ストリップス国債とは？仕組みと投資メリット・デメリット

ストリップス国債とは？仕組みと投資メリット・デメリット

ストリップス国債の基礎知識

ストリップス国債とは、国が発行する債券である国債のうち、利息と償還日を分離して売買されるものです。

通常の国債は、発行時に決まった利率で定期的に利息を受け取り、満期日に元本が償還されます。一方、ストリップス国債は利息部分を表す「利札」と、償還日を意味する「元本部分」に分けて取引されます。

例えば、10年満期の国債をストリップス化した場合、1年目から10年目までの利札10枚と、10年後の償還日を約束した元本部分の計11個に分けて売買されます。

ストリップス国債は、それぞれのニーズに合わせて、利札と元本部分を個別に購入できることが特徴です。

ストリップス国債の仕組みをわかりやすく解説

ストリップス国債は、通常の債券のように利息と償還金を満期日に受け取るのではなく、利息部分と償還部分をそれぞれ別の債券として扱うという、少し変わった仕組みの国債です。

例えば、10年満期の国債があるとします。この国債をストリップス国債にすると、利息を支払うクーポン部分を10年分に分割し、さらに償還部分と合わせて計11個の債券に分割します。そして、それぞれの債券を個別に売買できるようにしたものがストリップス国債です。

このように、本来の国債から利息部分と償還部分を切り離して証券化したことから、ストリップス債（Separate Trading of Registered Interest and Principal of Securities）と呼ばれています。

ストリップス国債投資のメリット

ストリップス国債は、通常の債券とは異なるいくつかのメリットを提供するため、特定の投資ニーズを持つ人々に魅力的です。

まず、ストリップス国債は元本価格が割安で購入できる可能性がある点が挙げられます。通常の債券は額面価格で購入するのが一般的ですが、ストリップス国債は利息部分が切り離されているため、額面価格よりも低い価格で購入できるケースが多いです。そのため、満期保有すれば購入価格と額面価格の差額分の利益を得られることが期待できます。

さらに、ストリップス国債は価格変動リスクの管理がしやすいというメリットもあります。通常の債券は市場金利の変動に影響を受けやすく、金利が上昇すると価格が下落するリスクがあります。一方、ストリップス国債は利息部分が分離されているため、金利変動の影響を受けにくく、保有期間中の価格変動リスクを抑制できます。

また、ストリップス国債は満期日に受け取る金額が確定しているため、将来の資金計画を立てやすいという点も魅力です。満期保有すれば額面金額を受け取ることが確定しているため、年金や教育資金など、将来の資金需要に合わせて計画的に資産形成を行いたい投資家にとって有効な手段となります。

ストリップス国債投資のデメリット・リスク

– ストリップス国債投資のデメリット・リスク

ストリップス国債は、通常の債券と比較して価格変動リスクが大きい点が挙げられます。これは、利息部分が分離されているため、金利変動の影響を直接的に受けやすいためです。金利が上昇すると、ストリップス国債の価格は下落します。

また、償還まで保有しないと当初予定していた利回りを確保できないという点もデメリットと言えるでしょう。途中で売却する場合、市場の金利状況によっては元本割れのリスクも伴います。

さらに、ストリップス国債は、発行額が少ないため、流動性が低く、売買のタイミングが難しいという側面もあります。

投資に際しては、これらのリスクを十分に理解した上で、自身の投資目的やリスク許容度に合致しているかどうか、慎重に判断する必要があります。

ストリップス国債投資に向いている人

ストリップス国債は、満期保有や長期投資を前提とした投資家に向いています。具体的には、以下のような特徴を持つ人が挙げられます。
まず、元本保証を重視する投資家にとって魅力的な選択肢です。満期まで保有すれば、発行価格が額面金額を下回っている場合、その差額分の利益が確定するため、ローリスクで確実なリターンを得られます。
次に、将来の資金需要が明確な投資家、例えば、子供の教育資金や住宅購入資金など、特定の時期にまとまった資金が必要となる場合にも有効です。満期日をその時期に合わせておくことで、計画的な資金準備が可能となります。
さらに、インカムゲインよりもキャピタルゲインを重視する投資家にも適しています。ストリップス国債は利息が支払われない代わりに、償還時に額面金額との差額で利益を得るため、中長期的に資産を増やしたいという目的を持つ投資家に適しています。
一方、短期的な売買で利益を狙いたい投資家や、定期的な収入を期待する投資家には不向きと言えるでしょう。