インサイダー取引：その違法性とリスク
投資をしたい
先生、「インサイダー取引」って、何だか悪いことだっていうのはなんとなくわかるんですけど、具体的に何がダメなのか、よくわからないんです。
投資研究家
そうだね。「インサイダー取引」は株の売買で利益を得るために、普通の人なら知りえない会社の情報を不正に利用する行為なんだ。例えば、会社の合併情報を知っている人が、公表前にこっそりその会社の株を買えば、大きな利益を得られるよね？ でも、これはフェアじゃないだろう？
投資をしたい
なるほど。確かに、みんなが知らない情報を利用するのはズルいですよね。でも、もしその情報がたまたま手に入ったら、ダメなんですか？
投資研究家
たとえ偶然であっても、重要な非公開情報を知っていて株の取引をしてはいけないんだ。重要なのは、公平な市場を維持すること。インサイダー取引は市場の信頼を損ない、他の投資家に不利益を与えることになるから禁止されているんだよ。
インサイダー取引とは。
「インサイダー取引」とは、企業の内部情報にアクセスしやすい立場を利用して、一般に公開されていない重要な情報を知った上で、その企業の株式を売買することです。
インサイダー取引とは何か？
インサイダー取引とは、証券取引において、一般に公開されていない重要な情報（重要事実）を知っている者が、その情報を利用して株式等の売買を行い、利益を得たり、損失を回避したりする行為を指します。具体的には、企業の合併や業績発表など、株価に大きな影響を与える可能性のある情報を事前に知り、その情報が公開される前に自社株を取引する行為が挙げられます。
この行為は、情報を持たない一般投資家との公平性を欠き、市場の信頼を損なうため、金融商品取引法で厳しく禁止されています。
具体的にどのような行為がアウト？
企業の内部情報を知っている人が、その情報をもとに株式の売買を行うインサイダー取引。これは、公正な市場取引を阻害することから、金融商品取引法で厳しく規制されています。では、具体的にどのような行為がアウトなのでしょうか？
例えば、あなたが勤めている会社が、近々、 large-scale な買収を計画していると知り、その情報が公表される前に、自社株を大量に購入したとします。これは、インサイダー取引に該当します。なぜなら、一般投資家が知り得ない重要な情報を利用して、利益を得ようとしているからです。
また、友人や家族に内部情報を伝え、彼らがその情報に基づいて株式の売買を行った場合も、インサイダー取引と問われる可能性があります。たとえ、あなたが直接売買を行っていなくても、情報伝達に関与した時点で、違法とみなされる可能性があるのです。
インサイダー取引は、刑事罰の対象となるばかりか、多額の課徴金が課せられる可能性もあります。さらに、社会的な信用を失墜させ、企業のブランドイメージを著しく損なうリスクも孕んでいます。
内部情報を知った場合は、決して利用しようとせず、適切な方法で報告することが大切です。
インサイダー取引が市場に与える影響
インサイダー取引は、市場の公正性を揺るがし、投資家全体の信頼を損なう行為です。 一般の投資家がアクセスできない重要な情報を利用して利益を得ることは、市場参加者間の公平性を著しく歪めます。 結果として、市場に対する信頼が失墜し、投資活動全体の冷え込みに繋がりかねません。健全な市場発展のためには、インサイダー取引の防止と厳正な処罰が不可欠です。
インサイダー取引の罰則
インサイダー取引は、証券市場の公正性を著しく害する行為として、日本では金融商品取引法によって厳しく罰せられます。 その罰則は、行為者個人に対しては、10年以下の懲役もしくは1億円以下の罰金、またはその両方が科せられます。 法人の場合は、7億円以下の罰金が科せられるなど、非常に重いものとなっています。 さらに、これらの刑事罰に加えて、金融庁から業務停止命令や課徴金納付命令などの行政処分が、証券取引等監視委員会からの勧告に基づき、課される可能性もあります。 インサイダー取引は、一度手を染めてしまうと、その後の人生に大きな影を落とす可能性のある深刻な犯罪であることを、深く認識する必要があります。
健全な市場のために
インサイダー取引は、証券市場の公正性と透明性を著しく損なう行為です。一般投資家がアクセスできない企業の重要情報を利用して利益を得ることは、市場に対する信頼を根本から揺るがすものです。健全な市場を維持するためには、インサイダー取引を厳しく取り締まり、未然に防ぐための対策を講じる必要があります。投資家一人ひとりが倫理観を持ち、法令遵守の意識を高めることも重要です。