投資情報

投資指標を読み解く: 景気動向指数の3系列

景気動向指数は、景気の現状把握と将来予測のために用いられる経済指標です。さまざまな経済統計を、景気に対する影響力に応じて加重平均して算出されます。この指数は、景気の「山」や「谷」といった転換点や、景気変動のテンポ、すなわち「景気循環」を捉えるのに役立ちます。景気動向指数は、先行指数、一致指数、遅行指数の3 つの系列から構成されています。これらの系列は、景気循環との関係性に基づいて分類されており、先行指数は景気に先行して動き、一致指数は景気と同時に動き、遅行指数は景気に遅れて動くという特徴があります。
投資情報

連結決算を理解しよう:投資判断の基礎知識

連結決算とは、親会社とその子会社群をひとまとめにした企業グループ全体の経営成績や財政状態を表す決算書のことです。企業は、事業拡大やリスク分散などを目的に、子会社を設立するケースが多く見られます。しかし、子会社ごとに個別の決算書を見ただけでは、企業グループ全体の姿や親会社の財務状況を正しく把握することはできません。そこで、連結決算が必要となるのです。連結決算では、親会社と子会社の財務諸表を合算し、企業グループ内での取引を相殺することで、あたかも一つの企業であるかのように財務状況を把握することができます。 連結決算を見ることで、投資家は、企業グループ全体の収益力や財務の安定性などをより的確に判断し、投資判断の材料とすることができます。
投資情報

投資初心者必見!含み益って何?

投資を始めると、よく耳にする「含み益」。これは、あなたが保有している株や投資信託などの資産の価格が、購入した時よりも値上がりしている状態のことを指します。例えば、1株1,000円で購入した株が、現在1,200円の価値になっていると、200円の含み益が出ていることになります。ただし、この時点ではまだ株を売却していないので、あくまで「利益が出ている状態」ということ。実際に売却して初めて、利益が確定し、手元に入ることになります。反対に、購入した時よりも価値が下がり、損失が出ている状態は「含み損」と呼ばれます。
投資情報

知ってた?投資用語のPFCってなに?

「PFC」とは、投資におけるポートフォリオを構成する資産クラスの比率を表す言葉です。具体的には、「P (Precious Metals)」=貴金属、「F (Foreign Currencies)」=外国為替、「C (Commodities)」=コモディティの頭文字を取ったものです。 投資の世界では、株式や債券だけでなく、金やプラチナなどの貴金属、ドルやユーロなどの外国為替、原油や穀物などのコモディティにも投資することでリスク分散を行うことが一般的です。PFCバランスは、投資家自身の年齢やリスク許容度、投資目標などに合わせて適切に設定する必要があります。
投資情報

経済成長とは?投資に欠かせない基礎知識

経済成長とは、ある国の経済活動が活発になり、モノやサービスの生産量が増加することを指します。一般的には、実質国内総生産(GDP)の成長率で測られます。実質GDPとは、物価変動の影響を除いたGDPのことで、経済活動の規模をより正確に反映するとされています。経済成長は、企業の業績向上や雇用創出、賃金上昇など、私たちの生活にも大きな影響を与えます。そのため、投資を行う上で、経済成長のメカニズムや現状、将来予測などを理解しておくことは非常に重要です。
投資情報

投資の基礎知識: カストディとは?

「カストディ」とは、金融資産を預かって管理することを指す言葉です。具体的には、証券会社などの金融機関が、投資家から預かった株式や債券などの金融資産を、安全に保管・管理する業務を指します。カストディ業務は、投資家自身に代わって金融機関が専門的な知識とシステムを用いて行うため、投資家は安心して資産運用に集中することができます。預けられた資産は、金融機関の資産とは別に厳格に管理され、万が一金融機関が破綻した場合でも、預けた資産は保護される仕組みになっています。
債券投資

EFSFとは?ユーロ圏の救済機構を解説

2010年代初頭、ユーロ圏を襲った経済危機は、ギリシャに端を発した sovereign debt crisis(ソブリン債務危機)として世界を震撼させました。ユーロ圏の一員であるギリシャが、巨額の財政赤字と債務を抱え、国家破綻の危機に陥ったことが発端です。この危機は、ギリシャ経済の問題にとどまらず、ユーロ圏全体の金融システムを揺るがす深刻な事態へと発展しました。なぜなら、ユーロ圏では単一通貨を採用しているため、一国の経済問題が他の加盟国にも連鎖的に波及するリスクが高かったからです。ギリシャ危機は、ユーロ圏が加盟国の財政状況を十分に監視できていなかったこと、そして危機発生時に対応する資金メカニズムが不足していたことを浮き彫りにしました。この未曾有の危機を前に、ユーロ圏は加盟国を救済し、金融システムの安定を図るための具体的な対策を早急に講じる必要に迫られました。その結果、設立されたのがEFSF(欧州金融安定ファシリティ)です。EFSFは、ユーロ圏が共同で資金を出し合い、危機に瀕した国に融資を行うことで、危機の封じ込めとユーロの安定化を図ることを目的としていました。
投資情報

投資用語解説:市場メカニズムと同義語

市場メカニズムとは、一言で言えば、「需要と供給」の関係によって価格が決まる仕組みのことです。もう少し詳しく説明すると、市場に参加するたくさんの買い手と売り手の行動によって、モノやサービスの価格が決定していくプロセス全体を指します。例えば、ある商品を欲しい人が多く需要が高い場合は、価格は上昇します。反対に、供給が需要を上回る場合は、価格は下落します。このように、市場メカニズムは、買い手と売り手のバランスによって価格が調整されていく、まさに市場経済の根幹となる仕組みと言えるでしょう。
投資情報

投資信託の証書って?受益証券をわかりやすく解説

投資信託を購入すると「受益証券」を受け取ると言われますが、一体どんな証券なのでしょうか? 実は、証券会社から紙の証券が発行されるわけではありません。 受益証券とは、投資家が投資信託に出資したことを示す「持分証明書」のようなものです。投資信託は、多くの投資家から集めたお金をひとまとめにして、専門家である運用会社が株式や債券などに投資を行います。そして、得られた利益は投資家に分配されます。この時、自分が投資信託に対してどれだけの持分を持っているのかを示すものが「受益証券」なのです。
投資情報

企業を襲う?貸し剥がしとその影響

貸し剥がしとは、これまで融資を受けていた企業に対して、銀行が融資の継続を拒否したり、融資額を減らしたりすることを指します。銀行が企業の返済能力に不安を感じた場合に起こりやすく、企業にとって事業継続を脅かす大きなリスクとなります。
株式投資

投資初心者のための「額面」入門

「額面」とは、株や債券などの証券に記載されている金額のことで、 номиналとも呼ばれます。例えば、100万円の債券を購入した場合、その債券の額面は100万円となります。この額面は、投資家が証券の満期日に受け取ることができる元本を表しています。ただし、証券の実際の売買価格は、額面とは異なる場合が多いです。これは、市場の需給や金利などの要因によって、証券の価格が変動するためです。例えば、100万円の額面の債券が、市場では90万円で取引されていることもありますし、逆に110万円で取引されていることもあります。投資をする際には、額面だけでなく、実際の市場価格や利回りなどを総合的に判断することが重要です。
投資情報

投資の安全地帯?セーフハーバーとは

「セーフハーバー」とは、本来リスクを伴う行動をしても、一定の条件を満たせば法的または経済的な責任を回避できるルールや制度のことを指します。投資の世界では、特に金融商品やサービスを提供する企業が、顧客に対して適切な情報開示や注意義務を果たしている場合に、法的責任を免れることができるといった文脈で使われます。具体的には、金融商品の販売時における説明義務の履行や、顧客の投資目的やリスク許容度に合わせた商品提案などが挙げられます。これらの要件を満たすことで、企業は後々のトラブルや訴訟リスクを軽減し、より安心してビジネスを展開することが可能となります。
投資情報

日銀の金融政策を理解する: 基準割引率と基準貸付利率

日本銀行は、日本の経済と物価の安定を図るため、様々な金融政策を行っています。その中でも特に重要なのが、「基準割引率」と「基準貸付利率」です。これらは、日銀が民間銀行に対して資金を貸し出す際の金利の目安となるもので、金融市場全体の金利水準に大きな影響を与えます。
投資情報

投資の基礎知識:価格硬直性とは?

価格硬直性とは、経済学において、市場における価格が、需要や供給の変動に対して、スムーズに調整されない状態を指します。 通常、需要が増加すれば価格は上昇し、供給が減少すれば価格は上昇すると考えられます。しかし現実の経済においては、様々な要因により、価格はこのような変化に対して即座に反応せず、一定期間、同じ水準にとどまることがあります。これが価格硬直性です。
投資情報

投資指標の「実質GNI」とは?

実質GNI(実質国民総所得)とは、国民が1年間に国内外で得た所得の合計から、物価変動の影響を取り除いたものです。簡単に言うと、その国の国民が、1年間にどれだけのモノやサービスを購入できる力を持っているかを表す指標と言えるでしょう。名目GNIが物価の上昇の影響を受けるのに対し、実質GNIは物価変動を調整することで、より正確に国民の購買力の変化を捉えることができます。そのため、経済成長や生活水準の変化を把握するための重要な指標として用いられます。
投資情報

投資用語解説:DNSとは?

- 投資用語解説DNSとは?-# DNS(デジグネイティド・タイム・ネット・セトルメント)とは?DNS(デジグネイティド・タイム・ネット・セトルメント)とは、証券取引において、約定から受渡までの期間を定めた決済方法のことです。具体的には、「取引日(T日)から数えて何営業日目に決済する」というルールに基づいて取引が行われます。例えば、「T+2」と表記される場合は、取引日から2営業日後に決済が行われることを意味します。DNSは、国際的な証券取引において広く採用されている決済方法であり、日本でも多くの金融商品取引で採用されています。
投資情報

投資指標の基礎!基準年とは?

投資の世界では、企業の成長や収益性を様々な指標を用いて分析します。これらの指標を理解する上で欠かせないのが「基準年」という概念です。基準年とは、企業の業績などを比較する際の基準となる年のことを指します。例えば、ある企業の売上高が「基準年比120%」と表現されていた場合、基準年と比較して20%増加したことを意味します。基準年は、分析の目的や期間などに応じて任意に設定することができます。一般的には、過去のある特定の年や、合併などのイベントが発生した年などが基準年として選ばれることが多いです。
株式投資

材料出尽くしって?株価への影響と注意点を解説

株価が上昇するには、企業の業績向上や新規事業展開など、投資家を惹きつける何らかの要因が必要です。この要因を、株式投資の世界では「材料」と呼びます。 「材料出尽くし」とは、事前に期待されていた良い材料が発表された後、実際に株価が大きく上がらず、その後下落に転じてしまう現象を指します。分かりやすく例えると、人気アーティストのコンサートチケットを想像してみてください。ファン待望のコンサートとなれば、チケットは発売と同時に売り切れるでしょう。しかし、チケットを手に入れた後は、実際にコンサートを体験するまでは、ファンは落ち着いて様子を見ることになります。そして、コンサートが終わり、その興奮が冷めてしまうと、チケットの価値は下がってしまいますよね。株価も同じように、良い材料によって一時的に上昇したとしても、その効果が薄れてくると、利益確定の売りが増え、株価が下落することがあります。これが「材料出尽くし」です。
FX投資

為替ディーラーの仕事内容とは?

為替ディーラーとは、銀行や証券会社などの金融機関に所属し、顧客の注文を受けたり、自己勘定取引で利益を上げるために、日々刻々と変化する為替レートを見ながら外国為替取引を行う仕事です。顧客には、海外旅行や海外への送金などで外貨が必要な個人投資家や、海外との取引を行う企業などがいます。彼らは、世界経済や金融市場の動向を分析し、為替レートの変動を予測しながら、最適なタイミングで通貨を売買します。時には、1秒にも満たない短い時間で、大きな金額の取引を行うこともあります。
投資情報

RTGSとは?仕組みやメリットをわかりやすく解説

RTGSとは、Real Time Gross Settlement(リアルタイム・グロス・セトルメント)の略称で、金融機関間で行われる資金移動をリアルタイムで処理し、決済するシステムです。従来の銀行振込などとは異なり、送金指示が出されてから着金確認までがほぼ同時に行われるため、企業間の資金移動をスムーズに行うことが可能となります。このリアルタイム処理こそが、RTGS最大の特徴と言えるでしょう。
投資情報

投資初心者のための「始値」入門

「始値」とは、株式市場や為替市場などにおいて、取引が開始される時点での価格のことを指します。 一日の取引が始まる朝9時には、多くの投資家が市場に注目し、売買注文を出します。その最初の取引が成立した時の価格が始値となります。 始値は、前日の終値やその日の経済ニュース、企業の業績発表などの影響を受けて変動します。例えば、前日に良い経済指標が発表された場合、その日の始値は前日の終値よりも高くなる傾向があります。
様々な投資

外国投信で資産運用!メリット・デメリットとリスクを解説

外国投信とは、海外の株式や債券などに投資を行う投資信託のことです。投資信託は、多くの投資家から集めたお金をひとつの大きな資金として、専門家であるファンドマネージャーが、投資家の代わりに株式や債券などを売買し運用を行います。そして、得られた利益が投資家に分配金として支払われる仕組みになっています。外国投信の場合、投資対象が海外の資産になります。例えば、アメリカの株式市場全体に投資する外国投信や、アジアの新興国の成長企業に投資する外国投信など、様々な種類があります。国内の資産だけでなく、海外の資産にも投資することで、国際的な分散投資が可能となり、リスクを軽減しながら収益の拡大を目指せる点が魅力です。
投資情報

「セイの法則」:供給が需要を生む?

「セイの法則」とは、19世紀のフランスの経済学者ジャン=バティスト・セイによって提唱された経済学の法則です。その内容は、「供給はそれ自体が需要を生み出す」という一見すると不思議なものです。もう少し詳しく説明すると、「モノやサービスの供給が、その生産要素に対する需要(賃金や利潤など)を生み出し、それが最終的に需要となって市場に循環する」という考え方です。セイの法則は、経済が自動的に調整され、完全雇用が実現するという古典派経済学の考え方の根拠の一つとなりました。しかし、20世紀に入るとケインズ経済学の台頭などにより、その妥当性については議論が分かれるようになっています。
投資情報

企業の成長を支える安定株主とは?

安定株主とは、企業の経営に長期的な視点で関与し、保有株式を継続的に保有し続ける株主のことを指します。彼らは短期的な利益を追求するのではなく、企業の長期的な成長と発展を重視し、その企業を応援したいという気持ちを持つことが多いです。安定株主には、創業家やその一族、金融機関、従業員持株会、長年取引のある取引先などが挙げられます。彼らの存在は、企業にとって経営の安定化、資本関係の強化、長期的な成長戦略の実行といった多くのメリットをもたらします。