投資用語「マージンコール」を解説

投資用語「マージンコール」を解説

マージンコールとは？

「マージンコール」とは、信用取引において、証券会社に追加の保証金を差し入れるように求められることを指します。信用取引では、自己資金の何倍もの金額を取引することができますが、その際に証券会社に預ける保証金のことを「証拠金」と言います。

マージンコールは、取引状況が悪化し、証拠金維持率が証券会社が定める一定の水準を下回った際に発生します。これは、投資家と証券会社双方にとって、損失が拡大することを防ぐための安全装置としての役割を果たしています。

マージンコールが発生する仕組み

マージンコールは、証拠金取引において発生する可能性があります。
証拠金取引では、投資家は証券会社に一定の証拠金を預け入れることで、証拠金以上の金額の取引を行うことができます。
しかし、相場が予想に反して変動し、損失が拡大して証拠金維持率が一定水準を下回った場合、証券会社は投資家に対して追加の証拠金、すなわち「マージン」の請求を行います。これがマージンコールです。
マージンコールに応じられない場合、証券会社は投資家の保有ポジションを強制的に決済する権利を持ちます。
これをロスカットと呼びます。

マージンコールの通知方法

マージンコールは、通常、証券会社から投資家に対して行われます。その通知方法は、電話、メール、取引システム上のメッセージなど、証券会社によって異なります。近年では、多くの証券会社が、迅速かつ確実に通知できるよう、メールや取引システム上のメッセージで通知するケースが増えています。

いずれの方法で通知される場合でも、マージンコールを受けた場合は、速やかに対応することが重要です。具体的には、追加の証拠金を差し入れるか、あるいはポジションの一部もしくは全部を決済する必要があります。もしも、指定された期限までに対応ができない場合は、証券会社が投資家の意向に関わらず、強制的にポジションを決済してしまうケースもあります。これは、投資家自身だけでなく、証券会社を守るためにも必要な措置となります。

マージンコールを受けた時の対処法

マージンコールを受けてしまったら、まずは落ち着いて状況を把握することが大切です。慌ててしまうと冷静な判断ができなくなり、さらなる損失を招く可能性もあります。

マージンコールを受けた場合、証券会社から求められた期間内に不足分の証拠金を追加入金するか、あるいはポジションの一部あるいは全部を決済する必要があります。どちらの対応を取るべきかは、その時の相場状況や投資家の資金状況などを総合的に判断する必要があります。

もし、追加入金する余裕があり、かつ保有している投資対象の将来性について強気の見通しを持っている場合は、追加入金を選択することも可能です。一方、損失が拡大するリスクを回避したい場合や、投資資金に余裕がない場合は、ポジションの一部もしくは全部を決済する方が賢明と言えるでしょう。

マージンコールのリスクと対策

マージンコールは、強制ロスカットと並んで、証拠金取引を行う上で最も注意すべきリスクの一つです。ここでは、マージンコールが発生することでどのようなリスクが生じるのか、そしてその対策について解説していきます。

マージンコールの最大のリスクは、強制的にポジションを解消させられることです。保有ポジションが損失を抱えている状態でマージンコールが発生すると、追加の証拠金を差し入れなければなりません。もし、証拠金の追加が間に合わなければ、損失が拡大する前に強制的にポジションが決済されてしまいます。

この強制決済は、投資家の意図しないタイミングで行われるため、損失を確定させ、さらには投資資金が大きく減少してしまう可能性があります。

このようなリスクを回避するためにも、日頃から証拠金維持率には注意を払い、余裕を持った証拠金で取引を行うことが重要です。具体的には、常に証拠金維持率を100%以上に保つように心がけ、余裕資金で取引を行うようにしましょう。また、FX会社によっては、あらかじめ設定した金額を下回った場合に通知してくれる「マージンコール通知サービス」を提供しているところもあります。このようなサービスを活用するのも有効な手段と言えるでしょう。

さらに、損失を限定するために、ロスカット注文を適切に設定することも重要です。ロスカット注文とは、あらかじめ設定した価格に達すると自動的に損切り注文を出すことで、損失の拡大を防ぐ注文方法です。

マージンコールは、適切な対策を講じることでリスクを抑制できます。証拠金維持率やロスカット注文を意識し、余裕を持った取引を心がけましょう。