企業年金とは？仕組みや種類、メリットを解説

企業年金とは？仕組みや種類、メリットを解説

企業年金とは？公的年金との違い

– 企業年金とは？公的年金との違い
企業年金とは、会社が従業員の退職後や死亡後に備えて給付を行う制度です。これは、公的年金に上乗せして給付されます。
公的年金は、国民全員が加入する国民年金と、会社員などが加入する厚生年金に分けられます。これらは、国民の生活を保障するために国が運営しています。
一方、企業年金は、企業が従業員のために独自に設ける制度です。そのため、企業によって制度内容や給付額が異なります。
企業年金は、従業員の老後の生活を支え、安心して長く働ける環境を作ることを目的としています。

企業年金の3つの種類

企業年金には、大きく分けて3つの種類があります。

1つ目は、企業が加入する年金基金を通じて従業員に年金を支給する「確定給付型企業年金」です。
2つ目は、従業員が自ら掛金を運用し、その成果に応じて将来の年金額が決まる「確定拠出型企業年金（企業型DC）」です。
3つ目は、中小企業の従業員や個人事業主が加入できる「小規模企業共済制度」です。

それぞれの特徴を理解し、自分に合った制度を選ぶことが大切です。

企業年金のメリット・デメリット

企業年金には、老後の生活資金準備を有利に進めることができる、いくつかのメリットが存在します。

まず、企業年金は掛金が税制優遇の対象となるため、節税効果が期待できます。毎月の給与から天引きされる掛金は、全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を軽減できます。また、運用益が非課税となる点も大きなメリットです。通常、投資信託などの金融商品は、運用で得られた利益に対して約20%の税金がかかりますが、企業年金は非課税となるため、効率的に資産を増やすことが可能です。

さらに、企業によっては掛金を負担してくれる場合があります。企業が掛金の一部または全額を負担することで、従業員自身の負担を軽減できるだけでなく、福利厚生の一環として従業員の定着率向上や優秀な人材の確保にも繋がります。

一方、企業年金にはデメリットも存在します。

企業年金は原則として60歳以降にならないと受給できません。そのため、早期退職や転職などで会社を辞めてしまうと、受給開始時期が遅れてしまう可能性があります。また、運用状況によっては、元本割れのリスクも考えられます。

企業年金は、老後の生活設計において重要な役割を担いますが、メリットだけでなくデメリットも理解した上で、加入を検討することが大切です。

企業年金加入時の注意点

企業年金への加入は、将来の安心を得るための重要な一歩となりますが、注意点もいくつかあります。まず、企業年金は会社によって制度内容が異なることを理解しましょう。加入前に、制度の種類（確定給付型、確定拠出型など）、給付額、積立方法、受給開始年齢などをしっかり確認することが大切です。

また、転職時の対応も確認しておきましょう。企業年金は原則として退職時に脱退することになり、転職先で制度が異なる場合、年金の受け取り方法が変わったり、一時金として受け取る際に税金がかかったりする場合があります。

さらに、ライフプランとのバランスも重要です。結婚、出産、住宅購入など、将来のライフイベントに合わせて、企業年金以外の貯蓄や投資とのバランスを考えるようにしましょう。企業年金は、あくまで将来の収入を補完するための制度の一つです。他の選択肢も比較検討し、自分に合った資産形成計画を立てることが大切です。

将来設計に役立つ企業年金の知識

企業年金は、将来に備えて会社が従業員のために準備する年金制度です。公的年金に上乗せして給付を受けることができ、より豊かなセカンドライフを送るための支えとなります。

自分自身の人生設計においても、企業年金は重要な役割を担います。老後の生活資金を具体的にイメージし、公的年金に加えてどの程度の収入が必要となるのか、早いうちから把握しておくことが大切です。企業年金制度の内容を理解し、将来のライフプランに役立てましょう。