投資と公営企業金融公庫：知っておきたい基礎知識
投資をしたい
先生、「公営企業金融公庫」って、何ですか？
投資研究家
良い質問だね！「公営企業金融公庫」は、かつて存在した金融機関で、簡単に言うと、地方自治体が運営する水道や交通機関といった公営企業にお金を貸していたんだよ。
投資をしたい
へえー、それで、今はもうないんですか？
投資研究家
そうなんだ。2008年に「地方公営企業等金融機構」というところに引き継がれたんだ。でも、公営企業を支えるという役割は、今も変わらず続いているんだよ。
公営企業金融公庫とは。
投資用語の「公営企業金融公庫」は、Japan Finance Corporation for Municipal Enterprises：JFM (ジャパン・ファイナンス・コーポレーション・フォ・ミュニシパル・エンタープライジズ)の日本語名称でしたが、2008年（平成20年）10月に廃止されました。その業務は、地方公営企業等金融機構に引き継がれています。
公営企業金融公庫とは？
公営企業金融公庫とは、かつて存在した政府系金融機関です。1951年から2008年まで、中小企業や農林漁業者に対して、長期かつ低利な融資を提供し、その成長や発展を支えてきました。
公営企業金融公庫は、政府が100%出資する特殊法人として設立されました。民間金融機関では対応が難しい、リスクの高い事業や大規模な資金を必要とする事業に対しても、積極的に融資を行っていた点が特徴です。
しかし、2000年代に入ると、政府系金融機関の存在意義や役割について見直しが進められるようになりました。そして、2008年、公営企業金融公庫は日本政策投資銀行と統合され、その歴史に幕を閉じました。
現在、公営企業金融公庫の業務は、日本政策投資銀行や商工組合中央金庫などの政府系金融機関が引き継いでいます。これらの機関は、公営企業金融公庫の理念を受け継ぎ、引き続き中小企業や農林漁業者への支援を行っています。
公営企業金融公庫の役割と事業内容
公営企業金融公庫は、国民の生活や経済活動の基盤となる社会資本整備を推進するという重要な役割を担っています。具体的には、地方公共団体や特定の民間事業者に対して、道路、港湾、病院、学校などの建設や設備投資に必要な資金を長期的な融資という形で提供しています。
公庫の事業内容は多岐に渡りますが、大きく分けると以下の3つに分類されます。
1. -地方公共団体向け業務- 地方公共団体が実施する社会資本整備事業に対して、低利な融資や債務保証を行うことで、円滑な事業執行を支援します。
2. -民間企業等向け業務- 公共性の高い事業を行う民間企業等に対し、資金供給や経営支援を通じて、民間活力の導入を促進します。
3. -国際業務- 開発途上国における社会資本整備を支援するため、資金提供や技術協力などを行っています。
公営企業金融公庫は、単なる金融機関ではなく、国民生活や経済活動を支える重要な政策金融機関として、その役割を日々果たしています。
公営企業金融公庫の投資対象
公営企業金融公庫は、民間金融機関だけでは十分な資金供給が難しい分野を支えるという重要な役割を担っています。そのため、その投資対象は幅広い分野にわたっています。
まず、中小企業への融資は公庫の大きな柱の一つです。設備投資や事業拡大に必要な資金を低金利で貸し出すことで、中小企業の成長を後押ししています。
また、病院や学校、社会福祉施設などの社会インフラに対する融資も重要な役割です。これらの施設は、私たちの生活に欠かせないものであり、公庫は資金面からその整備を支えています。
さらに、近年では環境問題やエネルギー問題への対応も重要な投資対象となっています。太陽光発電などの再生可能エネルギー関連事業や、省エネルギー設備の導入など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを積極的に支援しています。
このように、公営企業金融公庫は多岐にわたる分野に投資を行うことで、日本経済の成長や国民生活の安定に大きく貢献していると言えるでしょう。
公営企業金融公庫の解散とその後
公営企業金融公庫は、かつて存在した政府系金融機関で、中小企業や地方公共団体への融資を通じて、日本の経済発展を支えてきました。しかし、2008年10月に解散し、その役割は他の金融機関や制度へと引き継がれました。
公庫の解散は、政府の政策金融改革の一環として行われました。政策金融とは、政府が特定の政策目的を持って行う金融のことですが、公庫はその役割が重複する部分や、民間金融機関との競合などが指摘されていました。
公庫の業務は、主に日本政策金融公庫と株式会社日本政策投資銀行に引き継がれました。日本政策金融公庫は、中小企業向け融資を中心に、公庫の業務を幅広く継承しています。一方、日本政策投資銀行は、インフラ整備などの大規模プロジェクトへの投資や、企業の海外進出支援など、より高度な金融サービスを提供しています。
公庫の解散は、日本の金融システムにとって大きな転換点となりました。その後の金融機関の役割分担や、中小企業に対する金融支援のあり方など、現在もその影響は続いています。
投資家にとっての意味
公営企業金融公庫は、地方公共団体に低利で資金を供給する機関です。一見、投資家には関係ないように思えるかもしれません。しかし、公営企業金融公庫の融資は、私たちの生活を支えるインフラ整備に繋がっています。例えば、道路、橋、水道などのインフラ整備は、公営企業金融公庫の融資によって支えられているケースが多いのです。これらのインフラは、私たちの生活の基盤となるだけでなく、企業活動にも欠かせません。つまり、公営企業金融公庫は、間接的に投資環境の向上に貢献していると言えるでしょう。また、公営企業金融公庫が発行する債券は、比較的安全性の高い投資先として個人投資家からも人気があります。このように、公営企業金融公庫は、投資家にとっても無関係な存在ではないのです。