投資情報

侮蔑語「PIGS」が物語る欧州経済

2000年代後半、世界を震撼させたリーマンショックは、欧州経済にも大きな影を落としました。とりわけ、財政状況が脆弱な一部の国々が、経済危機によって深刻な財政難に陥ったのです。それはポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインの4カ国であり、これらの国名はそれぞれの頭文字を取って「PIGS」と揶揄されるようになりました。当初は経済ジャーナリストや市場関係者が用いていたこの言葉は、次第にメディアでも使われるようになり、4カ国の財政不安を象徴する侮蔑的な言葉として世界中に広まりました。リーマンショックという未曾有の危機は、欧州経済の抱える構造的な問題を浮き彫りにすると同時に、「PIGS」という言葉を生み出すことで、世界に衝撃を与えることになったのです。
貯蓄・預金

預金を守る制度「ペイオフ」とは?

「ペイオフ」とは、銀行や信用金庫などの金融機関が破綻した場合に、預金者一人当たり1,000万円までとその利息を保護する制度です。 つまり、仮に預けていた金融機関が破綻したとしても、ペイオフの対象となる預金であれば、1,000万円までとその利息は国が保障してくれるのです。 この制度は、預金者の保護と金融システムの安定を目的としています。
投資情報

投資の基礎!金融リテラシーを学ぼう

「金融リテラシー」。最近よく耳にする言葉ですよね。これは簡単に言うと「お金に関する知識や判断力」のこと。日々の生活でお得に暮らすため、将来のためにお金を育てるため、金融リテラシーは私たちみんなに必要な力なんです。
投資情報

転職時の年金資産、移受換のススメ

転職する際に、それまで加入していた企業年金の年金資産を新しい制度に移す手続きを「移受換」と言います。転職先の企業年金制度に加入する場合には、「企業年金制度間による移換」、個人型確定拠出年金に加入する場合には「個人型確定拠出年金への移換」、といった選択肢があります。移受換を行わない場合は、脱退一時金として一時金で受け取るか、加入していた企業年金制度で資産を運用し続けるかを選択することになります。しかし、一時金として受け取ると所得税や社会保険料の負担が発生する場合があり、運用を続けると管理が煩雑になる可能性があります。移受換には、年金資産をまとめて管理できる、運用期間が長くなることで資産形成を有利に進められる可能性がある、一時金の受け取り時に比べて税制上のメリットがあるなどのメリットがあります。
投資情報

「押し目買い」で賢く投資!

投資の世界でよく耳にする「押し目買い」。これは、株価や証券価格が一時的に下落したタイミングを狙って購入する投資手法です。しかし、この「押し目」とは一体何なのでしょうか?株式投資において、株価は常に変動しています。需要と供給のバランスによって価格が上下するのが基本ですが、この変動の中には一時的な下落が含まれます。例えば、好調な企業の株価が、全体的な市場の低迷や、一時的な悪材料によって下落する場合があります。このような一時的な下落のことを「押し」と呼びます。「押し目買い」は、この「押し」を利用した投資戦略と言えるでしょう。
投資情報

投資初心者のための注文方法解説!

「株を買いたい!」「投資信託で運用を始めたい!」と思っても、実際にはどのようにして注文を出せばいいのか、最初は戸惑う方も多いのではないでしょうか?投資の世界では、この“注文”のことを『オーダー』と呼びます。オーダーは、いわば投資家であるあなたの意思表示。どの銘柄を、どれだけの数量、いくらで買いたいのか(または売りたいのか)を証券会社に伝えるための大切なプロセスです。
投資情報

知ってる? 投資用語「大納会」

1年の最終取引日のことを、証券取引所では「大納会」と呼びます。株式市場や証券取引所がお休みに入る、年末年始の風物詩ともいえるでしょう。大納会は、毎年12月30日に行われます。この日に向け、1年間の取引を終え、投資家たちは翌年の投資戦略を練ることになります。
投資情報

投資の基本!現物取引とは?

現物取引は、証券会社に開いた口座を通して、実際に自分がお金を出して株などの資産を購入し、その資産を保有することを指します。株式投資で例えると、自分が保有している資金の範囲内で、証券会社を通じて企業の株を購入します。購入した株は証券会社の口座に保管され、値上がりしたタイミングで売却することで利益を得たり、配当金を受け取ったりすることができます。 現物取引の魅力は、シンプルな仕組みで初心者にも分かりやすい点にあります。また、現物で所有しているため、レバレッジ取引のように追証が発生するリスクもありません。
投資情報

投資の基礎: 受託者ってどんな役割?

投資の世界では、「受託者」という言葉を耳にすることがあります。一体、受託者とはどんな役割を担っているのでしょうか?簡単に言えば、受託者とは、投資家から資産の運用や管理を任された責任者のことを指します。投資家自身で投資を行うのではなく、専門的な知識や経験を持つ受託者に資産を託すことで、より効率的な運用やリスク管理を期待する仕組みです。例えば、投資信託では、運用会社が受託者となり、投資家から集めた資金を元に、株式や債券などに投資を行います。受託者は、投資家の利益を最大化するよう、常に市場状況を分析し、適切な投資判断を下していく必要があります。受託者は、投資家から預かった大切な資産を扱うため、高い倫理観と責任感が求められます。また、透明性のある情報開示を行い、投資家との信頼関係を築くことも重要です。
FX投資

インターバンク市場入門:金融のプロの取引をのぞいてみよう!

- インターバンク市場とは?その仕組みを解説「インターバンク市場」。ニュースなどで耳にしたことはあっても、具体的にどんな市場なのか、イメージがわかない方もいるかもしれません。インターバンク市場とは、銀行同士が資金を貸し借りする市場のことを指します。銀行は私たち預金者から預かったお金を企業に融資したり、国債を買ったりして運用しています。しかし、融資や運用にはどうしても資金が不足してしまうケースや、逆に余剰資金が生じてしまうケースがあります。そんな時、銀行はインターバンク市場を通じて他の銀行からお金を借りたり、逆に他の銀行にお金を貸したりすることで、効率的に資金を調整しているのです。インターバンク市場は、銀行にとって、いわば「銀行のための銀行」と言える重要な役割を担っています。
投資情報

投資の基礎知識:財政計算を理解しよう

財政計算とは、国や地方公共団体がお金の出入りを管理し、計画的に運営していくための計算方法です。 家計簿をイメージするとわかりやすいかもしれません。収入と支出を把握し、どのようにお金を使うのか、どのように収入を増やしていくのかを考えるために、欠かせないものです。投資の世界においても、財政計算は重要な役割を果たします。企業の財務諸表を分析する際、財政計算の知識があると、その企業の財務状態や収益力をより深く理解することができます。そして、将来性やリスクを見極め、適切な投資判断を行うために役立ちます。
投資情報

投資家必見!債務不履行のリスクと対策

企業は事業を拡大したり、新たなプロジェクトに投資したりする際に、銀行や投資家から資金を借り入れることがあります。この借り入れた資金を「債務」と呼びます。債務には、返済期日までに利息と共に元本を返済する義務が生じます。 しかし、企業の業績悪化や予期せぬ事態の発生などにより、約束通りに債務を返済できなくなることがあります。これが「債務不履行」です。 債務不履行は、企業の信用を失墜させ、最悪の場合、倒産に追い込まれる可能性もある、投資家にとって見逃せないリスクです。
投資情報

投資の落とし穴?「買手責任」の真実

「買手責任」という言葉をご存知でしょうか?これは、消費者や投資家が、商品の購入やサービスの利用、投資判断を行う際に、自ら情報収集や検討を行い、自己責任で判断しなければならないという原則です。例えば、あなたが中古車を購入する場合を想像してみてください。販売店は車の状態についてある程度の説明はしますが、全ての細かい傷や不具合を伝えることはできません。そのため、購入者は自ら車の状態をよく確認し、試乗するなどして、納得した上で購入する必要があります。これが買手責任の考え方です。投資の世界でも、買手責任は非常に重要です。投資家は、企業の財務状況や将来性、市場動向などを自分で分析し、投資のリスクを理解した上で、自己責任で投資判断を行う必要があります。販売会社やアドバイザーは投資のアドバイスをしてくれますが、最終的な判断は自分自身で行わなければならないのです。
投資情報

景気を読む羅針盤!ディフュージョン・インデックス入門

景気動向を探る上で欠かせない指標の一つに「ディフュージョン・インデックス(DI)」があります。DIは、景気ウォッチャー調査や日銀短観など、様々な経済調査で使われており、ニュースなどで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。DIは、簡単に言うと、景気が「良い」と回答した企業や人の割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値です。例えば、100社を対象とした企業景況感調査で、「景気が良い」と回答した企業が60社、「悪い」と回答した企業が30社だった場合、DIは「60 - 30 = 30」となります。DIは、0を基準として、50を超えると景気が良い方向、50を下回ると景気が悪い方向へ進んでいると判断されます。ただし、DIはあくまでも調査対象となった企業や人の主観的な意見を集計したものであり、景気の良し悪しを絶対的に示すものではない点に注意が必要です。
投資情報

投資家の盾、業務改善命令とは?

近年、投資家による企業への関与が強まっていることを背景に、企業の持続的な成長と投資家保護の両立が重要な課題となっています。従来、株主は企業に対して意見を述べる権利を持つものの、その意見が企業経営に直接的に反映されることは稀でした。しかし、コーポレートガバナンスの強化が求められる中、株主の意見を経営に適切に反映させる仕組みが必要不可欠となっています。このような状況下で、投資家が企業に対して業務改善を促すための有効な手段として注目されているのが「業務改善命令」です。この制度は、一定の要件を満たす株主が、企業に対して特定の業務改善策の実施を裁判所に請求できるというものです。業務改善命令は、企業に健全な経営を促し、企業価値の向上を図ることを目的としています。
株式投資

時価転換:投資の基礎を解説

「時価転換」。投資の世界に足を踏み入れると、必ずと言っていいほど耳にする言葉ですが、その意味を正しく理解しているでしょうか? 時価転換とは、簡単に言えば、投資信託やETFなどの金融商品の価格を、市場の需要と供給によって決定される「時価」に基づいて評価することを指します。例えば、あなたが投資信託を購入したとします。この投資信託は、株式や債券など、さまざまな資産に投資を行っています。そして、それらの資産の価格が変動すると、投資信託全体の価値も連動して変動します。この変動を反映して、毎日計算されるのが「基準価額」です。 つまり、時価転換とは、投資信託の基準価額を、市場の動きに合わせて常に最新の状態に保つための仕組みと言えるでしょう。
FX投資

銀行間取引「直取引」を解説

「直取引(DD)」とはDirect Dealingの略称で、銀行間で資金取引を行う際、ブローカーを通さずに直接取引を行う形態を指します。従来の銀行間取引では、ブローカーと呼ばれる仲介業者が取引相手を探したり、条件交渉を仲介したりするのが一般的でした。しかし、直取引ではこれらのプロセスを銀行が自ら行うため、仲介手数料の削減や、よりスピーディーな取引が可能となります。また、取引相手や条件を自ら選択できるため、銀行にとってより自由度の高い取引形態と言えるでしょう。
投資情報

構造的失業とは?:原因と対策を解説

構造的失業とは、経済構造の変化やミスマッチによって発生する失業を指します。具体的には、産業構造の変化や技術革新などにより、特定の産業や職種で需要と供給のバランスが崩れ、失業者が発生する状態を言います。例えば、製造業からサービス業への産業構造の転換期には、工場の閉鎖や従業員の解雇が発生し、製造業で働いていた人々が失業するケースが考えられます。また、AIや自動化技術の進歩により、従来は人間が行っていた仕事が機械に代替されることで、失業者が出る可能性もあります。
投資情報

投資に影響大!総需要管理政策を解説

総需要管理政策とは、政府が税金や政府支出といった財政政策、そして日本銀行が金利や貨幣供給量を調整する金融政策を用いて、景気変動を抑制し、経済を安定させようとする政策のことです。需要と供給の関係で説明すると、モノやサービスへの需要が増えれば価格は上昇し、需要が減れば価格は下落するといったように、需要は経済活動に大きな影響を与えます。総需要管理政策は、需要に働きかけることで、物価の安定や雇用の増加といった経済の安定化を目指します。
FX投資

投資用語「スポット」を解説!

「スポット」とは、取引において売買の契約と同時に決済を行う取引のことを指します。つまり、取引を決めたその場で商品の受け渡しとお金の支払いが完了する取引形態です。反対に、将来の特定の期日に受け渡しや支払いを行う取引は「先物取引」と呼ばれます。
投資情報

投資の基礎知識:「合理的行動」とは?

投資の世界で頻繁に耳にする「合理的行動」という言葉。これは一体、何を意味するのでしょうか? 「合理的行動」とは、端的に言えば、それぞれの経済主体が自身の利益を最大化するために、最適な選択肢を選ぶ行動を指します。例えば、投資においては、限られた資金で最大の利益を得るために、リスクとリターンを比較検討し、最も有利な投資先を選択することが「合理的行動」と言えるでしょう。
投資情報

投資の基礎知識:リクイディティとは?

「リクイディティ」って言葉を聞いたことはありますか?投資の世界では頻繁に登場する、重要なキーワードです。簡単に言うと、リクイディティとは「資産を現金化するまでのしやすさ」のことを指します。例えば、あなたの持っている1万円札を考えてみましょう。これはお店に行けばすぐに商品と交換できますよね?つまり、現金はリクイディティが非常に高いと言えます。一方で、田舎の一軒家はどうでしょうか?すぐに買い手が見つかるとは限りませんし、売却までに時間も手間もかかります。これはつまり、不動産は現金に比べてリクイディティが低いと言えるわけです。
投資情報

価格の役割:投資における需要と供給のバランス

投資の世界では、常に価格が変動しています。株式、債券、不動産など、あらゆる資産には価格があり、その価格は絶えず変化しています。では、この「価格」とは一体何なのでしょうか? 簡単に言えば、価格は需要と供給のバランスによって決まります。 ある資産に多くの投資家が集まり、需要が高まれば価格は上昇します。逆に、投資家が興味を失い、需要が低下すれば価格は下落します。投資における価格を理解することは、投資判断を行う上で非常に重要です。 なぜなら、価格は市場のセンチメントや、その資産に対する期待を反映しているからです。価格の動きを分析することで、市場全体の動向や、個別の資産に対する投資家の見方を把握することができます。そして、その情報に基づいて、売買のタイミングを計ったり、投資戦略を立てたりすることができるのです。
株式投資

「エクイティ分科会」とは?その役割と重要性

エクイティ分科会とは、企業における従業員やステークホルダーに対して、公平性や公正性を確保するための取り組みを議論し、具体的な施策を検討・提言する組織内組織です。近年、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進が叫ばれる中、エクイティという概念への注目が高まっています。ダイバーシティが「多様性」、インクルージョンが「包容性」を意味するのに対し、エクイティは「公平性」や「公正性」を意味します。エクイティ分科会は、企業が単に多様な人材を雇用するだけでなく、すべての人がそれぞれの状況に応じて平等に機会や待遇を得られるような環境を作るために設置されます。