投資の基本!実現主義とは?
投資をしたい
先生、「実現主義」ってどういう意味ですか?よくわからないんです。
投資研究家
なるほど。「実現主義」を簡単に言うと、株や債券などの資産を実際に売って、利益が確定した時に初めて利益と認めるという考え方のことだよ。
投資をしたい
ということは、株価が上がっていても、実際に売るまでは利益とは見なさないということですか?
投資研究家
その通り!例えば、100万円で購入した株が150万円に値上がりしていても、売却して初めて50万円の利益として計上されるんだ。これが実現主義だよ。
実現主義とは。
「実現主義」とは、投資において使われる用語です。英語では「realization basis(リアライゼーション・ベーシス)」と呼びます。資産を売却して実際に収益が確定した時点で、はじめて収益を認識するという、損益計算の基準を指します。
実現主義とは何か?
– 実現主義とは?
投資の世界で「実現主義」とは、「利益」や「損失」を確定するまでは、あくまでも「未確定」のものであり、実際の損益は確定した時に初めて発生すると考える考え方です。
例えば、あなたが1株1,000円の株を100株購入し、その株価が1,200円に上昇したとします。この時点で、あなたの資産は10万円から12万円に増加したように見えます。しかし、実現主義の観点からは、あなたはまだ株を保有しており、利益を確定するために売却していないため、2万円の利益は「含み益」に過ぎず、確定した利益ではないとされます。
逆に、株価が800円に下落した場合、2万円の「含み損」を抱えることになりますが、売却しない限り、それはあくまでも「評価損」であり、確定した損失ではありません。
実現主義は、投資判断を感情に左右されずに、冷静かつ客観的に行うための重要な考え方と言えるでしょう。
実現主義のメリット・デメリット
– 実現主義のメリット・デメリット
投資において、将来の利益を重視する「期待値主義」に対して、「実現主義」は目先の利益を重視する考え方です。ここでは、実現主義のメリットとデメリットについて解説していきます。
-# メリット
* 確実な利益を積み重ねることができる実現主義は、将来の不確実な値上がり益よりも、目先の確定利益を重視します。そのため、リスクが低く、着実に資産を増やしていくことができます。
* 心理的な負担が少ない将来の値上がりを期待して、含み損を抱え続けることは精神的な負担が大きいです。実現主義は、こまめに利益を確定することで、こうした負担を軽減することができます。
-# デメリット
* 大きな利益を逃してしまう可能性がある成長中の企業の株など、長期的に見れば大きな値上がりが期待できる銘柄であっても、実現主義では早期に売却してしまう可能性があります。
* 取引コストが増加する傾向にあるこまめに売買を行うため、手数料や税金などの取引コストが増加する傾向にあります。
実現主義は、着実に利益を積み重ねたい堅実な投資家に向いている一方、大きな利益を狙いたい積極的な投資家には不向きといえます。どのような投資スタイルが自分に合っているのか、しっかりと検討することが大切です。
実現主義と投資判断
– 実現主義と投資判断
投資の世界では、将来の値上がりを期待して利益を得ようとする「キャピタルゲイン」と、所有しているだけで定期的に利益を得られる「インカムゲイン」の二つを意識することが重要です。
実現主義とは、このうち「インカムゲイン」を重視した投資手法を指します。
配当金や利子のように、実際に手元に入ってくる利益を重視することで、リスクを抑えながら着実に資産を増やしていくことを目指します。
将来の値上がり益は不確実性が高い一方で、インカムゲインは比較的安定した収入源となるため、堅実な投資をしたいと考える投資家に向いていると言えるでしょう。
実現主義と税金
投資の世界では、利益が出ても、実際に現金化するまでは税金はかかりません。これを「実現主義」と言います。
例えば、株の値上がりで含み益が出ていても、売って現金化するまでは税金は発生しません。逆に、含み損が出ていても、売却して損失が確定するまでは税金は控除されません。
つまり、投資において税金を考える場合は、「いつ、どのタイミングで利益や損失を確定させるか」が重要なポイントになります。
実現主義以外の手法
実現主義は堅実な投資手法として知られていますが、もちろん投資の世界はそれだけではありません。実現主義以外の手法も数多く存在し、それぞれに異なる特徴やメリット、リスクがあります。
例えば、将来の成長性に期待して投資を行う「グロース投資」は、実現主義とは対照的な手法と言えるでしょう。実現主義が現在の価値に重きを置くのに対し、グロース投資は将来的なリターンを重視します。
その他にも、市場全体の動きに追随することを目指す「パッシブ運用」や、特定のテーマや分野に絞って投資を行う「テーマ型投資」など、多様な投資手法が存在します。
重要なのは、自身の投資目標やリスク許容度に合った手法を選ぶことです。実現主義以外の投資手法も理解した上で、自分に最適な投資戦略を検討しましょう。