確定拠出年金「通算加入者等期間」を解説

確定拠出年金「通算加入者等期間」を解説

「通算加入者等期間」とは？

確定拠出年金制度における「通算加入者等期間」とは、老齢給付金を受け取れる年齢や受け取れる金額を左右する重要な要素です。これは、過去に加入していた年金制度の期間を合算して計算されます。具体的には、企業年金や国民年金の加入期間などが通算対象となります。

この期間が長ければ長いほど、老齢給付金の受給開始年齢の選択肢が増えたり、受給できる金額が増加したりするため、自身の年金設計において非常に重要な要素と言えるでしょう。

老齢給付金との関係

確定拠出年金制度における老齢給付金の受給資格を得るには、「通算加入者等期間」が重要な役割を果たします。この期間が受給開始年齢に達するまでに一定の年数に達していることが必要となります。

具体的には、国民年金や厚生年金などの公的年金制度の加入期間と、確定拠出年金の運用期間を合算したものが「通算加入者等期間」となります。受給開始年齢は、原則60歳ですが、確定拠出年金の加入状況やプランによって異なる場合があります。

例えば、60歳未満で確定拠出年金の加入期間が10年未満の場合、老齢給付金の受給開始は60歳以降に繰り延べられることになります。このように、老齢給付金を受け取るためには、「通算加入者等期間」と選択した受給開始年齢との関係をよく理解しておくことが重要です。

計算方法と算入される期間

確定拠出年金の加入期間である「通算加入者等期間」は、老後にもらうことのできる年金額に影響を与える重要な要素です。この期間が長ければ長いほど、運用によって得られる利益が大きくなる可能性が高まります。ここでは、「通算加入者等期間」の計算方法と具体的にどのような期間が算入されるのかを詳しく解説していきます。

企業年金制度からの移換資産がある場合

確定拠出年金には、加入期間の長さによって受け取れる年金額が変わってくる「通算加入者等期間」という考え方があります。特に、企業年金制度から確定拠出年金に移行した際には、移換資産がある場合とない場合で、通算加入者等期間の計算方法が異なるため注意が必要です。

企業年金制度から移行してきた資産がある場合は、その資産の元になった企業年金制度への加入期間も通算加入者等期間に算入されます。例えば、企業年金制度に10年間加入した後、確定拠出年金に移行し、その後5年間加入した場合、通算加入者等期間は15年となります。

この制度は、長年勤め上げた企業から転職する場合でも、年金資産を有効に活用できるという点で大きなメリットと言えます。企業年金制度から確定拠出年金への移行を検討する際は、自身の加入期間をよく確認し、将来の年金受給額についてもしっかりとシミュレーションすることが大切です。

通算加入者等期間が短い場合の注意点

確定拠出年金は、原則60歳になるまで受け取ることができません。しかし、加入期間が短い場合は、60歳前に脱退一時金などを受け取れるケースもあるため注意が必要です。

例えば、企業型確定拠出年金から国民年金基金連合会へ移換後、通算加入者等期間が5年に満たない場合は、脱退一時金の支給対象となります。

また、老齢厚生年金などの公的年金を受給できるまでの期間が短い場合も注意が必要です。確定拠出年金の運用指図ができなくなる期間が発生したり、年金を受け取れるまでの期間が短くなり、一時金の受取額が減ってしまう可能性があります。

ご自身の通算加入者等期間をよく確認し、状況に応じて専門家へ相談するなど、適切な対応を取りましょう。