自主解散型基金とは?5年以内の申請で給付停止の可能性も
投資をしたい
先生、『自主解散型基金』って、普通の厚生年金基金と何が違うんですか?
投資研究家
いい質問だね! 自主解散型基金は、簡単に言うと、将来お金が足りなくなりそうで、解散しようとしている厚生年金基金のことなんだ。
つまり、年金のお金を将来ちゃんと払えなくなるかもしれない基金ということだね。
投資をしたい
そうなんですね。お金が足りなくなりそうだと、どうなるんですか?
投資研究家
自主解散型基金は国に申請することで、年金の一部を国が代わりに払ってくれる制度があるんだ。ただし、申請すると、基金からもらえる年金は減ってしまうこともあるんだよ。
自主解散型基金とは。
『自主解散型基金』とは、将来解散する予定の厚生年金基金のうち、解散時に保有資産が年金給付の支払いに必要な最低額(最低責任準備金)を下回ると予想される基金のことです。このような基金は、2014年4月1日から5年以内に、年金保険料の納付額の軽減や分割納付を申請することが認められています。ただし、申請した場合には、申請した月の翌月から、国が肩代わりする部分を除く年金給付の支給が停止されます。なお、国が肩代わりする部分については、解散が認可された月までは基金から、認可された月の翌月からは国(年金機構)から支給されます。
自主解散型基金とは?
自主解散型基金とは、あらかじめ定められた期間内に解散することを前提とした基金のことです。主に、残された財産の有効活用や社会貢献活動の促進を目的として設立されます。
一般的な基金とは異なり、自主解散型基金は、運用期間が終了すると、残りの財産はすべて国や地方公共団体、または公益法人などに寄付されます。そのため、将来的にわたって活動を継続していくことを目的とした従来型の基金とは、性格が大きく異なります。
最低責任準備金割れで解散へ
企業年金の一つである自主解散型基金は、企業が従業員の退職金積立金を運用し、将来の退職金支払いを保障する制度です。しかし、運用状況が悪化し、最低責任準備金を割ってしまうと、解散という事態に陥ることがあります。
最低責任準備金とは、将来の退職金支払いに備えて、法律で定められた金額を積み立てておくことを義務付けられたものです。この準備金を割ってしまうと、基金は財政的に破綻状態とみなされ、解散を余儀なくされます。
自主解散型基金に加入している従業員にとって、解散は大きな不安材料となります。なぜなら、解散によって退職金の減額や、最悪の場合には給付が停止される可能性もあるからです。特に、解散から5年以内に退職金を受け取る予定の従業員は、給付停止のリスクが高まるため、注意が必要です。
自主解散型基金の加入者は、自身の加入している基金の運用状況や財務状況について、常に最新の情報を確認しておくことが重要です。また、企業は従業員に対して、自主解散型基金に関する十分な説明責任を果たし、従業員の不安を解消する必要があります。
5年以内の申請で特例措置も
自主解散型基金とは、将来的な年金財政の逼迫などを背景に、加入者自らが解散を決定できる仕組みの企業年金制度です。
この制度では、解散時に積立金が加入者へ一時金として支給されますが、設立後5年以内に解散した場合、給付停止などの措置が取られる可能性があります。これは、短期間での解散を抑制し、制度の安定運用を図るための措置です。
しかし、5年以内の解散であっても、企業の倒産や事業縮小など、やむを得ない事情がある場合は、特例措置として給付が認められる場合があります。具体的な要件や手続きについては、厚生労働省や年金相談窓口などに確認することが必要です。
給付停止の可能性:代行部分と給付停止期間
自主解散型基金に加入している事業主の皆さんは、解散時の給付について「代行部分」と「給付停止期間」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
自主解散型基金は、原則として事業主が自ら解散の手続きを行う必要があります。そして、解散した年から5年以内に給付の申請を行うと、給付の一部または全部が停止される可能性があります。これを「給付停止」と言います。
この「給付停止」には、2つの重要なポイントがあります。
1つ目は「代行部分」です。これは、事業主が本来支払うべきであった退職金のうち、基金が代わりに給付する部分を指します。代行部分は、給付停止の対象となる可能性があります。
2つ目は「給付停止期間」です。これは、給付が停止される期間のことです。給付停止期間は、最長で5年間となります。
つまり、事業主が自主解散型基金を解散してから5年以内に給付を申請した場合、基金から給付されるはずの退職金の一部または全部が、最長5年間、受け取れない可能性があるということです。
給付停止の詳しい条件や期間は、加入している基金によって異なる場合がありますので、必ず加入している基金に確認するようにしましょう。
自主解散型基金の今後と加入者の対応
自主解散型基金は、加入者数が減少した場合や運用が困難になった場合に、将来的に解散する可能性があることを念頭に置かなければなりません。特に、設立から5年以内に解散申請を行うと、積立てられていた給付が停止される可能性があります。
加入者としては、このような事態に備え、自身の加入している基金の状況をこまめに確認することが重要です。基金の運営状況や将来の見通しについて、ホームページや資料で確認するようにしましょう。また、説明会などが開催される場合には積極的に参加し、疑問点を解消することも大切です。
もしも、加入している自主解散型基金が解散することになった場合、他の年金制度への移行など、自身にとって最適な方法を検討する必要があります。専門家の意見を聞きながら、慎重に判断するようにしましょう。