投資の基礎知識：特殊法人とは？

投資をしたい

先生、「特殊法人」って投資のニュースで時々見かけるんですけど、どんなものですか？普通の会社とは違うんですか？

投資研究家

良い質問だね！「特殊法人」は、政府と関係が深い会社組織のことを指すんだ。普通の会社とは違い、公共の利益になる事業や国の政策を推進するために作られるんだよ。

投資をしたい

なるほど。具体的にどんな事業をしているんですか？

投資研究家

例えば、高速道路の運営会社や国際協力を行う機関、住宅金融支援機構などが挙げられるね。ニュースでよく見るのは、政府系金融機関などが投資をしているケースが多いかもしれないね。

投資用語で「特殊法人」とは、government-affiliated corporation（ガーバメンタル・アフィリエイティド・コーポレーション）を指し、公共の利益や国の政策推進を目的として、特別な法律に基づき設立された法人のことです。

特殊法人とは、特定の公共的な目的を達成するために、法律によって設立された法人のことです。一般的な株式会社とは異なり、国の政策に基づいて事業を行い、公益性の高いサービスを提供することを目的としています。

例えば、国民の年金資産を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人（GPIF）」や、住宅ローンの貸付を行う「住宅金融支援機構」などが挙げられます。これらの特殊法人は、民間企業では対応が難しい事業や、国民生活に欠かせないサービスを提供するという重要な役割を担っています。

特殊法人には、大きく分けて認可法人と特別法人の二つがあります。

認可法人は、公益性の高い事業を行うために、国や地方公共団体の認可を受けて設立された法人です。代表的な例としては、日本赤十字社や商工会議所などが挙げられます。これらの法人は、国民生活の安定や経済発展に貢献するという重要な役割を担っています。

一方、特別法人は、法律によって直接設立された法人です。日本銀行や日本放送協会（NHK）などがその代表例です。これらの法人は、法律で定められた特定の公共事業を行うことを目的としており、国の政策遂行に深く関わっています。

特殊法人は、法律によって設立され、特定の公共的な目的を達成するために活動する法人です。一般的な株式会社とは異なり、利益を追求するのではなく、国民生活の安定や向上に貢献することを目的としています。

投資対象として考えた場合、特殊法人は発行する債券などが比較的低リスクである点が魅力です。国や地方公共団体が設立母体となっていることが多く、経営基盤が安定しているため、債務不履行のリスクが低いと判断されるからです。

しかし、必ずしも全ての特殊法人が低リスクな投資対象であるとは限りません。事業内容や経営状況によっては、リスクが高いと判断される場合もあります。投資判断を行う際には、それぞれの特殊法人の特徴や財務状況を十分に精査する必要があります。

特殊法人への投資は、株式投資のような大きなリターンは期待できません。しかし、預貯金よりも高い利回りを期待できる場合があり、比較的リスクが低いことから、安定的な資産運用を希望する投資家にとっては魅力的な選択肢となりえます。

特殊法人への投資は、一般的な株式投資とは異なるリスクとリターン特性を持つため、注意が必要です。

まず、リターンについてですが、特殊法人は一般的に公共性の高い事業を行うため、利益を追求するよりも、国民生活の安定や社会全体の利益を優先する傾向があります。そのため、株式投資のような高い配当や株価上昇によるキャピタルゲインは期待しにくいと言えます。

一方で、リスクについては、特殊法人は国や地方公共団体によって設立され、その事業内容も法律によって定められているため、経営が安定している点が挙げられます。また、政府からの財政支援や政策的な優遇措置を受けるケースも多く、倒産リスクは極めて低いと言えるでしょう。

しかし、特殊法人といえども、経営状況の悪化や事業の失敗によって、投資元本が毀損するリスクはゼロではありません。特に、近年では、特殊法人の民営化や独立行政法人への移行が進められており、従来のような手厚い保護を受けられなくなる可能性も考慮する必要があります。

投資を検討する際は、これらのリスクとリターンを比較し、自身の投資目的やリスク許容度に合致しているかを慎重に判断することが重要です。

特殊法人関連の投資情報は、その性質上、一般的な株式投資情報とは異なる場所に散らばっていることが多いです。大きく分けて、以下の3つの方法で情報収集を行うと良いでしょう。

1. -政府機関・関係機関のウェブサイト- 特殊法人は、それぞれ設立根拠となる法律や、監督官庁が定められています。そのため、関係省庁や監督官庁のウェブサイトを確認することで、事業報告書や財務諸表などの公式資料を入手できます。

2. -専門紙・業界紙- 特殊法人は、それぞれ特定の分野に特化した事業を行っているため、関連する業界紙や専門紙が存在します。これらの媒体は、業界動向や個別法人の最新情報などを深く掘り下げて報道しているため、貴重な情報源となります。

3. -データベースサービス- 民間企業が提供するデータベースサービスの中には、特殊法人に関する情報を網羅的に収集・分析しているものがあります。これらのサービスは有料であることが多いですが、効率的に情報を集めたい場合には有効な手段です。

情報収集にあたっては、情報の信頼性を確認することが重要です。一次情報である公式資料を中心に、複数の情報源を比較検討することで、より正確な情報を得られるよう心がけましょう。