COMECONってなに？冷戦時代の経済圏を解説

COMECONってなに？冷戦時代の経済圏を解説

COMECONってなに？冷戦時代の経済圏を解説

投資をしたい

先生、「COMECON」って投資の用語ですか？投資の本で見かけたんですけど、よく分かりません。

投資研究家

COMECONは投資用語ではありませんよ。COMECONは、正式名称を「経済相互援助会議」といい、1949年から1991年まで存在した共産主義国の経済協力機構のことです。

投資をしたい

そうなんですね！じゃあ、なんで投資の本に載っていたんでしょう？

投資研究家

もしかしたら、冷戦時代の経済状況や、ソ連崩壊後の東欧諸国の経済変化について書かれた部分に出てきたのかもしれませんね。COMECONはそうした歴史的背景を理解する上で重要なキーワードになります。

COMECONとは。

「COMECON」（コメコン）は、Council for Mutual Economic Assistanceの略称で、日本語では経済相互援助会議といいます。1949年、アメリカによるマーシャル・プランに対抗するため、ソ連と東ヨーロッパの6カ国（ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、アルバニア）によって設立されました。共産主義国間の経済協力を目的とした組織でしたが、1991年6月の冷戦終結に伴い解散しました。

COMECON設立の背景：冷戦とマーシャルプラン

第二次世界大戦後の世界は、資本主義陣営を率いるアメリカと社会主義陣営を率いるソ連という二つの超大国による対立構造に突入しました。これが「冷戦」と呼ばれる時代です。

1947年、アメリカは疲弊したヨーロッパ諸国の経済復興を支援するため、「マーシャルプラン」を発表します。これは、莫大な資金援助と引き換えに、西ヨーロッパ諸国を資本主義陣営に取り込む狙いがありました。

これに対し、ソ連は自国の影響下にある東ヨーロッパ諸国へのアメリカの介入を警戒し、対抗措置として1949年、COMECON（経済相互援助会議）を設立します。COMECONは、ソ連を中心とした社会主義圏による経済協力機構であり、マーシャルプランに対抗し、ソ連式の計画経済体制を東ヨーロッパ諸国に広める役割を担いました。

COMECONの目的と組織構造

COMECONは、正式名称を「経済相互援助会議」といい、1949年に設立されました。この組織の主な目的は、ソビエト連邦を中心とした共産主義国家間における経済協力を促進することでした。当時の世界は資本主義陣営と社会主義陣営に二分されており、西側諸国が形成した経済協力機構に対抗する形で、東側諸国がCOMECONを設立したという背景があります。

組織構造としては、最高意思決定機関である「会議」の下に、分野別の「常設委員会」が設置され、各国の経済計画の調整や貿易の円滑化などが図られました。また、共通の通貨システムを構築するなど、加盟国間の経済的な結びつきを強めるための取り組みも積極的に行われました。

加盟国の経済状況とCOMECONの影響

COMECONへの加盟は、加盟国の経済状況に多大な影響を与えました。特に、工業化の遅れていた東欧諸国にとっては、ソ連からの技術支援や資源供給は経済発展の大きな原動力となりました。しかし、同時にソ連の経済計画に組み込まれることとなり、自国の経済状況に最適な発展を遂げることが難しかったのも事実です。例えば、農業国であったルーマニアは工業化を推し進めさせられましたが、その結果、農業生産が stagnate し食糧不足に陥るなどの問題も発生しました。このように、COMECONは加盟国の経済発展に貢献した一方で、経済的自立を阻害する側面もあったと言えるでしょう。

COMECONの衰退と崩壊：ペレストロイカの影響

1980年代後半、ソ連でゴルバチョフ書記長が推し進めたペレストロイカは、COMECONにも大きな影響を与えました。ペレストロイカは、それまでの計画経済の rigidity を緩和し、市場メカニズムの導入を目指した経済改革でしたが、COMECON諸国は、経済の自由化や市場開放に消極的でした。その結果、ソ連と東欧諸国の経済格差は広がり、COMECON内部の結束は弱体化していきました。

また、ペレストロイカの影響で、東欧諸国では民主化を求める運動が活発化し、1989年にはベルリンの壁崩壊を皮切りに、次々と共産党政権が崩壊しました。これらの出来事は、COMECONの存在意義を失わせ、1991年6月、COMECONは正式に解散しました。冷戦終結とソ連崩壊という歴史の大きな転換点の中で、COMECONもまた、その役割を終えることとなったのです。