投資の基礎:共分散を理解する

投資の基礎:共分散を理解する

投資をしたい

先生、共分散ってなんですか?難しそうな単語でよくわからないです。

投資研究家

そうだね。共分散は少し難しい概念だね。簡単に言うと、2つの投資先がどれくらい同じように値動きするかを表す指標なんだ。例えば、A社の株とB社の株が一緒に上がったり下がったりする傾向があれば、共分散はプラスになる。逆に、A社の株が上がるとB社の株が下がる傾向があれば、共分散はマイナスになるんだ。

投資をしたい

なるほど。プラスとマイナスはなんとなくわかったけど、どれくらい似てるかを表すんですよね?その大きさにはどんな意味があるんですか?

投資研究家

良い質問だね!実は共分散の大きさ自体は、あまり重要視されないんだ。例えば、共分散が100だったとしても、それが大きいのか小さいのかは、その投資先によって異なるからね。だから、共分散を見るよりも、それを標準化した相関係数を見ることの方が多いんだ。相関係数なら、-1から1までの値で、どれくらい強く関係しているかがわかりやすいからね。

共分散とは。

投資の世界でよく使われる「共分散」とは、2つの資産(例えば、株式や債券)が一緒にどれくらい動くかを表す指標です。これは、それぞれの資産の収益率が平均からどれくらい離れているかを掛け合わせて平均をとることで計算されます。

共分散は、2つの資産が同じ方向に動く傾向がある場合はプラスになり、反対方向に動く場合はマイナスになります。プラスの値が大きければ大きいほど、2つの資産はより密接に連動していると言えます。

しかし、共分散は単位が「%の2乗」と分かりにくいため、共動性の大きさそのものを比較することは難しいという欠点があります。そこで、共分散をそれぞれの資産の標準偏差で割ることで、-1から+1の範囲に標準化した「相関係数」が使われます。相関係数は、共分散と異なり、異なる資産間の共動性の強さをより直感的に比較することができます。

共分散とは何か?

共分散とは何か?

共分散とは、2つの変数がどの程度一緒に変化するかを示す統計的な尺度です。投資の世界では、共分散を用いて2つの異なる資産の収益率の関係性を分析します。 共分散が正の値の場合、2つの資産は同じ方向に動く傾向があります。つまり、一方の資産の収益率が上昇すると、もう一方の資産の収益率も上昇する傾向があるということです。逆に、共分散が負の値の場合、2つの資産は反対方向に動く傾向があります。つまり、一方の資産の収益率が上昇すると、もう一方の資産の収益率は下落する傾向があるということです。共分散は、ポートフォリオのリスク管理において重要な役割を果たします。異なる資産間の共分散を理解することで、リスク分散効果の高いポートフォリオを構築することができます。

共分散の計算方法

共分散の計算方法

共分散を手計算するのは少々複雑ですが、その手順を理解すれば、数字の持つ意味がより深く理解できるようになります。

まず、二つの資産のリターンと、それぞれの平均リターンが必要です。日次、週次、月次など、どの期間のリターンを使うかを決めます。

次に、各資産について、各期間のリターンから平均リターンを引いた値を計算します。これを「偏差」と呼びます。

そして、各期間における二つの資産の偏差をかけ合わせます。

最後に、これらの積をすべて合計し、データ数から1を引いた数で割ります。この結果が共分散となります。

共分散は正の値、負の値、ゼロのいずれにもなり得ます。正の値は、二つの資産のリターンが同じ方向に動く傾向があることを示し、負の値は、反対方向に動く傾向があることを示します。ゼロは、二つの資産のリターンに関連性がないことを示します。

数式で表すと、共分散は以下のようになります。

Cov(X,Y) = Σ[(Xi – X平均)(Yi – Y平均)] / (n – 1)

ここで、

* X、Y二つの資産のリターン

* Xi、Yi各期間におけるX、Yのリターン

* X平均、Y平均X、Yの平均リターン

* nデータ数

Excelなどの表計算ソフトを使えばより簡単に共分散を計算することができますが、計算過程を理解しておくことは、共分散の意味を深く理解する上で重要です。

共分散の意味:正と負

共分散の意味:正と負

– 共分散の意味正と負

投資の世界では、リスク分散のために複数の資産に投資することが一般的です。しかし、異なる資産が常に同じように値動きするとは限りません。ある資産の価格が上がるときもあれば、別の資産の価格は下がることもあります。この異なる資産間の値動きの関係性を表す指標の一つが「共分散」です。

共分散は、2つの資産の値動きの連動性を示す指標です。具体的には、ある資産の収益率がその平均からどれだけ離れているか(偏差)と、別の資産の収益率がその平均からどれだけ離れているか(偏差)を掛け合わせて計算されます。

共分散の値は、正、負、ゼロのいずれかの値を取ります。

* -正の共分散- 2つの資産の価格が同じ方向に動く傾向があることを示します。つまり、一方の資産の価格が上昇すると、もう一方の資産の価格も上昇する傾向があります。
* -負の共分散- 2つの資産の価格が反対方向に動く傾向があることを示します。つまり、一方の資産の価格が上昇すると、もう一方の資産の価格は下落する傾向があります。
* -ゼロの共分散- 2つの資産の価格の間に明確な関係性がないことを示します。

投資においては、負の共分散を持つ資産を組み合わせることがリスク分散に有効です。例えば、株式と債券は一般的に負の共分散を持つと言われています。そのため、株式と債券を組み合わせてポートフォリオを組むことで、リスクを軽減しながら安定した収益を目指せる可能性があります。

共分散は、投資判断を行う上で重要な指標の一つです。共分散を理解することで、より効果的なポートフォリオを構築し、投資目標の達成に近づくことができるでしょう。

共分散の限界

共分散の限界

共分散は、2つの資産の価格変動の関係性を示す便利な指標ですが、いくつかの限界も存在します。

まず、共分散は、資産間の線形関係のみを捉えることができます。もし2つの資産の間に非線形な関係がある場合、共分散はその関係を正確に反映できません。

次に、共分散は外れ値の影響を受けやすいという点も挙げられます。極端な値が1つでもあると、共分散の値が大きく変動してしまう可能性があります。

さらに、共分散は単位に依存するため、異なる資産間での比較が難しいという側面もあります。例えば、日本の株式とアメリカの株式の共分散を単純に比較することはできません。

これらの限界を踏まえた上で、共分散を他の統計指標と組み合わせて使うことで、より多角的に資産の関係性を分析することができます。

共分散から相関関係へ

共分散から相関関係へ

共分散は、2つの資産の価格変動の関係性を示す指標ですが、その数値だけでは解釈が難しい場合があります。例えば、共分散が100という値だけを見ても、それが強い関係性を示すのか、弱い関係性を示すのかは判断できません。

そこで、共分散をより解釈しやすい形にした指標として、相関係数があります。相関係数は、共分散をそれぞれの資産の標準偏差で割ることで求められ、-1から1までの値を取ります。

相関係数が1に近いほど、2つの資産の価格変動は同じ方向に動く傾向が強く-1に近いほど、逆に動く傾向が強いことを示します。そして、相関係数が0に近い場合は、2つの資産の価格変動にはほとんど関係性がないと解釈できます。

このように、共分散と相関関係を理解することで、ポートフォリオのリスク管理や、投資機会の発見に役立てることができます。投資判断を行う上で、これらの指標を有効活用していくことが重要です。

タイトルとURLをコピーしました