OTMとは？オプション投資の基礎知識

OTMとは？オプション投資の基礎知識

OTM (アウト・オブ・ザ・マネー)をわかりやすく解説

オプション取引において、「OTM」とは「Out of the Money」の略称で、日本語では「アウト・オブ・ザ・マネー」と表現されます。これは、オプションの権利行使が現状では利益につながらない状態のことを指します。

例えば、コールオプションの場合、現在の原資産の価格よりも高い権利行使価格が設定されている場合、そのオプションはOTMとなります。逆に、プットオプションの場合、現在の原資産の価格よりも低い権利行使価格が設定されている場合にOTMとなります。

OTMのオプションは、権利行使価格が現在の市場価格から離れているため、一般的にプレミアムが割安になる傾向があります。そのため、将来、大きな価格変動が起こると予想する場合には、OTMのオプションを購入することで、レバレッジ効果を効かせた投資戦略を立てることができます。

しかし、OTMのオプションは、権利行使価格に達しない限り、価値が減少していくというリスクも孕んでいます。そのため、OTMのオプションへの投資は、ハイリスク・ハイリターンと言えるでしょう。

コールオプションとプットオプションにおけるOTM

オプション取引において、OTM（アウト・オブ・ザ・マネー）は重要な概念です。ここでは、コールオプションとプットオプションにおけるOTMについて解説します。

– コールオプションにおけるOTM

コールオプションは、将来のある時点で、特定の価格（権利行使価格）で原資産を買う権利をあなたに与えます。この権利行使価格が、原資産の現在の市場価格よりも高い場合、そのコールオプションは「アウト・オブ・ザ・マネー」の状態です。

例えば、A社の株価が現在500円だとします。あなたが権利行使価格600円のA社コールオプションを持っている場合、このオプションはOTMです。なぜなら、今すぐ権利を行使して株を買っても、市場で直接買うよりも高い価格で買うことになるからです。

– プットオプションにおけるOTM

プットオプションは、将来のある時点で、特定の価格（権利行使価格）で原資産を売る権利をあなたに与えます。この権利行使価格が、原資産の現在の市場価格よりも低い場合、そのプットオプションは「アウト・オブ・ザ・マネー」の状態です。

例えば、B社の株価が現在1,000円だとします。あなたが権利行使価格900円のB社プットオプションを持っている場合、このオプションはOTMです。なぜなら、今すぐ権利を行使して株を売っても、市場で直接売るよりも安い価格で売ることになるからです。

– まとめ

OTMオプションは、権利行使価格が不利な位置にあるため、本質的価値はありません。しかし、将来の原資産価格の変動によっては利益を生む可能性があり、ボラティリティの高い銘柄や大きな値動きを期待する場合に利用されます。

OTMオプションの特徴とメリット・デメリット

– OTMオプションの特徴
OTMオプションは、権利行使価格が現在の原資産価格から見て不利な位置にあるオプションです。
例えば、コールオプションの場合、権利行使価格が原資産価格よりも高いオプションがOTMとなります。プットオプションの場合は、権利行使価格が原資産価格よりも低いオプションがOTMです。

– メリット
-# 1. プレミアムが安い
OTMオプションの最大の特徴は、他のオプションと比べてプレミアムが安いことです。
これは、権利行使価格が不利な位置にあるため、本質的に価値が低く見積もられているためです。
少ない資金で大きなリターンを狙いたい投資家にとっては魅力的な選択肢となります。

-# 2. ハイリスク・ハイリターン
OTMオプションは、原資産価格が大きく変動した場合に大きな利益を得られる可能性を秘めています。
原資産価格が予想通りに動けば、レバレッジ効果によって大きな利益を獲得できる可能性があります。

– デメリット
-# 1. 権利行使の可能性が低い
OTMオプションは、権利行使価格が不利な位置にあるため、権利行使される可能性が低いというデメリットがあります。
原資産価格が予想通りに動かない場合、プレミアムを失ってしまうリスクがあります。

-# 2. 時間価値の減衰が速い
オプションには時間価値という概念があり、満期が近づくにつれて時間価値は減少していきます。
OTMオプションは、他のオプションと比べて時間価値の減衰が速いという特徴があります。
そのため、原資産価格が予想通りに動かなかった場合、損失が拡大する可能性があります。

– まとめ
OTMオプションは、ハイリスク・ハイリターンな投資手法と言えます。
少額の資金で大きな利益を狙える一方、損失を被るリスクも大きいことを理解しておく必要があります。
OTMオプションへの投資を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも十分に理解した上で、慎重に判断することが重要です。

「ディープ・アウト・オブ・ザ・マネー」とは？

オプション取引において、「アウト・オブ・ザ・マネー」（OTM）とは、オプションを行使しても利益が出ない状態のことを指します。さらに、「ディープ・アウト・オブ・ザ・マネー」とは、OTMの中でも、現時点の価格と権利行使価格の差が非常に大きく、満期日までに利益が出る可能性が極めて低い状態を言います。

例えば、コールオプションの場合、原資産の価格が1,000円なのに、権利行使価格が1,200円のオプションはOTMです。さらに、権利行使価格が1,500円と、原資産価格との差がさらに大きい場合は、ディープ・アウト・オブ・ザ・マネーと表現されます。

ディープ・アウト・オブ・ザ・マネーのオプションは、権利行使される可能性が低いため、プレミアム（オプションの価格）が非常に安いという特徴があります。そのため、少ない資金で大きな利益を狙える可能性を秘めている一方、満期日までに価値がゼロになるリスクも高い点が挙げられます。

ディープ・アウト・オブ・ザ・マネーのオプションは、ハイリスク・ハイリターンな投資戦略において活用されることが多く、相場が大きく動くことを予想する場合などに検討されます。

OTMオプションを活用した投資戦略

OTMオプションは、その特性上、より少ない資金で大きな利益を狙える可能性を秘めています。しかし、同時にリスクも高いため、適切な戦略に基づいて取引を行う必要があります。ここでは、OTMオプションを活用した代表的な投資戦略をいくつかご紹介します。

1. レバレッジ効果を狙う戦略
OTMオプションは、原資産価格に対して権利行使価格が大きく離れているため、わずかな価格変動がオプション価格に大きな影響を与えます。この特性を利用し、少ない資金で高いレバレッジ効果を狙うことができます。例えば、原資産価格の上昇を見込む場合、コールオプションを購入することで、少ない投資金額で大きな利益を得られる可能性があります。

2. 時間価値の減少による利益を狙う戦略
オプションには、時間経過とともに価値が減少していく「時間価値」という概念があります。OTMオプションは、特に時間価値の影響を受けやすいという特徴があります。このため、時間経過とともにオプション価格が下落することを予測し、売却によって利益を狙う戦略があります。

3. ボラティリティの変化を利用した戦略
オプション価格は、原資産価格の変動幅（ボラティリティ）によっても影響を受けます。OTMオプションは、ボラティリティの変化に対して敏感に反応する傾向があります。そのため、ボラティリティの上昇局面では、オプション価格が上昇する可能性があり、これを利用して利益を狙うことができます。

OTMオプションを活用した投資戦略は、潜在的なリターンが大きい反面、リスクも高いため、十分な知識と経験が必要です。投資を行う際は、必ず自己責任で行い、リスク管理を徹底するように心がけましょう。