取引所に上場している銘柄を、不特定多数の投資家が売買するシステムです。OTC取引と取引所取引の大きな違いは、取引の透明性と流動性です。取引所取引は、上場されている銘柄の価格や取引量が公開されているため、誰でも簡単に情報を得ることができます。また、市場参加者も多いことから、売買が成立しやすく、換金しやすいという特徴があります。一方、OTC取引は、取引所を介さないため、取引情報は公開されず、流動性は低い傾向にあります。しかし、その分、取引条件を当事者間で自由に交渉できるというメリットがあります。
株式投資

NASDAQ完全理解:投資初心者ガイド

NASDAQとは、アメリカにある株式市場のことです。ニューヨーク証券取引所と並んで、世界で最も有名な市場の一つとして知られています。しかし、ニューヨーク証券取引所とはいくつかの点で異なっています。まず、NASDAQは電子取引に特化した市場であるという点です。つまり、物理的な取引所は存在せず、全ての取引はコンピューターネットワークを通じて行われます。このため、NASDAQは「電子市場」と呼ばれることもあります。また、NASDAQは新興企業やテクノロジー企業が多いことでも知られています。Apple、Microsoft、Amazonといった世界的なテクノロジー企業の多くがNASDAQに上場しています。そのため、NASDAQは「ハイテク市場」と呼ばれることもあります。
投資情報

投資の基礎知識:効用価値説とは?

投資の世界では、「価値」は常に中心的なテーマです。しかし、価値とは一体何なのでしょうか?従来の経済学では、商品の価値は主にその生産コストによって決まると考えられてきました。しかし、効用価値説は、この考え方に一石を投じます。効用価値説は、「価値は、その商品がもたらす満足度や有用性によって決まる」と主張します。つまり、どれだけ時間や労力をかけて作られた商品でも、人々にとって役に立たなければ、その価値は低いとみなされるのです。例えば、砂漠の真ん中で喉が渇いている人にとって、一杯の水は非常に高い価値を持ちます。なぜなら、その水は喉の渇きを癒し、命をつなぐという大きな効用をもたらすからです。一方、都会で水道水が簡単に手に入る場所では、同じ一杯の水の価値は低くなります。このように、効用価値説は、時間や場所、状況によって価値が変化するという現実をうまく説明できるのです。
投資情報

投資初心者のための『注意喚起文書』入門

投資の世界では、初心者にとって魅力的に見える話や、簡単にもうかると感じられる話がたくさん存在します。しかし、残念ながらその中には、リスクを十分に説明していなかったり、最悪の場合、詐欺まがいの話も潜んでいるのが現実です。そこで登場するのが「注意喚起文書」です。これは、金融庁や証券取引等監視委員会といった公的な機関が、投資家に対して注意を促すために作成・公開している文書です。具体的には、「この投資話にはこんなリスクがありますよ」「この業者はこんな問題を起こしたことがありますよ」といった情報をまとめたもので、投資家自身が安全に投資を行うために役立つ情報を提供しています。
株式投資

低位株投資のススメ: メリット・リスクを解説

低位株とは、一般的に株価が低い水準にある株式のことを指します。明確な定義はありませんが、おおむね数百円以下の株式が該当することが多いでしょう。低位株には、業績不振や市場全体の下落などによって株価が低迷している銘柄もあれば、設立間もない企業や規模の小さい企業の株式なども含まれます。
貯蓄・預金

外貨預金で資産運用!メリット・デメリットを解説

外貨預金とは、日本円ではなく、米ドルやユーロなどの外国通貨で預金をする金融商品です。銀行に預けた日本円を、預入時の為替レートで指定した外貨に交換して預け入れます。円預金と同様に、預けたお金に対して利息を受け取ることができます。
株式投資

「るいとう」でコツコツ資産形成

「るいとう」とは、日本語で「積立」と書き、毎月一定の金額を積み立てていく投資方法です。毎月コツコツと積み立てていくため、一度に大きな金額を投資する必要がなく、初心者の方でも始めやすい投資方法として人気があります。「るいとう」では、毎月決まった日に、決まった金額が自動的に銀行口座から引き落とされ、投資信託などの金融商品を購入していきます。自動的に投資を行うため、買い時や売り時に迷う必要がなく、感情に左右されずに投資を続けることができます。
投資情報

投資用語「STP」を解説!

STPとは、「Straight Through Processing」の略称で、日本語では「ストレート・スルー・プロセッシング」と訳されます。これは、金融業界において、証券の注文から約定、決済までの一連のプロセスを自動化する仕組みのことを指します。従来の証券取引では、注文を受けてから決済までに、多くの段階で人による作業が発生していました。しかし、STPが導入されることで、これらの作業が自動化され、業務の効率化、コスト削減、ヒューマンエラーの防止などが期待できます。
FX投資

通貨オプション入門: 為替変動リスクを抑える

為替レートは常に変動しており、輸出入企業や海外投資を行う企業にとって、この変動は大きなリスクとなります。 このリスクをヘッジする手段の一つとして、通貨オプションがあります。通貨オプションとは、将来のある時点の為替レートを事前に固定する権利を売買する契約です。例えば、将来円安が進んでドルでの輸入コストが上昇するのが不安な場合、通貨オプションを利用することで、あらかじめ決めたレートでドルを購入する権利を手に入れることができます。
投資情報

ストラクチャードファイナンス入門

ストラクチャードファイナンスとは、企業の資金調達ニーズに応じて、債券や融資といった伝統的な金融商品を組み合わせたり、証券化などの手法を用いたりして、オーダーメイドで設計された金融商品のことを指します。 従来の金融商品では対応できなかった複雑なニーズにも対応できることから、近年注目を集めています。企業はストラクチャードファイナンスを活用することで、より柔軟に、かつ効率的に資金調達を行うことが可能になります。
投資情報

企業活動の源泉!投資における「労働需要」とは?

企業が事業を円滑に進めるには、そこで働く「労働力」が欠かせません。どれだけ優れたビジネスモデルや革新的な技術があったとしても、それを実行する「人」がいなければ絵に描いた餅になってしまいます。そして、企業活動にとって必要不可欠なこの「労働力」に対する需要を「労働需要」と呼びます。 つまり「労働需要」とは、企業が事業目標を達成するために、どれだけの数やスキルを持った労働者を必要としているかを表すものです。この需要は、企業の規模や業種、そして市場の動向など、様々な要因によって変化します。
債券投資

公社債の小口投資家とは?基礎知識と投資判断のポイント

公社債への投資は、企業が資金調達を行う金融商品に投資することです。なかでも「小口投資家」と呼ばれる個人投資家は、近年その存在感を増しています。では、具体的に公社債の小口投資家とはどのような投資家を指すのでしょうか?一般的に、公社債の小口投資家は、数百万円から数千万円程度の資金を運用し、比較的高利回りを求めて公社債に投資する個人投資家を指します。彼らは、株式投資のようなハイリスク・ハイリターンではなく、ある程度の安定収益を重視する傾向があります。近年では、超低金利時代が長期化する中で、銀行預金では満足できない個人投資家層が、比較的安全性の高い投資先として公社債に注目するケースが増えています。また、インターネット証券の普及により、個人投資家でも簡単に公社債へアクセスできるようになったことも、小口投資家が増加している要因の一つと言えるでしょう。
投資情報

投資指標としてのGDPギャップ理解

GDPギャップとは、現実のGDPと潜在GDPの差を指します。現実のGDPとは、ある時点における実際の経済活動の規模を示す指標です。一方、潜在GDPとは、資源の完全雇用が実現できている場合に達成可能なGDP水準を示します。つまり、GDPギャップは、経済が潜在能力をどれだけ発揮できているかを測る指標と言えるでしょう。
制限・ルール

投資用語解説:過怠金の賦課とは?

過怠金の賦課とは、法律や規則で定められた義務に違反した場合に、行政機関が金銭の支払いを命じることです。投資の世界では、金融商品取引法などの法律や、証券取引所の規則などに違反した場合に、金融庁などの監督官庁から過怠金の賦課を受けることがあります。過怠金の金額は、違反の程度や内容によって異なります。例えば、金融商品取引法違反の場合、数億円という高額の過怠金が科されるケースもあります。また、過怠金の賦課は、企業だけでなく、個人に対しても行われることがあります。投資を行う際には、法令遵守を徹底し、過怠金の賦課を受けないように注意することが重要です。
投資情報

投資初心者のための注文方法解説!

「株を買いたい!」「投資信託で運用を始めたい!」と思っても、実際にはどのようにして注文を出せばいいのか、最初は戸惑う方も多いのではないでしょうか?投資の世界では、この“注文”のことを『オーダー』と呼びます。オーダーは、いわば投資家であるあなたの意思表示。どの銘柄を、どれだけの数量、いくらで買いたいのか(または売りたいのか)を証券会社に伝えるための大切なプロセスです。
債券投資

「随時償還」とは?投資初心者向けにわかりやすく解説

「随時償還」という言葉を投資で見かけたことはありませんか?「償還」は「投資したお金が返ってくること」を指しますが、「随時」となると、いつ返ってくるのか分からず不安に感じる方もいるかもしれません。この章では、投資初心者の方に向けて「随時償還」の意味について解説していきます。
投資情報

手数料削減!投資の現物移管とは?

証券会社で投資をしていると、「現物移管」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。これは、保有している株や投資信託などの金融商品を、別の証券会社に移す手続きのことです。例えば、A証券で保有している株をB証券に移したい場合に、この現物移管を行います。この際、株などの資産そのものが移動するため、売却して現金化してから移動するといった手間はかかりません。
投資情報

資産運用初心者は必見!NPFAとは?

NISAは、「少額投資非課税制度」と呼ばれる、投資によって得られた利益にかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託で利益が出ると約20%の税金がかかりますが、NISAを利用することで、この税金を支払う必要がなくなります。 つまり、NISA口座で投資をすると、同じ利益を得た場合でも、税金がかからない分、手元に残るお金が多くなるというメリットがあります。
投資情報

投資の基本!「市場価格」ってなに?

「市場価格」って言葉を聞いたことはありますか?投資の世界では、基本中の基本となるものですが、意外とその意味を正しく理解していない人もいるのではないでしょうか。「市場価格」とは、簡単に言うと「ある商品やサービスが、市場において取引されている時の価格」のことです。例えば、あなたが普段スーパーで購入するりんごにも市場価格が存在します。りんご農家の人が市場にりんごを出品し、スーパーなどの小売業者が買い付けを行う、その時の価格がりんごの市場価格となります。投資の世界では、株式や債券、投資信託、FXなどの金融商品が市場で取引されています。そして、それらの金融商品にも、需要と供給の関係で決まる市場価格が存在するのです。
投資情報

非自発的失業とは? 倒産・リストラと景気対策の関係

一般的に、失業とは仕事を探している状態を指しますが、その中でも「非自発的失業」は、自分の意志ではなく、会社の倒産やリストラなど、やむを得ない事情によって仕事を失った状態を指します。例えば、会社の業績悪化による希望退職の募集に応募したり、あるいは、会社の都合で解雇されてしまったりする場合が挙げられます。非自発的失業は、個人の努力不足が原因ではなく、経済状況や企業の経営状況といった外部要因によって引き起こされる場合が多いため、個人の力では解決することが難しい問題です。そのため、政府による景気対策など、社会全体での対策が必要となります。
債券投資

複雑な仕組債を理解する

複雑な仕組債とは、債券とデリバティブ(金融派生商品)を組み合わせた金融商品です。通常の債券よりも高い利回りや、値動きが株式や為替と連動するなど、様々な特徴を持つように設計されています。一見すると魅力的な投資対象にも見えますが、その仕組みは複雑で、投資初心者にとっては理解が難しいと言えます。場合によっては、元本割れのリスクや、投資期間が長期に渡る可能性もあります。
株式投資

投資と株主議決権:企業価値向上への道

企業が事業活動を行う上で、重要な経営方針や計画は株主総会での決議を経て決定されます。そして、株主は保有する株式数に応じて議決に参加できる権利、すなわち「株主議決権」を有しています。これは、企業の重要な意思決定に株主が参加できる重要な権利と言えるでしょう。株主議決権を行使することで、株主は自らの投資に対する責任を果たすと同時に、企業の成長や価値向上に影響を与えることも可能になります。企業の将来を左右する重要な局面において、株主は議決権を通じて自らの意見を反映させることができるのです。
投資情報

インサイダー取引:その違法性とリスク

インサイダー取引とは、証券取引において、一般に公開されていない重要な情報(重要事実)を知っている者が、その情報を利用して株式等の売買を行い、利益を得たり、損失を回避したりする行為を指します。具体的には、企業の合併や業績発表など、株価に大きな影響を与える可能性のある情報を事前に知り、その情報が公開される前に自社株を取引する行為が挙げられます。この行為は、情報を持たない一般投資家との公平性を欠き、市場の信頼を損なうため、金融商品取引法で厳しく禁止されています。