TOBとは?投資初心者にもわかりやすく解説
投資をしたい
先生、TOBってよく聞くんですけど、具体的にどういう意味ですか?
投資研究家
そうだね。TOBはTake Over Bidの略で、簡単に言うと、ある会社が他の会社の株式を大量に買い集めて、その会社の経営権を握ろうとすることなんだ。
投資をしたい
なるほど。でも、なんでわざわざそんなことをするんですか?
投資研究家
いい質問だね! 会社を大きくしたい、新しい技術やブランドを手に入れたい、ライバル会社を減らしたいなど、理由は様々だよ。ただ、たくさんの株主から公平に株式を買い取る必要があるので、法律でルールが定められているんだ。
TOBとは。
「TOB」とは、株式投資で使われる用語で、公開企業の経営権を握ったり、強化したりするために行われます。具体的には、証券取引所を通さずに、短期間で大量の株式を買い付ける行為を指します。TOBは、イギリスで使われている「take over bid」が語源で、アメリカでは「tender offer」と呼ばれています。欧米では、企業買収の一般的な手法となっています。日本では、株主が公平かつ合理的に判断できるように、金融商品取引法(27条の2以下)で、一定以上の株式を買い付ける場合は公開することを義務付け、様々な手続きを定めています。
TOBの定義と目的
– TOBの定義と目的
TOBとは、「株式公開買付け」の略称で、特定の企業の株を、市場を通さずに、株主から直接買い取ることを指します。
企業が成長するためには、資金調達や事業提携など、様々な戦略が必要となります。TOBは、これらの目的を達成するための有効な手段の一つとして用いられます。
例えば、
* 他の企業を買収したい
* 経営権を取得したい
* 少数株主との関係を整理したい
といった場合に、TOBが実施されます。
TOBでは、買収を希望する企業(買付者)が、買い取りたい株数と価格を提示します。株主は、提示された条件を見て、自分の意思で株式を売却するかどうかを判断します。
つまり、TOBは企業と株主間の合意に基づいて行われる取引と言えるでしょう。
TOBのメリット・デメリット
TOBは企業買収の一つの手段ですが、メリットもあればデメリットも存在します。ここでは、株主側と企業側の両方の視点からメリットとデメリットを見ていきましょう。
– 株主側のメリット・デメリット
メリットとしてまず挙げられるのは、プレミアム価格で株式を売却できる可能性が高い点です。TOBでは、一般的に市場価格よりも高い価格で買い付けが行われます。これは、買い手企業が株主に対して、株式を売却するインセンティブを与えるためです。
一方で、デメリットは、TOBに応募するかどうかを自分で判断しなければならない点です。TOBの価格や条件、将来性などを考慮し、応募するかどうかを自分で決める必要があります。
– 企業側のメリット・デメリット
企業側のメリットは、短期間で多くの株式を取得できることです。市場で少しずつ株式を買い集めるよりも、効率的に買収を進めることができます。また、友好的な買収となる場合が多く、経営統合をスムーズに進めやすいというメリットもあります。
しかし、デメリットとして、買収費用が高額になる可能性があります。プレミアム価格で買い付けを行うため、市場で買い集めるよりも多くの資金が必要になります。また、TOBが成立しないリスクも存在します。買い付け価格や条件が株主の期待に満たない場合、TOBは成立しない可能性があります。
TOBのプロセス
TOBは、大きく分けて①TOBの発表、②投資家の判断期間、③応募・買取、④決済という4つのプロセスで進みます。
まず、買収を希望する企業は、TOBを行うことを公に発表します。これが①TOBの発表です。
次に、②投資家の判断期間に入ります。この期間に、投資家はTOBに応募するかどうかを検討します。TOBの価格や条件、企業の将来性などを考慮し、自分の保有する株式を売却するかどうかを判断します。
そして、TOBに応募する投資家は、証券会社を通じて応募手続きを行います。これが③応募・買取です。
最後に、④決済が行われます。応募した投資家には、TOB価格で株式が買い取られます。
このように、TOBは一定期間と明確なプロセスを経て行われます。
投資家への影響
TOBが発表されると、投資家はその企業の株価に対して大きな影響を受けることになります。具体的には、TOB価格は一般的に、現在の市場価格よりも高い価格で設定されることが多いため、株価はTOB価格に近づいていく傾向があります。
もし、あなたがTOB対象企業の株を保有しており、TOB価格に魅力を感じれば、TOBに応募して株式を売却することで利益を得ることができます。逆に、TOB価格に納得がいかない場合は、TOBに応募せずに株式を保有し続けることも可能です。ただし、TOBが成立しなかった場合、株価はTOB発表前の水準に戻ってしまう可能性もあるため注意が必要です。
TOBに関する法律と規制
TOBは、株式市場に大きな影響を与える可能性のある企業買収の手法であるため、投資家保護と市場の公正さを保つための法規制が整備されています。
日本では、金融商品取引法および関連する政令や内閣府令がTOBのルールを定めています。
例えば、TOBを行う際には、株主に対してTOBに関する情報を記載した書類(TOB説明書)を交付すること、TOBの期間を20営業日以上とすること、一定の株主から応募が集まった場合にのみ買付けを行うこと(買付条件)などが義務付けられています。
また、これらのルールに違反した場合には、課徴金や刑事罰が科せられる可能性もあります。
TOBは、これらの法律や規制に基づいて行われるため、投資家は安心して取引に参加することができます。