知っておきたい投資キーワード：非在来型石油とは？
投資をしたい
先生、「非在来型石油」って普通の石油と何が違うんですか？
投資研究家
良い質問だね！実は、「非在来型石油」は、採掘が難しい場所にある石油のことなんだ。普通の石油は、地下深くの油田から比較的容易に採掘できるんだけど、「非在来型石油」は、例えば、砂や岩に混ざっていたり、深い海底に埋まっていたりするんだよ。
投資をしたい
へえー、そうなんですね。でも、採掘が難しいのに、どうして「非在来型石油」を採掘するんですか？
投資研究家
それは、世界のエネルギー需要が高まっている中で、従来の石油だけでは足りなくなってきているからなんだ。だから、技術革新によって採掘が可能になった「非在来型石油」にも注目が集まっているんだよ。
非在来型石油とは。
投資の世界で使われる「非在来型石油」とは、英語で「non-conventional oil」と言い、通常の油田以外から採取される石油のことです。具体的には、オイルサンド、オイルシェール、オリノコタールなどが挙げられます。
非在来型石油とは何か？
非在来型石油とは、従来の石油採掘技術では採掘が難しかった石油のことを指します。従来型の石油は、地下の貯留層と呼ばれる場所に、比較的容易に汲み上げられる状態で存在していました。しかし、非在来型石油は、頁岩やオイルサンドといった特殊な地層に存在しており、特殊な技術を用いなければ採掘が困難です。代表的な非在来型石油として、シェールオイル、オイルサンド、メタンハイドレートなどが挙げられます。
従来型石油との違い
従来型の石油は、地層に自然に溜まった原油を、比較的容易に採掘できるものを指します。一方、非在来型石油は、従来の方法では採掘が難しい場所に存在する石油資源を指します。具体的には、頁岩（シェール）層やオイルサンド、超重質原油などが挙げられます。これらの資源は、従来型石油と比べて、採掘が技術的に困難で、コストも高くなる傾向にあります。
代表的な非在来型石油の種類
従来の石油採掘技術では採掘が難しかった石油を、「非在来型石油」と呼びます。ここでは、代表的な非在来型石油の種類について解説していきます。
1. オイルサンド
オイルサンドは、砂や粘土層の中に、石油成分である「ビチューメン」を含んでいます。カナダのアルバータ州に大規模な埋蔵地があり、近年開発が進んでいます。
2. オイルシェール
オイルシェールは、頁岩（けつがん）と呼ばれる堆積岩の一種に、ケロジェンと呼ばれる物質が含まれています。これを加熱することで石油に似た性質の油を抽出できます。アメリカが世界最大の埋蔵量を誇ります。
3. シェールオイル
シェールオイルは、頁岩層から採取される石油の一種です。従来の油田とは異なり、頁岩層に水平方向に井戸を掘削し、水圧をかけてシェールオイルを採取する「フラッキング」と呼ばれる技術が用いられています。アメリカを中心に、近年、生産量が急増しています。
4. メタンハイドレート
メタンハイドレートは、低温・高圧条件下で、メタンガスが水分子と結合してシャーベット状に固まったものです。日本近海にも大規模な埋蔵地があるとされ、将来のエネルギー源として期待されています。
これらの非在来型石油は、従来の石油に比べて採掘コストが高くなる傾向がありますが、技術革新によって採掘コストが低下してきています。世界的に石油の需要が高まるなか、非在来型石油は、今後のエネルギー供給において重要な役割を果たすと考えられています。
非在来型石油のメリット・デメリット
非在来型石油は、従来の石油に比べて採掘が難しいという側面を持つ一方で、エネルギー源としての将来性を期待されています。投資を行う際には、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが重要です。
メリットとしては、まず資源量が豊富である点が挙げられます。従来型石油と比べて埋蔵量が多く、将来にわたってエネルギー源を確保できる可能性を秘めています。また、産出国が分散していることもメリットと言えるでしょう。特定の国への依存度が低くなるため、エネルギー安全保障の観点からも注目されています。
一方、デメリットとして、採掘コストが高い点が挙げられます。従来型石油と比べて技術的に難しく、コストがかかるため、石油価格が下落すると採算が取れなくなるリスクがあります。また、環境負荷が高いという指摘も少なくありません。採掘時に大量の水やエネルギーを消費するため、環境への影響が懸念されています。
投資対象としての非在来型石油
非在来型石油は、従来の石油に比べて採掘が難しいものの、世界的に埋蔵量が豊富であることから、近年注目されています。投資対象として見た場合、非在来型石油にはいくつかの魅力があります。まず、従来の石油と比べて価格変動リスクが低い点が挙げられます。これは、非在来型石油の生産には時間がかかるため、原油価格の急騰時でも供給過剰になりにくいという特徴があるためです。また、長期的な視野で安定した収益を見込める点も魅力です。世界的なエネルギー需要の高まりを背景に、非在来型石油の需要は今後ますます増加すると予想されています。
しかし、投資対象として考える際には、いくつかのリスクも考慮する必要があります。まず、採掘コストが高いという点です。従来の石油に比べて、採掘技術が複雑で費用がかかるため、収益性が圧迫される可能性があります。また、環境問題も大きな課題です。非在来型石油の採掘は、水資源の汚染や温室効果ガスの排出など、環境への負荷が大きいとされています。
投資をする際には、これらのメリット・デメリットをよく理解した上で、慎重に判断する必要があります。