知られざる「JFM」とは？ 公営企業金融の歴史を紐解く

知られざる「JFM」とは？ 公営企業金融の歴史を紐解く

JFMとは何か？ その役割と歴史

「JFM」という言葉をご存知でしょうか？ これは「株式会社日本政策金融公庫」のことで、国の政策に基づいた金融業務を行う、いわば「政府系金融機関」の一つです。

JFMは、民間金融機関だけでは対応が難しい分野において、国民生活や経済活動の安定のために重要な役割を担っています。具体的には、中小企業への融資、農林水産業への融資、住宅ローンなど、幅広い分野で事業を展開しています。

JFMの歴史は古く、戦後の復興期にまで遡ります。 当時は、戦争で疲弊した経済を立て直すため、国が積極的に金融面での支援を行う必要がありました。 そのため、様々な政策金融機関が設立され、JFMもその流れの中で誕生しました。

その後、時代や経済状況の変化に合わせて、JFMの役割や組織は変化してきましたが、一貫して国の政策と国民生活に寄り添い、必要とされる金融サービスを提供し続けています。

公営企業と金融機関の関係性

公営企業は、民間企業とは異なり、道路や水道などの公共性の高いサービスを提供することを目的としています。そのため、その事業には巨額な資金が必要となる場合が多く、民間金融機関からの融資だけでは事業資金を賄いきれないケースも少なくありません。
そこで、公営企業の事業を円滑に進めるために、政府系金融機関や地方公共団体が設立した金融機関など、様々な金融機関が公営企業への融資を行ってきました。これらの金融機関は、民間金融機関とは異なる視点で、公共性の高い事業を長期的に支援する役割を担っています。

JFMの設立背景と目的

JFM(株式会社日本政策金融公庫)は、2008年に誕生した政府系金融機関です。国民生活や経済活動の安定を図るという、政策性の高い事業に低利で長期の融資を行うことを主な業務としています。

JFM設立の背景には、民間金融機関では対応が難しい分野への資金供給という課題がありました。中小企業や農林水産業、国民生活の向上など、公益性の高い分野に対して、リスクを恐れずに積極的に融資を行う機関が必要とされたのです。

JFMは、国民経済の健全な発展という大きな目標を掲げ、民間金融機関では困難な事業にも積極的に融資を行うことで、日本の未来を支える役割を担っています。

JFMの廃止とその後 地方公営企業等金融機構への移行

1992年、JFMは、その役割を終え廃止されました。これは、当時の社会状況や金融環境の変化、そしてJFMを取り巻く課題などが複雑に絡み合った結果でした。JFMの業務は、新たに設立された「地方公営企業等金融機構」へと引き継がれ、日本の公営企業金融は新たな時代へと突入しました。地方公営企業等金融機構は、JFMの経験と実績を基盤としつつ、時代の変化に対応した新たな金融サービスの提供に努めています。具体的には、地方公共団体や公営企業に対して、より効率的かつ効果的な資金調達の支援、経営コンサルティングなど、幅広いサービスを提供しています。

JFMの廃止は、日本の公営企業金融にとって大きな転換点となりました。しかし、その精神と役割は、形を変えながらも、地方公営企業等金融機構に確実に受け継がれています。そして、これからも日本の地域社会の発展に貢献していくことでしょう。

現代の公営企業金融と未来への展望

近年、スタートアップ支援や地域活性化の観点から、公営企業金融への関心が再び高まっています。従来型の融資に加え、出資や経営支援など、民間金融機関とは異なる特色を持った取り組みも見られます。

特に、少子高齢化や人口減少が進む中で、地方経済の活性化は喫緊の課題です。地域の特性を熟知し、きめ細やかな対応が可能な公営企業金融機関への期待は大きく、民間金融機関との連携強化などが求められています。

しかし、公営企業金融は、財政健全化の観点から、その在り方が問われています。真に必要とされる支援のあり方や、民間金融機関との役割分担を明確化していくことが、今後の公営企業金融にとって重要となるでしょう。