投資で役立つ!無限等比級数の公式とは?
投資をしたい
先生、「無限等比級数の公式」って、投資の世界でどのように使われるんですか?
投資研究家
いい質問だね!実は、銀行の預金が増える仕組みを理解するのに役立つんだ。例えば、銀行が100万円の預金を受けたとすると、一定の割合を預金準備として残して、残りは loans として貸し出すことができる。この loans がまた預金となり、さらに loans が生まれる。これを繰り返すと、最初の預金が何倍にも膨らむ可能性があるんだ。無限等比級数の公式を使うと、この「何倍」という部分を計算できるんだよ。
投資をしたい
なるほど!じゃあ、銀行が loans を貸し出すほど、預金は無限に増えていくってことですか?
投資研究家
そうとも限らないんだ。現実には、預金準備率や、人々が預金したお金を全て loans として使うわけではないといった制約がある。だから無限に増えるわけではないけれど、最初の預金よりも多くなる可能性が高いんだ。無限等比級数の公式は、この増加を計算するためのツールの一つと考えておこう。
無限等比級数の公式とは。
投資用語で「無限等比級数の公式」と呼ばれるものがあります。これは、無限に続く等比級数の和を求める公式です。この公式を使うことで、信用創造によって銀行の預金が最終的にどれくらい増加するのか、あるいは何倍に膨れ上がるのかを簡単に計算することができます。
無限等比級数の公式とは?
投資の世界では、将来の収益を予測したり、複利効果を計算したりする場面で数学の知識が役立ちます。その中でも、無限に続く等比数列の和を求める「無限等比級数の公式」は、長期的な視点で投資を考える際に強力なツールとなります。
無限等比級数とは、一定の規則に従って無限に続く数字の列を足し合わせたものです。例えば、1+1/2+1/4+1/8+… は、初項が1で、公比が1/2の無限等比級数です。直感的には、無限に数字を足していくため、和も無限大に発散してしまうように思えるかもしれません。しかし、公比の絶対値が1未満の場合、無限等比級数は特定の値に収束することが知られています。
そして、この収束する値を求めるのが「無限等比級数の公式」です。具体的な公式は次のようになります。
後ほど詳しく説明しますが、この公式を使うことで、一見複雑に見える将来の収益予測なども、簡単な計算で求めることができるようになります。
投資における無限等比級数の公式の活用例
無限等比級数の公式は、一見投資とは関係なさそうですが、実は将来の価値を見積もる際に役立ちます。
例えば、毎年一定の配当金を支払うと予想される株式を考えてみましょう。この配当金が、将来にわたって一定の割合で成長し続けると仮定すると、将来受け取る配当金の総額は無限等比級数の公式を用いて計算できます。
具体的には、最初の年の配当金をa、配当金の成長率をrとすると、将来にわたって受け取る配当金の総額は a/(1-r) となります。
この公式を使うことで、投資家は将来受け取る配当金の現在価値を計算し、株式の投資価値を評価することができます。もちろん、これは簡略化したモデルであり、実際には配当金の成長率が一定であるとは限りません。しかし、無限等比級数の公式は、投資判断を行う上での基礎的な考え方を与えてくれます。
信用創造と預金増加の仕組み
銀行は、預金の一部を貸し出し、その貸し出しがまた別の銀行に預けられ、さらに貸し出されるというプロセスを繰り返すことで、預金通貨を増加させていきます。これを信用創造と呼びます。この仕組みは、無限等比級数を用いて理解することができます。
例えば、預金準備率が10%だとします。Aさんが100万円を銀行に預けると、銀行はその10%にあたる10万円を預金準備として保有し、残りの90万円をBさんに貸し出します。Bさんは90万円を別の銀行に預け、その銀行も90万円の10%にあたる9万円を預金準備として保有し、残りの81万円をCさんに貸し出します。
このように、預金、貸し出し、預金というプロセスが繰り返されることで、預金通貨は100万円→90万円→81万円と、だんだん減少していきますが、無限に繰り返されるわけではありません。このとき、最終的に増加する預金総額は、無限等比級数の公式を用いて計算することができます。預金準備率をr、最初の預金額をAとすると、預金総額はA/(1-r)となります。このケースでは、預金総額は100万円/(1-0.1)=111.11…万円となり、最初の預金額の約1.11倍に増加することになります。
このように、信用創造は無限等比級数を用いることで、預金増加の効果を計算することができます。投資判断を行う上で、この仕組みを理解しておくことは非常に重要です。
公式を使って預金の増加倍率を計算してみよう!
預金は、銀行にお金を預けることで利息が得られるシステムです。
では、この利息の効果を最大限に活かすにはどうすれば良いのでしょうか?
それを理解するために、預金における複利計算と無限等比級数の関係について見ていきましょう。
例えば、年利率1%で100万円を預けたとします。
1年後には101万円になり、さらに次の年には101万円に利息がつきます。
このように、複利では利息が雪だるま式に増えていくため、長期的な資産形成に非常に有利です。
無限等比級数の公式を使うと、この複利でどれくらいお金が増えるのかを計算することができます。
公式は一見複雑に見えますが、預金の計算に当てはめると、預入金額、利率、期間というシンプルな要素で将来の預金額を予測できる便利なツールとなります。
もちろん、投資にはリスクがつきものです。
しかし、複利の力を理解し、長期的な視点と計画性を持つことで、着実に資産を増やせる可能性を高めることができます。
まとめ:無限等比級数の公式で投資をもっと深く理解する
無限等比級数の公式は、一見投資とは無縁に思えるかもしれませんが、実は複利計算や将来価値の算出など、投資の様々な場面で応用されています。例えば、一定期間ごとに配当を受け取る投資信託の将来価値を計算する場合、この公式を用いることで、将来得られるであろう配当金額の総額を算出することができます。
また、企業価値を評価する際にも、この公式は役立ちます。企業の将来にわたる収益を予測し、それを現在価値に割り引くことで企業価値を算出するDCF法と呼ばれる手法がありますが、ここでも無限等比級数の考え方が応用されています。
このように、無限等比級数の公式は、投資判断を行う上で重要なツールとなります。その仕組みを理解することで、投資に対する理解を深め、より効果的な投資戦略を立てることができるようになるでしょう。