輸出企業の味方？買為替をわかりやすく解説

輸出企業の味方？買為替をわかりやすく解説

買為替とは何か？

買為替とは、将来の為替レートをあらかじめ決めておくことで、為替変動のリスクを回避する取引のことです。
例えば、1ドル100円の時に、3ヶ月後に100万ドルを受け取る予定があるとします。この場合、もし3ヶ月後に円高が進み、1ドル90円になってしまったら、円換算すると10万円も目減りしてしまいます。
このようなリスクを回避するために、将来の特定の日に、特定の為替レートで、あらかじめ決められた金額の外貨を売買する契約を結ぶのが買為替です。
これにより、為替レートがどのように変動しても、契約時のレートで円に換金することができるため、輸出企業は安心して事業を進めることができます。

買為替の仕組みを解説

海外との取引で円以外の通貨を受け取った場合、それを日本円に交換する必要がありますよね。この時に役立つのが「買為替」です。買為替とは、銀行が顧客である企業などから外貨を買い取り、代わりに円を支払う取引のことを指します。

例えば、アメリカの会社に商品を1万ドルで輸出したとしましょう。この時、受け取った1万ドルを日本の銀行に持ち込み、銀行が提示する為替レートに基づいて円に交換してもらいます。これが買為替です。

買為替には、銀行との間で為替レートと交換する期日をあらかじめ決めておく「為替予約」という方法もあります。為替レートは常に変動するため、将来の為替リスクを回避したい場合に有効な手段です。

買為替と輸出の関係

買為替は、将来の為替リスクに備えるために、将来のある時点の為替レートをあらかじめ決めておく取引のことです。特に、円安になると利益が増える輸出企業にとって、買為替は重要な役割を果たします。

例えば、ある企業が1ドル=100円の時点で100万ドル分の製品を輸出するとします。この場合、円安が進んで1ドル=110円になったとすると、円換算での売上は1億円から1.1億円に増加し、1,000万円の為替差益が発生します。

しかし、為替相場は常に変動するため、円安が進むとは限りません。もしも円高が進んで1ドル=90円になってしまった場合、円換算での売上は1億円から9,000万円に減少し、1,000万円の為替差損が発生してしまうことになります。

このような為替リスクを回避するために、輸出企業は買為替取引を行います。あらかじめ将来の特定の日にちで、例えば1ドル=100円でドルを円に交換する契約を結んでおくことで、為替が円高に動いた場合でも、予定していた利益を確保することができるのです。

買為替レートの決まり方

買為替レートは、銀行が顧客から外貨を買い取る際のレートのことです。銀行は日々変動する市場レートを元に、独自の計算式を用いて買為替レートを設定しています。この計算式には、市場レートに加えて、銀行の利益や手数料、為替リスクなどが含まれます。そのため、同じ通貨、同じタイミングでも、銀行によって買為替レートは異なるのが一般的です。一般的に、銀行は顧客から外貨を買い取る際、市場レートよりも低い買為替レートを設定します。このレートの差が銀行の利益となります。また、為替レートが急激に変動した場合の損失を避けるため、為替リスクを考慮して、買為替レートに調整を加えることもあります。

買為替のリスクと注意点

買為替は、将来の為替レート変動リスクを回避する有効な手段となりえますが、リスクと注意点も存在します。

まず、為替レートが予想に反して円高に動いた場合、買為替によって損失が発生する可能性があります。例えば、1ドル=110円のレートで1万ドルの買為替契約を結んだとします。しかし、受取日に円高が進み、1ドル=100円になった場合、受け取れる円貨は100万円となり、10万円の損失が発生します。

また、買為替には手数料が発生します。この手数料は金融機関や契約内容によって異なり、為替レートの変動によっては手数料が利益を上回る可能性もあります。

さらに、買為替契約は、将来の為替レートを予測する必要があるため、予測が困難な場合があります。世界経済の動向や政治状況など、為替レートに影響を与える要因は複雑に絡み合っているため、正確な予測は容易ではありません。

したがって、買為替を利用する際は、リスクと注意点を十分に理解した上で、専門家のアドバイスを受けるなど、慎重な判断が必要です。