投資情報

絶対購買力平価: 投資の基礎知識

絶対購買力平価説とは、為替レートと物価水準の関係性を説明する経済学の理論です。簡単に言うと、「同じ商品ならば、どの国で購入しても為替レートを考慮すれば同じ価格になる」という考え方です。例えば、日本で100円のりんごがあるとします。アメリカの通貨である1ドルが100円の為替レートだとすると、アメリカではこのりんごが1ドルで販売されているはずです。もし、アメリカでこのりんごが0.5ドルで売られていたとしたら、絶対購買力平価説によれば、為替レートは1ドル50円になるまで調整されると考えられています。
投資情報

投資の重要指標!ベージュブックを読み解く

「ベージュブック」とは、アメリカ合衆国の中央銀行制度である連邦準備制度理事会(FRB)が、金融政策の決定を目的として作成する経済状況の報告書です。およそ6週間ごとに公表され、その名の通りベージュ色の表紙が特徴です。全米12の地区連邦準備銀行が管轄区域内の企業や経済学者などから聞き取り調査を行い、それぞれの地域経済の動向をまとめたもので、製造業、雇用、物価、消費など、幅広い経済指標について網羅されています。 beige book は金融政策を決める上で重要な資料となるため、投資家やアナリストにとっても注目度の高い経済指標と言えるでしょう。
株式投資

少額から始める未来への投資:株式投資型クラウドファンディングとは?

近年、注目を集めている資金調達方法の一つに、「株式投資型クラウドファンディング」があります。これは、インターネット上のプラットフォームを通じて、企業が不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する方法です。従来の株式投資とは異なり、株式投資型クラウドファンディングでは、投資家は企業の株主となり、企業の成長に伴って配当金や株式価値の上昇による利益(キャピタルゲイン)を得られる可能性があります。従来の株式投資と比較して、株式投資型クラウドファンディングは、少額から投資できることが大きなメリットです。そのため、株式投資に興味はあるものの、まとまった資金を用意することが難しい個人投資家にとって、魅力的な投資機会となっています。また、将来性を感じられる企業や、共感できるビジョンを持つ企業を応援するという意味合いからも、注目されています。
投資情報

ケインズ革命:経済学の常識を変えた理論

ジョン・メイナード・ケインズは、20世紀初頭に活躍したイギリスの経済学者です。彼は、世界恐慌後の不況にあえぐ世界を救るための理論を提唱し、「ケインズ革命」と呼ばれる経済学における大きな変革をもたらしました。彼の提唱した理論は、今日「ケインズ経済学」として知られており、政府による積極的な経済介入の必要性を説いたものでした。従来の経済学では、市場メカニズムに任せれば景気は自然と回復するという考え方が主流でしたが、ケインズはそれを否定し、政府が財政支出や金融政策を通じて需要を創出しなければ、不況は長期化すると主張しました。この革新的な考え方は、世界恐慌後の世界経済を救う上で大きな役割を果たしたとされ、今日でも経済政策の重要な指針となっています。
債券投資

初心者向けCBO入門:債券担保証券とは?

債券担保証券(CBO)とは、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードローンなど、様々な債権を裏付けとして発行される証券です。具体的には、銀行などの金融機関が、貸し出した住宅ローンや自動車ローンなどの債権をまとめて証券化し、投資家に販売します。この証券がCBOです。CBOは、元となる債権の種類やリスク、利回りなどに応じて、様々な種類があります。そのため、投資家は自身の投資目的やリスク許容度に応じて、適切なCBOを選択することができます。
投資情報

投資の基礎知識: FOMCってなに?

FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略称で、アメリカ合衆国の金融政策を決定する機関です。具体的には、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)における重要な委員会の一つです。FOMCの主な役割は、政策金利である「フェデラルファンド(FF)金利」の誘導目標などを決定することです。このFF金利は、銀行同士が短期的に資金を貸し借りする際の基準となる金利です。FOMCがFF金利の誘導目標を引き上げると、市場金利全体が上昇し、企業や個人の借入コストが増加します。逆に、FF金利の誘導目標を引き下げると、市場金利全体が低下し、企業や個人の借入コストが減少します。FOMCの決定は、アメリカの経済だけでなく、世界経済にも大きな影響を与えるため、投資家はFOMCの動向に常に注目しています。
株式投資

投資初心者のための利食い売り入門

「利食い売り」とは、保有している株や投資信託などの価格が上昇した際に、利益を確定するために売却することを指します。株式投資や投資信託では、値上がりによって利益(キャピタルゲイン)を得ることが目的の一つとなっています。株価が上昇して目標としていた価格まで到達したら、利益を確保するために売却するのが基本的な考え方です。投資の世界では「頭と尻尾はくれてやれ」ということわざがあるように、天井で売る、底で買うことは至難の業です。欲張らずに、ある程度の利益が出たら売却して利益を確定することが、投資を成功させるための秘訣と言えるでしょう。
制限・ルール

投資の基礎知識: 外為法とは?

- 外為法の目的と背景外為法とは、正式名称を「外国為替及び外国貿易法」といい、1949年に制定された法律です。制定当時は、第二次世界大戦後の混乱期であり、日本経済は壊滅的な状況にありました。外貨不足や海外との取引制限など、多くの問題を抱えていたのです。こうした状況下で制定された外為法は、国内の資金や資源を有効活用し、経済の復興と安定を図ることを目的としていました。具体的には、外国為替取引を国の管理下に置き、貿易や資本取引を規制することで、健全な経済発展を目指したのです。その後、日本経済は高度経済成長を経て大きく発展し、世界経済との結びつきも強くなりました。それに伴い、外為法も時代の変化に合わせて改正が重ねられてきました。1998年には大幅な改正が行われ、原則自由化が導入されるなど、国際的な潮流に合わせた柔軟な運用が求められるようになっています。
投資情報

日経平均下落で儲かる?「インバース型」投資を解説

株式投資というと、株価が上昇することで利益を狙うイメージが強いのではないでしょうか。しかし、中には株価が下落する局面でも利益を追求できる投資方法が存在します。それが「インバース型」と呼ばれる投資手法です。インバース型とは、特定の指数(日経平均株価やTOPIXなど)の動きと反対の値動きをするように設計された金融商品です。例えば、日経平均株価が1%下落した場合、日経平均株価を対象とするインバース型の商品は、理論上は1%上昇することになります。インバース型の金融商品は、主にETF(上場投資信託)や投資信託として提供されています。これらの商品は、証券会社を通じて、通常の株式と同様に売買することが可能です。インバース型の商品は、株価の下落局面において利益を狙える点が最大の魅力と言えるでしょう。しかし、その一方で、株価が上昇する局面では損失が発生する可能性がある点には注意が必要です。インバース型投資は、あくまでも投資の選択肢の一つとして、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて検討する必要があります。
投資情報

投資信託の「トータルリターン」を理解しよう

投資信託で運用成果を評価する際によく耳にする「トータルリターン」。実はこれ、投資信託の値上がり益だけを指す言葉ではないのです。投資信託は、分配金や株式分割など、値上がり以外の要因でもリターンが変動します。この章では、投資信託における「トータルリターン」の意味やその重要性について詳しく解説していきます。投資初心者の方はもちろん、これまでに「トータルリターン」という言葉に疑問を感じたことがある方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
株式投資

初心者向け!新株予約権をわかりやすく解説

新株予約権とは、簡単に言うと将来、ある会社の株式をあらかじめ決められた価格で購入できる権利のことです。例えば、A社という会社の株価が将来値上がりしそうだとします。あなたは今のうちにA社の株式を取得しておきたいけど、資金が足りない…そんな時に役立つのが新株予約権です。新株予約権を取得しておけば、将来、あらかじめ決められた価格でA社の株式を購入できます。つまり、株価が上がってから購入する場合と比べて、お得に株式を手に入れられる可能性があるのです。
不動産投資

オルタナ投資入門: 新時代の資産運用

近年、従来の株式や債券といった伝統的資産とは異なる投資先である「オルタナティブ投資」に注目が集まっています。オルタナティブ投資とは、ヘッジファンド、未公開株式、不動産、コモディティ、インフラストラクチャーなど、伝統的資産以外の投資対象を幅広く指す言葉です。従来の資産クラスと比べて値動きの異なるオルタナティブ投資は、分散投資によるリスク抑制と、高いリターン獲得の可能性を投資家に提供します。また、世界経済の成長やインフレといった変化にも柔軟に対応できるため、長期的な資産形成において重要な役割を果たすと期待されています。
投資情報

投資の基礎知識:ケインズ学派 vs 古典学派

経済学の世界は、時に複雑で難解に思えるかもしれません。特に投資の世界に足を踏み入れる際、様々な経済理論や学派の名前を耳にすることがあるでしょう。中でも、ケインズ学派と古典学派は、マクロ経済学という国家レベルの経済活動を分析する分野において、長年に渡り経済学者たちの間で議論の的となってきた、いわば二大巨頭です。彼らの経済に対する考え方の違いは、そのまま投資戦略にも影響を与える可能性があります。そこで今回は、ケインズ学派と古典学派の基本的な考え方、そして投資への影響について解説していきます。
投資情報

投資の鍵?GDEで景気動向を読み解く

GDEとは、Gross Domestic Expenditure(国内総支出)の略称で、一定期間内に国内でどれだけモノやサービスが購入されたかを示す経済指標です。家計、企業、政府など、経済活動を行うあらゆる主体の支出を合算することで算出されます。GDEは、GDP(国内総生産)と密接な関係があります。GDPが国内でどれだけの付加価値が生み出されたかを表すのに対し、GDEはその付加価値が生み出される過程で、実際にどれだけの支出が行われたのかを明らかにします。 つまり、GDEを見ることで、国内経済の現状を需要面から把握することができるのです。
その他

EDCとは?: 欧州防衛の夢と現実

第二次世界大戦後、荒廃したヨーロッパは新たな脅威に直面していました。それは、冷戦の始まりとソ連の軍事力拡大です。西側諸国は、ソ連の脅威に対抗するために北大西洋条約機構(NATO)を設立しますが、ヨーロッパ自身の防衛力強化も喫緊の課題でした。このような背景の中、フランスからヨーロッパ防衛共同体(EDC)構想が提唱されます。EDCは、ヨーロッパ諸国が共通の軍隊を持ち、一体となって防衛にあたるという壮大な計画でした。この構想は、大戦の惨禍を繰り返さないために、そしてアメリカの軍事力に頼りすぎることなく、ヨーロッパ独自の安全保障体制を構築することを目指していました。EDC構想は、当時の国際情勢とヨーロッパの危機感から生まれた、野心的な試みだったと言えるでしょう。
投資情報

投資のキーワード:骨太の方針を読み解く

毎年、投資家や経済界から注目を集める「骨太の方針」。これは、政府がその年の経済財政運営の基本的な方向性を示す重要な政策文書です。正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」といい、6月頃に閣議決定されます。骨太の方針では、日本経済が抱える課題や中長期的な視点での目標、そしてそれらを達成するための具体的な政策などが盛り込まれます。特に、成長戦略は投資家にとって大きな関心事です。骨太の方針で重点分野として挙げられた業界は、政府の政策的な支援や規制緩和などが期待できるため、投資対象として有望視されます。逆に、方針に沿わない、あるいは重点から外れた分野は、成長が鈍化する可能性もあり、投資判断には注意が必要です。具体的には、過去には「Society 5.0」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)」などが骨太の方針で重点分野として位置付けられ、関連企業の株価が上昇しました。このように、骨太の方針は政府の政策意図を読み解くための重要な手がかりとなり、投資戦略に大きな影響を与える可能性があります。骨太の方針は、単なる政府の発表資料ではなく、投資判断に活用できる重要な情報源と言えるでしょう。
投資情報

投資の基礎知識:名目成長率とは?

名目成長率とは、ある経済指標の成長率を、物価変動の影響を含めて計算した数値のことです。例えば、ある年のGDPが前年比で5%増加した場合、名目GDP成長率は5%となります。これは、物価上昇の影響も含まれているため、実質的な経済成長を正確に表しているとは限りません。そのため、名目成長率と併せて、物価変動の影響を除いた実質成長率も確認することが重要となります。
投資情報

金融商品仲介業者って?役割やメリットをわかりやすく解説

金融商品仲介業者とは、証券会社や保険会社などから委託を受け、顧客に金融商品を仲介する業者のことです。具体的には、顧客の投資目標やリスク許容度などをヒアリングし、顧客に最適な金融商品を提案したり、商品の説明やアドバイスを行います。証券会社や銀行のように、預かったお金で株や債券の売買を行うことはなく、あくまでも顧客と金融機関の橋渡し役を担います。
投資情報

証券投資の「プリンシパル取引」とは?

プリンシパル取引とは、証券会社が顧客との間で、自己の保有する有価証券を売買する取引のことを指します。顧客の注文に応じて証券会社が自ら売買の相手方となるため、取引所を介さずに売買が成立するのが特徴です。この取引では、証券会社は顧客に対して、売買する有価証券の価格に一定のスプレッド(手数料)を上乗せして提示します。顧客は、その価格に納得すれば取引が成立し、証券会社から有価証券を購入したり、証券会社に有価証券を売却したりすることができます。
投資情報

合成の誤謬:投資の落とし穴

「合成の誤謬」とは、部分的に正しいことが全体にも必ずしも当てはまるとは限らないという誤った推論を指します。経済学や投資の世界でよく見られるもので、個々の投資家にとっては正しい判断が、市場全体で見ると悪い結果をもたらすケースなどが挙げられます。
投資情報

アトサイト入門:輸出ビジネスの支払いを理解する

アトサイトとは、輸出入取引における代金決済方法の一つで、信用状(L/C)と並んで多く利用されています。輸出者が船積書類を銀行に提出することで、代金の支払いを確約する仕組みです。輸入者は商品を受け取った後、一定期間内に代金を支払います。アトサイトは、輸入者にとって支払い猶予を得られるメリットがある一方、輸出者にとっては代金回収のリスクが伴います。
投資情報

価格の伸縮性:投資の基礎知識

価格の伸縮性とは、ある商品の価格の変化に対して、その商品の需要量がどれくらい変化するかを示す指標です。簡単に言えば、価格の変化によって、人々がその商品を「買い続けるか、買わなくなるか」を表すものです。
投資情報

投資の基礎: 債務不履行リスクとは?

債務不履行リスクとは、借り手が期限内に元本や利息などの債務を返済できないリスクのことを指します。簡単に言うと、お金を貸した相手が、約束通りにお金を返してくれないかもしれないというリスクです。投資の世界では、国債や社債などの債券投資において、この債務不履行リスクは重要な要素となります。なぜなら、債券は企業や国にお金を貸すことと似ており、借り手である企業や国が財政難に陥ると、債務不履行に陥る可能性が高まるからです。債務不履行リスクは、投資判断を行う上で避けては通れない要素と言えるでしょう。
株式投資

PTS投資入門:取引の仕組みとメリット

- PTSとは?証券取引所との違い投資を始めようと思った時、多くの人は「証券取引所」を思い浮かべるでしょう。しかし、近年では証券取引所以外の取引手段として「PTS」も注目を集めています。PTSは、Private Trading System(私設取引システム)の略称で、証券取引所とは異なる特徴を持つ取引の場です。PTSと証券取引所の最大の違いは、運営主体にあります。証券取引所は、金融商品取引法に基づいて設立された株式会社が運営しています。一方、PTSは証券会社などの金融機関が独自に運営しています。この違いは、取引時間や手数料、取引できる銘柄などに違いを生み出しています。例えば、PTSでは証券取引所が開いていない夜間や早朝でも取引が可能な場合があります。また、手数料が証券取引所よりも安いケースも多いです。さらに、PTSでは証券取引所では取り扱っていない新興企業の株式や、海外株式など独自の銘柄が取引できる場合があります。PTSは、このように証券取引所とは異なる特徴を持つため、投資家にとって新たな選択肢となっています。自分の投資スタイルやニーズに合わせて、PTSと証券取引所を使い分けることが重要です。