投資用語解説：別段預金とは？

投資用語解説：別段預金とは？

別段預金とは何か？

別段預金とは、企業が従業員から受け入れた財形貯蓄や、住宅購入積立金などの資金を預け入れる預金のことです。一般の預金とは異なり、会社の財産と分離して管理することが義務付けられています。万が一、会社が倒産した場合でも、別段預金は保全され、従業員に返還されるため、安心して預け入れることができます。

銀行業務と別段預金の関係

銀行は預金を集めて貸出を行うことで利益を得ていますが、預金には様々な種類があります。その中でも、別段預金は銀行にとって特別な役割を担っています。

一般的に預金というと、普通預金や定期預金といった預金保険の対象となるものをイメージする方が多いでしょう。これらの預金は、銀行が預金者から預かり、そのお金を企業への融資などに活用することで経済を回す役割を担っています。

一方、別段預金は、銀行が証券会社業務などを行う際に、顧客から預かる資金を指します。具体的には、株式や債券などの有価証券の売買、外国為替取引、投資信託の販売などを行う際に、顧客がその取引資金として銀行に預け入れるお金が別段預金となります。

つまり、別段預金は銀行の預金業務ではなく、証券会社業務など、他の金融サービスを提供するための資金として預かっている点が、通常の預金とは大きく異なる点と言えるでしょう。

投資における別段預金の役割

別段預金は、証券会社に預けた資金のうち、実際に株式や投資信託などの金融商品を購入するために使う予定のお金を指します。投資の世界では、証券会社に預けているだけでは「預り金」と呼ばれ、資金の運用目的が明確になって初めて「別段預金」と区別されます。

投資を行う上で、別段預金として区分しておくことは非常に重要です。なぜなら、別段預金として証券会社に預けられた資金は、万が一証券会社が破綻した場合でも、投資者保護基金によって保護される対象となるからです。預り金は保護の対象外となる場合もあるため、投資家は、購入予定の金融商品がある場合は、事前に別段預金として証券会社に預けておくことが大切です。

別段預金のメリット・デメリット

別段預金は預金保険制度の対象となるものの、一般的な普通預金よりも金利が高いというメリットがあります。しかし、預入期間や限度額などの条件が設けられている場合があり、条件によっては期待するほどの金利を得られない可能性もあります。また、銀行によってはATMやインターネットバンキングでの取り扱いができないなど、利便性が低いケースもあるため注意が必要です。

雑預金との違いは？

別段預金と聞いてもピンとこない方も多いのではないでしょうか。銀行の預金というと、一般的には普通預金や定期預金を思い浮かべる方がほとんどでしょう。実は、この別段預金、私たちにとって意外と身近な存在かもしれません。

では、雑預金とは何が違うのでしょうか？

雑預金は、主に事業者が使う口座を指します。対して、別段預金は、個人または法人を問わず、預金以外に発生する料金の精算などに利用される口座です。例えば、証券会社に証券総合口座を開設する際に、同時に開設される口座が別段預金にあたります。

このように、一見分かりにくい金融用語も、具体的な例と比較することで、理解しやすくなるのではないでしょうか。