投資初心者のための「キャッシュフロー」入門
投資をしたい
先生、キャッシュフローって、会社の利益を見るのと同じじゃないんですか?
投資研究家
いい質問だね!確かに、利益とキャッシュフローはどちらもお金に関わるものだけど、全く同じではないんだ。例えば、商品を売って売上は立ったけど、まだ代金をもらってない場合はどうなるかな?
投資をしたい
うーん、売上は立つけど、実際のお金はまだ入ってこないってことですよね?
投資研究家
その通り!利益は出ているけど、実際のお金の流れを表すキャッシュフローはプラスになっていないんだ。このように、キャッシュフローは会社の実際の資金状況を把握するために重要なんだよ。
キャッシュフローとは。
「キャッシュフロー」とは、企業活動によって実際に得た収入から支出を差し引いた、実際の資金の流れを示す投資用語です。英語の「Cash Flow」を直訳すると「現金流量」となります。損益計算書に記載される売上高や純利益には、売掛金などが含まれており実際のお金の動きを表していません。一方、キャッシュフロー計算書では、企業の本業における現金の収入と支出を示す「営業キャッシュフロー」、設備投資や金融商品への投資活動を反映した「投資キャッシュフロー」、借入や返済など資金調達に関わる「財務キャッシュフロー」の3つに分類して記載されます。
「キャッシュフロー」とは?
投資の世界でよく耳にする「キャッシュフロー」。一体何なのか、初心者の方には難しく感じるかもしれません。 キャッシュフローを簡単に説明すると、「お金の流れ」のことです。
損益計算書との違い
「損益計算書」は、企業の一定期間の経営成績を知るための重要な資料ですが、それと「キャッシュフロー計算書」は全くの別物です。損益計算書は、あくまで「収益」と「費用」をもとに、利益が出ているかどうかを計算したものです。
一方、キャッシュフロー計算書は、実際に現金や預金が「どれだけ増えたり減ったりしたのか」という、企業のお金の流れに着目した資料です。
例えば、商品を販売した際に、代金がまだ支払われていなくても、損益計算書上では収益として計上されます。しかし、キャッシュフロー計算書では、実際にお金が入ってくるまでは反映されません。このように、損益計算書とキャッシュフロー計算書では、その視点や計上方法が大きく異なるのです。
なぜキャッシュフローが重要なのか?
投資において、キャッシュフローは企業の業績や投資案件の将来性を評価する上で非常に重要な指標です。
キャッシュフローとは、一定期間におけるお金の流れのこと。企業活動では、商品販売による収入や、材料費などの支出が発生します。この収入と支出の差額がプラスであれば、企業は手元に資金を残すことができ、設備投資や事業拡大などに充てることができます。
投資家は、このキャッシュフローに着目することで、企業が実際にどれだけの利益を生み出し、将来性があるのかを判断することができます。いくら売上や利益が高くても、キャッシュフローがマイナスであれば、それは自転車操業の状態であり、いずれ資金繰りが行き詰まってしまう可能性があるからです。
キャッシュフロー計算書の3つの区分
キャッシュフロー計算書は、企業のお金の流れを「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つの活動に分けて記載しています。それぞれの区分が何を表しているのか、具体的に見ていきましょう。
「営業活動によるキャッシュフロー」は、企業の本業である商品やサービスの販売などによって得られた収入と支出を記載します。例えば、商品の売上による収入や、従業員への給与の支払いなどが該当します。この区分から、企業が本業でどれだけの利益を生み出しているかを把握できます。
「投資活動によるキャッシュフロー」は、工場や設備などの固定資産の取得や売却、株式や債券などの金融商品の売買によって生じるキャッシュの増減を表します。将来の企業成長のために投資を行えばキャッシュは流出しますし、逆に保有資産を売却すればキャッシュは流入します。
「財務活動によるキャッシュフロー」は、銀行からの借入や社債の発行などによる資金調達、借入金の返済や株式の配当金の支払いなどによって生じるキャッシュの増減を表します。企業は事業に必要な資金を、借入や株式発行などを通じて調達しており、その結果が財務活動に反映されます。
このように、キャッシュフロー計算書は3つの区分に分けて、企業のお金の流れを明らかにします。投資判断をする際には、これらの区分を意識しながら、企業の財務状況を分析することが重要です。
キャッシュフローから企業価値を見極める
企業の財務状態を把握する上で、「キャッシュフロー」は非常に重要な指標です。なぜなら、キャッシュフローは企業の実際の収入と支出を表しており、将来の成長や配当金の支払いに直結するからです。
キャッシュフローは、大きく分けて「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」の3つに分類されます。
まず「営業キャッシュフロー」は、本業である商品やサービスの販売などによって生み出されるキャッシュフローです。ここがプラスであるということは、企業が事業活動で着実に利益を上げていることを示しています。
次に「投資キャッシュフロー」は、工場や設備への投資など、将来の収益獲得のために使われるキャッシュフローです。成長企業の場合、設備投資などによって一時的にマイナスになることもありますが、将来的な成長を期待して積極的に投資を行っていると考えられます。
最後に「財務キャッシュフロー」は、借入や株式発行など、財務活動によって生じるキャッシュフローです。
これらのキャッシュフローを分析することで、企業の財務状態や将来性をより深く理解することができます。例えば、営業キャッシュフローが安定的にプラスで、投資にも積極的に行っている企業は、将来性が高いと言えるでしょう。
投資初心者の方は、まずこの3つのキャッシュフローについて理解し、企業分析に役立ててみて下さい。