買い/売りスワップで理解する為替取引

投資をしたい

先生、「買い/売りスワップ」ってどういう意味ですか？難しくてよくわからないんです。

投資研究家

なるほど。「買い/売りスワップ」は、例えば、今すぐドルを買って、将来の決まった時に同じ相手に同じ量のドルを売る取引のことだよ。簡単に言うと、今はドルが必要だけど、将来はドルが余ると予想している人が使う取引方法なんだ。

投資をしたい

将来ドルが余るってどういうことですか？

投資研究家

例えば、海外旅行でしばらく日本円を使わないから、一旦ドルに交換する場合を考えてみよう。旅行が終わって帰国したら、残ったドルは日本円に戻すよね？この時、「買い/売りスワップ」を利用すると、旅行前にドルを安く買って、旅行後に残ったドルをあらかじめ決めたレートで売ることができるんだ。

投資用語の「買い／売りスワップ」とは、英語でbuying/selling swapと言い、近い将来（期近）にドルを買い、その後、将来の決められた時点（期先）でそのドルを売る取引のことです。

為替取引において、「スワップ」は非常に重要なキーワードです。特に長期的な視点で取引を行う際には、スワップポイントの存在は利益に大きく影響します。今回は、スワップ取引の基本について解説するとともに、買いスワップと売りスワップの違いについても詳しく見ていきましょう。

スワップ取引とは、異なる通貨の金利差を利用した取引です。具体的には、ある通貨を売却する取引と同時に、別の通貨を購入する取引を同時に行うことを指します。この時、2つの通貨間で金利差が存在する場合、その金利差に応じてスワップポイントが発生します。

例えば、低金利通貨である日本円を売却し、高金利通貨である豪ドルを購入する取引を考えてみましょう。この場合、日本円の売却によって得られる金利よりも、豪ドルの購入によって支払う金利の方が高くなります。この金利差がスワップポイントとなり、取引に応じて受け取ったり、支払ったりする必要があります。

スワップポイントは、取引する通貨ペアや取引量、金利差、FX会社によって異なります。また、スワップポイントは毎日発生し、口座に反映されます。そのため、スワップポイントを積極的に狙うことで、為替取引における利益を拡大することも可能です。

– 2. 買いスワップ期近のドル買いと期先のドル売り

買いスワップとは、期近のドルを買い、同時に同じ量の期先のドルを売る取引です。

例えば、1か月後にドルが必要だとします。この場合、1か月後の為替レートが円高に動いてしまうと、同じ量のドルを買うにも多くの円が必要になってしまいます。

このようなリスクを回避するために、買いスワップが使われます。

具体的には、現在のレートで期近のドルを買い、同時に将来の為替レート変動リスクを回避するために、同じ量の期先のドルを売っておくのです。

これにより、将来の為替レートが円高に動いたとしても、あらかじめ決めたレートでドルを調達できるため、安心して資金計画を立てることができます。

買いスワップは、将来のドル資金需要が確定している場合などに有効な手段と言えるでしょう。

– 3. 売りスワップ期近のドル売りと期先のドル買い

売りスワップは、「期近のドル売り」と「期先のドル買い」を同時に行う取引です。

例えば、
* 本日（スポット日）に1ドル=110円で100万ドル売って1億1千万円買い、
* 1ヶ月後に1ドル=111円で同じ100万ドルを買い戻す
という取引を考えましょう。

この場合、当初は円買いドル売りで円高方向にポジションを取ることになります。しかし、同時に将来の為替レートでドルを買い戻す契約をしているため、為替変動のリスクをヘッジすることができます。

売りスワップは、主に将来の円資金需要に備える、または外貨建て資産の為替リスクヘッジを目的として行われます。

– 4. 買い/売りスワップはなぜ行う？

為替取引において、買いスワップや売りスワップは頻繁に行われています。では、なぜトレーダーはわざわざスワップポイントを支払ったり、受け取ったりしながら取引をするのでしょうか？主な理由としては、以下の2つが挙げられます。

1. –金利差を利用した利益獲得– スワップポイントは、通貨ペアの金利差によって発生します。高金利通貨を買い、低金利通貨を売ることで、その金利差を利益として得ることができます。これがスワップポイントを狙った取引の主な目的です。

2. –ポジション保有コストの削減– 例えば、将来的な円高を見込んでドル/円を売る場合、そのままポジションを保有するとスワップポイントの支払いが発生します。しかし、売りスワップを行うことで、スワップポイントの支払いを抑え、ポジション保有コストを削減することができます。

このように、買い/売りスワップは利益獲得とコスト削減という2つの目的で利用されます。どちらの目的で利用するかは、トレーダーの投資戦略や市場環境によって異なります。

スワップポイントによる利益を狙えるスワップ取引ですが、リスクと注意点を正しく理解しておくことが重要です。

まず、為替レートは常に変動するため、スワップポイントで利益を得られても、為替レートの変動によっては損失が発生する可能性があります。特に、高金利通貨と低金利通貨の金利差が縮小すると、為替レートが大きく変動し、損失が拡大するリスクがあります。

また、スワップポイントは日々変動します。想定していたよりもスワップポイントが減少した場合、利益が減ってしまう可能性もあります。

さらに、FX会社によってスワップポイントの付与基準や金額は異なります。そのため、取引を行う前に、複数のFX会社の条件を比較検討することが重要です。

スワップ取引は、リスクと注意点を理解した上で、余裕資金で行うようにしましょう。