元本確保型投資:確定拠出年金で本当に安全?
投資をしたい
先生、「元本確保型商品」ってどういう意味ですか?確定拠出年金の資料で見かけたんですけど。
投資研究家
良い質問だね。「元本確保型商品」は、投資したお金の元本が保証されている金融商品のことだよ。つまり、リスクが少なく、預けたお金が減る心配はほとんどないんだ。
投資をしたい
へえー、それなら安心ですね!でも、なんで「ほとんど」なんですか?絶対に減らないわけじゃないんですか?
投資研究家
鋭いね!実は、銀行が破綻するなど、ごく稀なケースでは元本が保証されない可能性もあるんだ。だから「ほとんど」減らないと言われているんだよ。ただし、その可能性は非常に低いので、安心していいよ。
元本確保型商品とは。
「元本確保型商品」は、投資の世界で使われる言葉で、確定拠出年金で選べる運用方法のひとつです。具体的には、銀行預金や元本保証のある金銭信託、国債や地方債、そして利率が保証された保険商品などがこれにあたります。
元本確保型商品とは何か?
「元本確保」と聞くと、投資で損をする心配がなく、預けたお金が減らないというイメージを持つかもしれません。確かに、元本確保型商品は、満期時または解約時に投資元本が保証されている商品です。
しかし、ここで注意が必要なのは、「元本」が何を指すかということです。預けた金額そのものが保証される場合もあれば、運用によって変動する基準価額や口座残高ではなく、あくまで最初に投資した金額を保証するという意味の場合もあります。
つまり、運用によっては利益が出ない、あるいは手数料やインフレの影響で実質的に目減りしてしまう可能性もある点は理解しておく必要があります。
確定拠出年金における元本確保型投資
確定拠出年金では、加入者自身が運用方法を選択し、将来の受取額が変わってきます。その選択肢の一つに、元本確保型投資と呼ばれるものがあります。これは、投資元本が保証されているため、安全性が高いと人気です。
確定拠出年金でよく選ばれる元本確保型投資としては、定期預金や保険商品などがあります。これらの商品は元本が保証されているため、リスクを避けたいと考える加入者に適しています。しかし、低金利が続く現在では、元本が保証されていても、実質的な資産増加は難しいという側面も持ち合わせています。
確定拠出年金は長期的な資産形成を目的とする制度です。そのため、短期的には元本が保証されていても、長期的視点で見た時に、本当に安全と言えるのか、よく検討する必要があります。
メリット:元本保証による安心感
確定拠出年金における元本確保型投資の最大のメリットは、預けたお金が減らず、元本が保証されているという点です。投資初心者の方や、リスクを取りたくないという方には、この安心感は非常に大きな魅力となります。将来受け取る金額が確定されているため、老後資金計画も立てやすく、精神的な負担を軽減できます。
デメリット:インフレリスクとリターン
元本確保型投資は、確かに元本割れのリスクが低く、確定拠出年金のような長期的な運用において安心感を与えるように思えます。しかし、「安全」と「有利」は必ずしも一致しないことを忘れてはなりません。元本確保型投資の大きなデメリットとして、インフレリスクと低いリターンが挙げられます。
インフレとは、物価が上昇し、相対的にお金の価値が下がる現象です。元本確保型投資は、預けた時と同じ金額が保証されますが、インフレによって将来的にそのお金で購入できる物の量が減ってしまう可能性があります。例えば、現在100万円で購入できる物が、10年後にはインフレの影響で120万円になっていたとします。元本が100万円のままでは、実質的に20万円の価値を失ってしまうことになります。
また、元本確保型投資は、リスクが低い代わりにリターンも低くなる傾向があります。預金金利が低い現在、元本確保型投資では運用益をほとんど期待できない場合もあります。長期間にわたる運用では、たとえ少額でも複利効果で大きな差が生まれます。確定拠出年金のように老後の資産形成を目的とするならば、低いリターンは大きなデメリットと言えるでしょう。
元本確保型商品を選ぶ上での注意点
元本確保型商品は、投資初心者にとって魅力的に映るかもしれません。確かに、元本が保証されているため、投資で損失を出すリスクは低いと言えます。しかし、確定拠出年金で運用する際には、いくつかの注意が必要です。
まず、「元本確保」と「元本保証」は異なるという点を押さえておきましょう。元本確保型商品は、運用がうまくいかなかった場合でも、元本が大きく目減りするリスクは低い商品です。しかし、必ずしも元本が保証されているわけではなく、運用状況によっては元本割れを起こす可能性もゼロではありません。
また、元本確保型商品は比較的利回りが低い傾向にあります。インフレが進むと、たとえ元本が確保されていても、実質的な価値が目減りしてしまう可能性があります。長期的な視点で資産形成を考える確定拠出年金では、この点は十分に考慮する必要があります。