将来の為替を今決める？先物為替の基本
投資をしたい
先生、「先物為替」ってどういう意味ですか？難しそうな言葉でよく分かりません。
投資研究家
そうだね。「先物為替」は少し難しい言葉だけど、簡単に言うと「将来のある日に、あらかじめ決めたレートで通貨を交換すること」を指すんだ。
投資をしたい
将来のレートをあらかじめ決めておくってことですか？
投資研究家
その通り！例えば、旅行に行く3ヶ月前に、その時のレートで円をドルに交換しておく約束をするイメージだね。そうすれば、旅行の直前に円安になっても安心だよね。
先物為替とは。
「先物為替」とは、将来の特定の日付で、あらかじめ決めた為替レートで通貨を交換する契約のことです。英語では「forward exchange（フォワード・エクスチェンジ）」と言います。
先物為替とは何か？
海外旅行や輸入ビジネスなどで、将来の為替変動が心配になったことはありませんか？ 「先物為替」は、そんな時に役立つ金融商品です。簡単に言えば、将来のある時点の為替レートを、今の時点で事前に決めておく取引のことを指します。
例えば、3ヶ月後にアメリカドルが必要だとします。現在の為替レートは1ドル140円ですが、3ヶ月後には円安が進んで1ドル150円になっているかもしれません。このような場合、先物為替を利用すれば、1ドル140円という現在のレートで、3ヶ月後に必要なドルを事前に購入しておくことができます。
このように、先物為替を利用することで、将来の為替変動リスクを回避し、必要な時に必要な金額を外貨で確保しておくことが可能になります。
先物為替のメリット・デメリット
先物為替は、将来のある時点の為替レートをあらかじめ決めておく取引です。これにより、将来の為替変動リスクをヘッジすることができます。しかし、メリットだけでなくデメリットも存在するため、利用する際はしっかりと理解しておく必要があります。
メリットとしてまず挙げられるのは、為替リスクのヘッジです。輸入企業であれば、将来円安が進行した場合、輸入コスト増加に苦しむことになります。しかし、先物為替で円買いドル売りの予約をしておくことで、将来の為替レートがいくらになろうとも、あらかじめ決めたレートで取引できます。
二つ目のメリットは、資金効率の良さです。先物為替取引では、取引開始時に必要な証拠金は、実際の取引金額に比べて少額で済みます。そのため、少ない資金で大きな取引を行うことができ、資金効率を高めることが期待できます。
一方で、先物為替にはデメリットも存在します。まず、為替が有利に変動した場合、利益機会を逃してしまう可能性があります。例えば、円高が進行し、円買いドル売りが有利になったとしても、先物為替で円安レートで取引してしまっていれば、その利益を得ることはできません。
また、証拠金以上の損失が発生するリスクも内在しています。為替レートが予想に反して大きく変動した場合、証拠金を超える損失が発生し、追加の証拠金（追証）の支払いを求められる可能性があります。
このように、先物為替にはメリットとデメリットの両方が存在します。利用する際は、自身の取引目的やリスク許容度を考慮し、慎重に判断することが重要です。
先物為替が使われるケース
先物為替は、あらゆる企業活動において発生しうる為替変動リスクをヘッジするために利用されます。特に、将来的な外貨建ての収入や支出が確定している場合に有効です。
例えば、輸出企業が数ヶ月後に外貨で売上を受け取る予定があるとします。しかし、為替レートは変動するため、実際に受け取る円貨の額は受取日になってみないと分かりません。そこで、先物為替取引を利用すれば、将来の特定の日に特定の為替レートで円貨に交換する契約を結ぶことができます。これにより、為替変動リスクを回避し、将来の収入を確定させることができるのです。
また、輸入企業にとっても、将来の外貨建ての支払額を固定するために先物為替は有効です。為替変動によって輸入コストが想定以上に膨らむリスクを回避できます。
さらに、先物為替は、企業の取引だけでなく、海外旅行や海外への留学など、個人にとっても役立つ場面があります。旅行費や留学費用を事前に確定させておくことで、為替変動による費用の増加を防ぐことができます。
先物為替レートの決まり方
先物為替レートは、将来のある時点の為替レートを、現時点で決定します。一見不思議な思えますが、これは現在の為替レート、金利、市場の需給関係など、様々な要素を考慮して算出されます。
具体的には、2つの通貨間の金利差が大きく影響します。例えば、円よりも米ドルの方が金利が高いとします。この場合、円を売って米ドルで運用した方が有利になるため、将来の円安ドル高が予想されます。この予想を反映して、先物為替レートは、現在の為替レートよりも円安ドル高方向に設定されるのです。
さらに、市場の需給関係も重要な要素です。もし、将来、ある企業の輸出が増加して円が大量に売却されることが予想される場合、円安に進むと予想されます。このような場合にも、先物為替レートは、現在の為替レートよりも円安方向に設定されます。
このように、先物為替レートは、様々な要因を複雑に織り込みながら決定されます。そして、将来の為替リスクをヘッジするために、重要な役割を果たしているのです。
先物為替取引の注意点
先物為替取引は、将来の為替リスクをヘッジしたり、為替変動を利用した利益を狙ったりできる便利なツールですが、いくつかの注意点があります。
まず、先物為替取引は、将来の為替を予測する必要があるため、為替相場の変動リスクが常に伴います。予想が外れてしまうと、大きな損失を被る可能性もあるため、注意が必要です。
次に、先物為替取引には、証拠金と呼ばれる担保が必要となります。証拠金は、取引金額に対して一定の割合で設定され、取引状況によっては追加で証拠金を支払わなければならない場合もあります。
さらに、先物為替取引は、一般的に金融機関との相対取引となります。そのため、取引相手となる金融機関の信用リスクや、取引に関する詳細な内容を理解しておくことが重要です。
これらの注意点以外にも、先物為替取引には、取引期限や取引単位など、理解しておくべき特有のルールが存在します。取引を始める前に、金融機関の担当者などに相談し、十分な知識を身につけるようにしましょう。