投資成績を測る！ジェンセンのαとは？

投資成績を測る！ジェンセンのαとは？

ジェンセンのαとは？

「ジェンセンのα（アルファ）」は、投資信託やポートフォリオのパフォーマンスを測る指標です。具体的には、市場全体の動きに対して、その投資がどれだけ超過収益をあげられたかを示しています。

例えば、日経平均株価が5%上昇したとします。ある投資信託も同時期に5%上昇した場合、市場平均と同じ動きをしたことになり、超過収益は生まれていません。しかし、もしもその投資信託が7%上昇していたら、市場平均を2%上回るパフォーマンスをあげたことになり、この2%が「ジェンセンのα」に該当します。

リスクとリターンの関係

投資の世界では、一般的にリスクが高いほど、高いリターンが期待できるとされています。これは、リスクの高い投資ほど、投資家がそのリスクに見合ったリターンを要求するためです。例えば、預金は元本保証がありリスクが低い一方で、株式は価格変動が大きくリスクが高いですが、その分高いリターンを期待することができます。

このリスクとリターンの関係を可視化したものが、CAPM(資本資産価格モデル)と呼ばれるものです。CAPMは、市場全体のリスクとリターンの関係を直線で表し、個々の投資対象がどの程度のリスクに対して、どの程度のリターンが見込めるのかを分析するために用いられます。

超過リターンを測る

投資の世界では、ただ利益が出ればいいというわけではありません。重要なのは、市場平均をどれだけ上回るリターン（超過リターン）をあげられたかです。なぜなら、市場平均と同じリターンであれば、市場に連動する投資信託を買えば誰でも達成できるからです。そこで登場するのが「ジェンセンのα」という指標です。

計算式と解釈

ジェンセンのαは、あるポートフォリオが市場のリスクに対してどれだけ超過リターンを生み出したかを測る指標です。プラスであれば市場平均を上回るパフォーマンス、マイナスであれば下回るパフォーマンスを示します。

計算式は以下の通りです。

ジェンセンのα = 実現ポートフォリオのリターン – {リスクフリーレート + β × (市場ポートフォリオのリターン – リスクフリーレート)}

それぞれの項目は以下の通りです。

* 実現ポートフォリオのリターン 実際に投資したポートフォリオの収益率
* リスクフリーレート 安全資産の金利（国債など）
* β（ベータ） 市場全体の値動きに対するポートフォリオの感応度
* 市場ポートフォリオのリターン 市場全体の平均的な収益率

例えば、ジェンセンのαが0.05（5%）だった場合、市場のリスクを考慮すると、そのポートフォリオは市場平均よりも5%高いリターンをあげたことを意味します。 逆に、-0.03（-3%）だった場合は、市場平均よりも3%低いリターンであったことを意味します。

この指標を用いることで、単にリターンを見るだけでなく、リスクも考慮した上で投資の成績を評価することができます。

投資判断での活用例

– 投資判断での活用例

ジェンセンのαは、投資ファンドや運用担当者のパフォーマンスを評価する際に特に役立ちます。 プラスのαを継続的に生み出しているファンドは、市場平均を上回るリターンをあげていることを意味し、投資先として魅力的と言えるでしょう。

具体的には、投資信託を選ぶ際、複数の投資信託のジェンセンのαを比較することで、どの投資信託がより優れた運用成績を収めているのかを判断することができます。また、投資顧問会社やファンドマネージャーの過去の実績を評価する際にも、ジェンセンのαは重要な指標となります。

しかし、ジェンセンのαだけで投資判断を下すのは危険です。なぜなら、ジェンセンのαは過去のデータに基づいて計算されるため、将来のリターンを保証するものではないからです。また、αが高いファンドは、リスクが高い場合もあるため注意が必要です。

ジェンセンのαは、あくまでも投資判断を行う上での一つの目安として捉え、他の指標と組み合わせて総合的に判断することが重要です。