為替の基礎知識: TTM(仲値)とは？
投資をしたい
先生、「TTM」って投資用語で出てくるんですけど、どういう意味ですか？
投資研究家
TTMは「Telegraphic Transfer Middle rate」の略で、銀行間で為替取引をする時の基準となるレート、つまり仲値のことだよ。銀行が顧客との取引や、比較的小額の外国為替取引をする際に使われるんだ。
投資をしたい
なるほど。でも、仲値ってどうやって決まるんですか？
投資研究家
東京市場の場合は、午前9時55分ごろのレートを参考に銀行が決めるんだ。ただし、銀行によって微妙に異なる場合もあるよ。
TTMとは。
「TTM」は投資用語で、銀行が顧客との取引や少額の外国為替取引の際に基準とする為替レートである「仲値」を指します。東京市場では、通常午前9時55分頃のレートを参考に各銀行が仲値を設定しますが、銀行によって多少の差があります。仲値で決済を行う際に必要なドルが不足する状況を「仲値が足りない」「仲値不足」と表現することがあります。この場合、不足分のドルを市場で購入する必要が生じるため、そのドル買いによってドル円相場が上昇する可能性があります。
TTMとは何か？
TTMは、「Tokyo Telegraphic Transfer Mid rate」の略称で、日本語では「電信買仲値」と言います。これは、銀行間で取引されるドルと円の為替レートにおいて、午前10時に算出される基準値のことです。具体的には、TTS(電信売相場)とTTB(電信買相場)のちょうど真ん中のレートとして計算されます。TTMは、新聞やテレビのニュースなどで「今日の円相場は、1ドル〇〇円台と、昨日より円高・円安で推移」といった形で報道される際に用いられる、私たちにとって馴染み深い為替レートの一つです。
TTMが使われる場面
TTMは、銀行間取引など、日々膨大な数の取引が行われる為替市場において特に重要な役割を担っています。具体的には、以下のような場面で活用されています。
-1. 企業間決済や国際送金-
海外との取引を行う企業にとって、為替レートは非常に重要です。TTMは、その日の市場の動向を反映した公正なレートとして、企業間決済や国際送金における基準として広く利用されています。
-2. 個人の外国為替取引-
FX取引を行う個人投資家にとっても、TTMは重要な指標です。リアルタイムレートと異なり、TTMは1日の特定の時間に確定されるため、取引戦略を立てやすく、感情的な取引を避けるのに役立ちます。
-3. 経済指標としての活用-
TTMは、その国の通貨の価値を測る上で重要な経済指標となります。過去のTTMの推移を分析することで、為替市場のトレンドや経済状況を把握することができます。
このように、TTMは為替市場において、企業、個人、そして経済全体にとっても重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
TTMの決まり方
TTMは、銀行間取引で成立したレートのうち、指定された時間帯（例えば、午前9時から午前9時5分など）に最も多く取引されたレートを指します。
具体的には、銀行間取引システムに登録された売買注文の中から、指定時間内に約定したレートと数量を元に算出されます。
このため、TTMはその時間帯における市場の実勢を最もよく反映したレートと言えるでしょう。
仲値不足とその影響
仲値は、銀行間取引における重要な指標ですが、その決定には十分な取引量が必要です。しかし、市場の状況によっては、取引量が少なく、公正な価格形成に必要な注文数が集まらない場合があります。これを「仲値不足」と呼びます。
仲値不足は、市場の流動性が低下しているサインと捉えられ、為替レートの乱高下を招く可能性があります。また、輸出入企業にとっては、為替リスクの管理が難しくなり、企業活動に支障が出る可能性もあります。さらに、市場参加者にとって、価格発見機能が低下し、適切な投資判断が難しくなるという影響も考えられます。
TTMと投資の関係
投資を行う際、特に外貨建ての資産に投資する場合は、為替レートの変動が利益に大きく影響します。このため、現在の為替レートだけでなく、過去の値動きも参考に判断することが重要になります。そして、過去の値動きを把握する上で役立つのがTTM(仲値)です。TTMは、過去の特定時点の為替レートを指しており、過去のトレンドを把握する指標となります。
例えば、ある時点のTTMが現在の為替レートよりも円高だった場合、その後円安に推移したことがわかります。過去のTTMを参考に、過去の値動きを把握することで、今後の為替変動を予測する材料の一つとなりえます。ただし、為替市場は様々な要因に影響されるため、TTMだけで将来の為替レートを正確に予測することはできません。他の経済指標なども参考にしながら、総合的に判断することが重要です。