クローゼットインデックスファンド:高コスト投資の罠?

クローゼットインデックスファンド:高コスト投資の罠?

投資をしたい

先生、「クローゼット・インデックス・ファンド」って、なんだか面白くて、ちょっと分かりにくい言葉だなって思ったんですけど、どういう意味ですか?

投資研究家

なるほどね。「クローゼット」は「隠れた」という意味で、投資の世界では、一見アクティブファンドなのに、実際にはインデックスファンドと中身がほとんど変わらないものを指すんだ。

投資をしたい

えー!なんでそんなことが起きちゃうんですか?

投資研究家

例えば、企業年金が複数の運用会社に資金を預けて、それぞれが独自に銘柄を選んで運用するとする。でも、みんなが同じような銘柄を選んでしまうと、結果的に日経平均のような指数と同じような構成になってしまうんだ。つまり、高い手数料を払ってアクティブファンドに運用してもらっているのに、実際にはインデックスファンドと変わらない運用成績になってしまうということなんだよ。

クローゼット・インデックス・ファンドとは。

「クローゼット・インデックス・ファンド」とは、投資において、似たような運用スタイルのアクティブファンドマネージャーを多数採用することで起こる現象を指します。それぞれのマネージャーが分散投資を行う結果、企業年金全体のポートフォリオが、結果的にインデックスファンド(パッシブファンド)とほぼ同じ構成になってしまうことを言います。これは、本来アクティブ運用による超過リターンを狙っていたにも関わらず、実際にはパッシブ運用と変わらない結果となり、高い運用コストだけがかかってしまう非効率な状態を引き起こす可能性があります。

クローゼットインデックスファンドとは?

クローゼットインデックスファンドとは?

「クローゼットインデックスファンド」。耳慣れない言葉かもしれません。これは、一見アクティブファンドのように見せかけて、実際にはインデックスファンドとほぼ同じ運用をしている投資信託のことです。具体的には、日経平均株価やTOPIXなどの指標に連動することを目指すインデックスファンドと構成銘柄やリターンが酷似しているにも関わらず、高い運用手数料を徴収するファンドを指します。

なぜこのようなファンドが存在するのでしょうか?それは、「プロが運用するアクティブファンド」というイメージを利用して、高い手数料収入を得ようとする運用会社側の思惑があるからです。投資家としては、知らず知らずのうちに割高な手数料を支払わされている可能性もあるため、注意が必要です。

なぜクローゼットインデックスファンドが発生するのか?

なぜクローゼットインデックスファンドが発生するのか?

クローゼットインデックスファンドは、一見アクティブファンドを装いながら、実際にはインデックスファンドとほぼ同じ運用をしているファンドを指します。このようなファンドが存在する理由は、主に以下の3つが考えられます。

第一に、運用会社にとって、アクティブファンドはインデックスファンドよりも高い手数料収入を得られるという点です。投資家は、市場平均を上回るリターンを求めてアクティブファンドに投資するため、高い手数料を支払うことに抵抗が少ない傾向があります。

第二に、運用成績が振るわないアクティブファンドは、顧客の解約により運用資産が減少し、ファンドの存続が危ぶまれる可能性があります。そのため、運用会社は、実際にはインデックス運用を行いながらも、顧客離れを防ぐためにアクティブファンドの体裁を保つことがあります。

第三に、インデックス運用を行うことは、運用会社の運用能力の低さを露呈すると考える投資家もいるため、運用会社は自社のブランドイメージを守るために、クローゼットインデックスファンドという手段を選ぶことがあります。

クローゼットインデックスファンドの見分け方

クローゼットインデックスファンドの見分け方

一見魅力的な運用成績を謳うアクティブファンドの中には、実際にはインデックスファンドとほぼ変わらない運用をしながら高い手数料を徴収する「クローゼットインデックスファンド」が潜んでいる可能性があります。このような罠に陥らないためには、いくつかのポイントを押さえてファンドを見極める必要があります。

まず注目すべきは「アクティブシェア」です。この指標は、ファンドがベンチマーク指標となるインデックスファンドと比べて、どれだけ異なる銘柄構成で運用されているかを示しています。アクティブシェアの値が低いほど、インデックスファンドと似た運用をしている可能性が高まります。しかし、アクティブシェアが低いからといって、必ずしもクローゼットインデックスファンドだと断定することはできません。運用コストが低い場合や、特定の投資戦略を掲げている場合は、低いアクティブシェアにもかかわらず、優れたパフォーマンスをあげている可能性もあるからです。

次に確認したいのが「トラッキングエラー」です。トラッキングエラーは、ファンドの運用成績がベンチマーク指標からどれだけ乖離しているかを示す指標です。クローゼットインデックスファンドの場合、インデックスファンドと似たような運用をしているため、トラッキングエラーが小さくなる傾向があります。

さらに、ファンドの運用報告書を精査することも重要です。運用報告書には、ファンドの投資戦略や保有銘柄、運用コストなどが詳しく記載されています。クローゼットインデックスファンドは、高い運用成績を目指すと謳いながら、実際にはインデックスファンドと変わらない消極的な運用をしているケースがあります。

これらの情報を総合的に判断することで、クローゼットインデックスファンドを見分けることが可能になります。ただし、これらの指標だけで判断するのではなく、ファンドの投資 philosophy や運用体制なども考慮することが重要です。

高コスト投資の罠を避けるには

高コスト投資の罠を避けるには

一見魅力的な投資商品の中にも、実際には高いコストが発生し、結果的にリターンを圧迫してしまうものが存在します。特に、インデックスファンドとよく似た運用成績を目指しながらも、実際には高い運用手数料や隠れコストがかかる「クローゼットインデックスファンド」には注意が必要です。

高コスト投資の罠を避けるためには、まず投資信託の運用報告書や目論見書をよく読み、運用内容や手数料体系を理解することが重要です。特に、運用手数料だけでなく、信託報酬や売買委託手数料などの隠れコストにも目を向けましょう。

また、純粋なインデックスファンドと比較して、コスト面で本当に有利なのかを冷静に判断することも大切です。運用成績が良いという謳い文句だけで飛びつくのではなく、長期的な視点に立って、コストとリターンのバランスを考慮した上で投資判断を行いましょう。

まとめ:賢く投資するために

まとめ:賢く投資するために

一見魅力的に見える投資商品やサービスも、その実態をよく理解することが大切です。特に、コスト面は長期的な運用成績に大きく影響します。クローゼットインデックスファンドのように、実際には割高な運用コストを支払っている可能性もあります。

投資をする際には、その商品やサービスについて十分に調査し、コストやリスクを理解した上で、自身のリスク許容度や投資目標に合致しているかを見極めることが重要です。安易に流行や評判に流されず、長期的な視点を持って、賢く資産運用を行いましょう

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