時間加重収益率：運用機関の真の実力を測る
投資をしたい
先生、「時間加重収益率」って、普通の利回りとは何が違うんですか？
投資研究家
良い質問ですね！通常の利回りは、運用期間中の預金の出し入れも影響しますが、「時間加重収益率」は、運用会社がコントロールできないお金の出し入れの影響を除いて、純粋に運用能力を測るためのものなんですよ。
投資をしたい
なるほど。つまり、企業年金みたいに、途中で入金や出金が多い場合は、「時間加重収益率」を見る方が、運用会社の実力を正しく評価できるってことですか？
投資研究家
その通りです！特に、大きな金額の入出金がある場合は、「時間加重収益率」を見る方が、運用成績の比較が正確になりますね。
時間加重収益率とは。
「時間加重収益率」とは、投資における収益率を測る指標の一つで、運用会社の腕の見せ所とは関係ない資金の増減の影響を除外することで、純粋な運用能力を評価できるようにしたものです。企業年金への掛金や年金支給のように、運用会社がコントロールできない資金の流出入の影響を排除するのがポイントです。
計算方法には、最も正確な「厳密法」と、簡便な「近似法」があります。厳密法は日々の時価評価が必要になるなど手間がかかるため、実務では、内部収益率リンク法に基づいた修正ディーツ法や修正BAI法などの近似法がよく使われます。
具体的な計算式は以下をご覧ください。
時間加重収益率とは？
投資信託や年金基金など、お金を運用している機関の成績を測る指標は数多く存在します。その中でも、「時間加重収益率」は、純粋に運用機関の運用能力を測る指標として注目されています。では、時間加重収益率とは一体どのようなものでしょうか？
なぜ時間加重収益率が重要なのか？
投資信託や年金基金などの運用成績を評価する際によく使われる指標に「収益率」があります。しかし、一口に収益率と言っても、投資期間の長さや入出金のタイミングによってその値は大きく変わってしまうため、単純に比較することはできません。そこで重要になってくるのが「時間加重収益率」という指標です。
時間加重収益率は、投資期間中の資金の動きを考慮に入れて計算される収益率です。そのため、異なる期間や異なる入出金パターンでも公平に運用成績を比較することができます。例えば、同じ期間で同じ収益率をあげた2つのファンドがあったとしても、途中で多額の資金流入があったファンドと、そうでないファンドでは、時間加重収益率は異なってきます。
つまり、時間加重収益率を見ることで、純粋な運用能力を把握することができるのです。投資家にとって、本当に優れた運用機関を見極めるためには、時間加重収益率は欠かせない指標と言えるでしょう。
時間加重収益率の計算方法：厳密法と簡便法
投資信託や年金基金などの運用成績を評価する際、時間加重収益率（TWRR Time-Weighted Rate of Return）は重要な指標となります。TWRRは、運用期間中の資金の流出入の影響を除外することで、純粋な運用機関の能力を測定します。
時間加重収益率の計算には、主に厳密法と簡便法の二つの方法があります。厳密法は、資金の流出入が起きたタイミングごとに期間収益率を計算し、それらを幾何平均することでTWRRを算出します。この方法は正確ですが、計算が煩雑になるというデメリットがあります。
一方、簡便法は、毎年の期首または期末の基準価額と、その期間中の資金流出入を用いてTWRRを近似的に計算します。簡便法は、厳密法に比べて計算が容易であるため、多くの投資信託の情報開示資料などで採用されています。
どちらの方法を用いる場合でも、重要なのはTWRRが運用機関の運用能力を評価するための有効な指標であることを理解することです。投資家は、TWRRを見ることで、資金の流出入に左右されない、純粋な運用パフォーマンスを把握することができます。
それぞれの計算方法のメリット・デメリット
投資信託や年金基金など、資金の運用成果を評価する指標はいくつかありますが、その中でも「時間加重収益率（TWRR Time-Weighted Rate of Return）」は、運用機関の実力をより正確に測る指標として注目されています。
時間加重収益率は、投資期間をいくつかの期間に分割し、それぞれの期間における収益率を掛け合わせて算出します。この方法のメリットは、途中で資金の出し入れがあったとしても、運用機関の運用能力を適切に評価できる点にあります。たとえば、大きな利益が出ているタイミングで追加投資をした場合、単純な収益率では本来の運用成果よりも高く見えてしまいます。しかし、時間加重収益率を用いることで、資金の流出入の影響を排除し、純粋な運用パフォーマンスを把握することが可能となります。
一方で、時間加重収益率にもデメリットは存在します。それは、計算が複雑になりがちという点です。特に、投資期間が長くなったり、資金の流出入が頻繁に発生したりする場合には、手計算で算出することは困難になります。そのため、専用のソフトウェアやツールを用いることが一般的です。
時間加重収益率は、運用機関の評価に非常に役立つ指標ですが、完璧な指標ではありません。投資判断を行う際には、時間加重収益率だけでなく、他の指標や情報も合わせて総合的に判断することが重要です。
時間加重収益率を使って投資判断を
投資信託や年金基金など、お金を預けて運用を任せる「運用機関」を選ぶ際、その運用成績は必ずチェックしたいポイントです。しかし、単純なリターンだけで比較するのは危険です。運用期間が異なれば、短期的な市場の変動に左右され、正しい評価が難しくなるからです。そこで重要となるのが「時間加重収益率」です。
時間加重収益率は、運用期間中の資金の流出入の影響を排除し、純粋な運用成績を測る指標です。これにより、異なる期間で運用されている複数の金融商品を公平に比較することが可能になります。例えば、Aファンドが5年間で年率10%、Bファンドが10年間で年率7%で運用されていたとします。単純計算ではAファンドの方が優秀に見えますが、時間加重収益率を用いることで、より長期的な視点でどちらのファンドが優れているかを判断できます。
時間加重収益率は、投資信託の運用報告書などに記載されています。投資判断をする際には、目先の数字に惑わされず、時間加重収益率を参考に、運用機関の長期的な運用能力を見極めるようにしましょう。