簿価ってなに?企業分析に役立つワケ

簿価ってなに?企業分析に役立つワケ

投資をしたい

先生、「簿価」ってどういう意味ですか?

投資研究家

良い質問だね!「簿価」は、簡単に言うと「資産を買った時の値段」のことだよ。例えば、君が100円でノートを買ったら、そのノートの簿価は100円になるんだ。

投資をしたい

なるほど。でも、時間が経つとノートの価値って変わってきますよね?

投資研究家

その通り!実は簿価は、時間の経過や価値の変化を反映しないんだ。だから、古くなって価値が下がったノートでも、簿価は100円のままだよ。ここがポイントなんだ!

簿価とは。

投資用語における「簿価」とは、英語でbook valueと表し、資産を取得した時点での価格、つまり取得価格や原価を指します。

簿価(ブックバリュー)の基礎知識

簿価(ブックバリュー)の基礎知識

– 簿価(ブックバリュー)の基礎知識

企業の財務状況を把握する上で、「簿価(ブックバリュー)」という言葉を耳にすることがあるでしょう。簿価とは、簡単に言うと企業の資産を帳簿上の価値で評価した金額のことです。

例えば、企業が100万円で購入した機械があるとします。この機械は、経年劣化によって価値が下がっていきますが、帳簿上では購入時の金額である100万円で計上されます。この100万円が、簿価にあたります。

簿価は、企業の財務諸表の中でも、特に貸借対照表(B/S)において重要な役割を担っています。貸借対照表は、企業の資産、負債、純資産の状況を一定時点において表したものであり、簿価はその基礎となる情報となります。

しかし、簿価はあくまでも過去の取引や会計基準に基づいて計算された帳簿上の価値であるため、現在の市場価値を必ずしも反映しているわけではありません。

簿価と時価の違いとは?

簿価と時価の違いとは?

「簿価」と「時価」、この2つの言葉を聞いて、あなたはすぐに違いを説明できますか?
どちらも企業の価値を示す言葉ですが、実は全く異なる意味を持っています。企業分析を行う上で、この違いを理解することは非常に重要です。
簿価とは、簡単に言うと「帳簿上の価値」のこと。企業が資産を購入した時点での価格から、減価償却費などを差し引いて計算されます。
一方、時価は「市場で取引されている価値」を指します。つまり、市場の需要と供給によって日々変動する値です。
例えば、あなたが10年前に購入した車が100万円だったとします。これが簿価です。しかし、10年が経過し、市場では中古車として50万円で取引されているとします。これが時価です。
このように、簿価は過去の取得価額に基づいているため、現在の市場価値を反映していない場合が多いのです。
企業分析を行う際には、簿価と時価、両方の側面から企業の価値を多角的に評価することが重要になります。

企業分析における簿価の活用法

企業分析における簿価の活用法

企業分析を行う上で、簿価は様々な角度から企業の状況を評価する際に役立ちます。ここでは、簿価を活用した代表的な分析手法をいくつかご紹介します。

まず、簿価と時価を比較することで、企業の資産価値や収益性の変化を把握することができます。例えば、土地や建物などの有形固定資産は、取得時の価格で計上されるため、時間の経過とともに時価が上昇しているケースも少なくありません。簿価と時価の差を見ることで、企業が保有する資産の潜在的な価値を見極めることが可能となります。

また、PBR(株価純資産倍率)などの指標を用いることで、株価と簿価の関係から企業の財務状態を分析することができます。PBRは、株価が純資産(簿価)の何倍になっているかを示す指標です。一般的に、PBRが1倍を下回ると、企業の資産が株価に比べて割安と判断されます。

さらに、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)といった指標は、企業の収益性を評価する上で重要な指標となります。ROAは、企業が保有する総資産に対してどれだけの利益を生み出しているかを示し、ROEは、自己資本に対してどれだけの利益を生み出しているかを示します。これらの指標を用いることで、企業の資産効率や収益力を分析することができます。

このように、簿価は企業分析において、多角的な視点から企業を評価するために欠かせない要素と言えるでしょう。しかし、簿価はあくまで過去の取引を基にした数値であるため、将来の収益やリスクを完全に反映しているわけではありません。企業分析を行う際は、簿価だけでなく、時価やその他の財務指標なども併せて考慮することが重要です。

PBR(株価純資産倍率)でわかること

PBR(株価純資産倍率)でわかること

PBR(株価純資産倍率)でわかること

企業の価値を分析する上で、欠かせない指標の一つにPBR(株価純資産倍率)があります。PBRは、企業の純資産に対して、株価が何倍になっているかを示す指標です。この数値を見ることで、株式市場でその企業がどれくらい評価されているのかを把握することができます。

PBRが1倍を下回る場合、それはその企業の株価が、解散して資産を売却した場合の価値よりも低いことを意味します。このような企業は、「割安株」とみなされることがあります。一方で、PBRが高い場合は、市場からの期待が高く、成長が見込まれていると判断できます。ただし、PBRはあくまでも指標の一つであり、企業の業績や将来性を総合的に判断することが重要です。

簿価のメリット・デメリット

簿価のメリット・デメリット

簿価は、企業の財務状態を理解する上で重要な指標ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。

メリットとしては、まず、客観的な数値であることが挙げられます。過去の取引価格に基づいて算出されるため、恣意的な評価が入り込む余地が少ないです。また、計算が容易であることもメリットと言えるでしょう。財務諸表から必要な情報を読み取れば、比較的簡単に算出できます。

一方で、簿価のデメリットは、時間の経過とともに資産や負債の実態価値と乖離する可能性があることです。例えば、購入した土地の市場価値が上昇した場合、簿価はその上昇分を反映できません。また、無形資産を十分に評価できない点もデメリットとして挙げられます。ブランド力や技術力といった無形資産は、簿価に反映されにくい側面があります。

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