意外と知らない？有価証券の私募を解説

意外と知らない？有価証券の私募を解説

有価証券の私募とは？

「有価証券の私募」とは、株式会社が資金調達を行う際に、証券会社を通さずに、特定の少数の投資家に対して、株式や社債などの有価証券を発行して販売することを指します。
簡単に言えば、限られた相手に対して、直接的に有価証券を販売する方法と言えるでしょう。

有価証券の私募の種類

一口に私募と言っても、実は様々な種類が存在します。大きく分けると、発行する有価証券の種類と、誰に対して募集をかけるかによって分類されます。

まず、有価証券の種類としては、株式、債券、投資信託など、様々なものが発行されます。発行する企業の資金ニーズや、投資家の投資目的によって、最適な種類が選択されます。

次に、誰に対して募集をかけるか、という点ですが、大きく「適格機関投資家私募」と「少人数私募」の2つに分けられます。「適格機関投資家私募」は、主に金融機関や大企業など、一定以上の知識や経験を持つ投資家を対象とするものなのに対し、「少人数私募」は、文字通り、少人数の特定の投資家を対象とするものです。

このように、私募には様々な種類があり、それぞれの特徴を理解した上で、投資判断を行うことが重要と言えるでしょう。

少人数私募

– 少人数私募

私募の中でも、特に少人数に対して行われるのが-少人数私募-です。これは、その名の通り、発行会社の株券や社債などを少人数の特定の投資家に対して販売する資金調達方法です。

少人数私募は、一般的に-49名以下の投資家-に対して行われます。この人数制限により、-証券届出書の作成・提出といった複雑な手続きや、多額の費用を大幅に簡略化できる-というメリットがあります。そのため、-ベンチャー企業や中小企業にとって、比較的容易に資金調達を行うことができる手段-として有効です。

しかし、少人数私募は、-投資家の募集範囲が限られるため、多額の資金調達には不向き-という側面もあります。また、-出資する投資家も、その企業の事業内容や将来性などをしっかりと見極める必要-があります。

特定投資家向け私募

– 特定投資家向け私募

私募には、大きく分けて「特定投資家向け私募」と「少人数私募」の2種類があります。

今回は「特定投資家向け私募」について詳しく見ていきましょう。

-# 特定投資家とは？

特定投資家向け私募とは、その名の通り、金融機関や上場企業など、一定以上の知識や資産を持つ「特定投資家」のみを対象とした資金調達です。

具体的には、以下のような投資家が「特定投資家」とみなされます。

* 金融機関
* 上場企業
* 年収2,000万円以上または金融資産1億円以上の個人

-# 特定投資家向け私募のメリット

特定投資家向け私募は、発行体である企業にとって以下のようなメリットがあります。

* 手続きが比較的簡素少人数私募と比較して、発行時の手続きが簡素です。
* 資金調達コストを抑えられる証券会社への手数料などが抑えられるため、公募に比べて資金調達コストを抑えることができます。
* 柔軟な資金調達が可能投資家との交渉によって、発行条件などを柔軟に設定することができます。

-# 特定投資家向け私募のデメリット

一方で、以下のようなデメリットも存在します。

* 投資家数が限られる特定投資家のみを対象とするため、投資家数が限られてしまう可能性があります。
* 知名度向上は難しい公募と異なり、広く一般に募集をかけるわけではないため、知名度向上には繋がりにくいです。

-# まとめ

特定投資家向け私募は、発行体にとってメリットの大きい資金調達方法と言えます。

ただし、投資家数が限られることや、知名度向上に繋がりにくいことなど、デメリットも理解した上で、自社の資金調達ニーズに合っているかを慎重に検討する必要があります。

適格機関投資家向け私募

株式や社債などの有価証券を発行して資金を調達する方法には、広く投資家を募る「公募」と、特定の少数の投資家のみに募集を行う「私募」の二つがあります。
中でも「適格機関投資家向け私募」は、金融機関や上場企業など、一定以上の金融力や投資に関する専門知識を有すると認められる「適格機関投資家」のみを対象とする私募です。
この方法は、公募と比べて、発行手続きが簡素で、短期間かつ低コストで資金調達が可能というメリットがあります。また、少数の投資家との交渉で済むため、柔軟な条件で資金調達を行える点も魅力です。
一方で、投資家となる適格機関投資家が限定されるため、多額の資金調達には不向きという側面もあります。
適格機関投資家向け私募は、成長途上のベンチャー企業や、新規事業への投資を目的とする企業にとって、有効な資金調達手段の一つと言えるでしょう。