輸出入の安全を守る!荷為替手形を解説
投資をしたい
先生、「荷為替手形」って、どういう意味ですか?難しそうな言葉でよくわかりません。
投資研究家
なるほど。「荷為替手形」は、輸出入で使われるお金の支払いのための書類のことだよ。例えば、日本の会社Aがアメリカの会社Bに商品を輸出するとします。この時、会社Aは会社Bに商品と引き換えに、お金を請求する書類を送るんだけど、これが「荷為替手形」なんだ。
投資をしたい
ふーん。でも、請求書と何が違うんですか?
投資研究家
いい質問だね!「荷為替手形」は、銀行を介して請求する書類で、輸出入の取引では、この「荷為替手形」が商品と引き換えにお金の支払いを約束するものとして機能するんだ。だから、単なる請求書よりも強力な効力を持つんだよ。
荷為替手形とは。
投資用語で「荷為替手形」と呼ばれるものは、documentary bill(ドキュメンタリー・ビル)のことです。これは、船積書類が添付された為替手形を指します。 別名として、ドキュメンタリービルとも呼ばれます。
荷為替手形とは?
国際的な商品の売買において、「お金を払ったのに商品が届かない」「商品を送ったのにお金が払われない」といったトラブルを防ぐために、重要な役割を果たすのが「荷為替手形」です。これは、輸出者と輸入者の間で、銀行を介して安全な取引を実現するための、いわば「商品の受け渡しと代金の支払いを約束する証書」のようなものです。
具体的には、輸出者が商品を輸出した際に、代金を受け取る権利を銀行に対して請求する際に使われます。銀行は、輸入者が代金を支払ったことを確認した上で、輸出者に代金を支払います。このように、荷為替手形を利用することで、輸出者と輸入者の双方が安心して取引を進めることができるのです。
荷為替手形のメリット・デメリット
荷為替手形は、輸出者と輸入者双方にとってメリットとデメリットを併せ持つ決済手段です。
輸出者にとって最大のメリットは、代金回収の確実性が高まる点です。銀行が支払保証を行うため、輸入者が倒産した場合でも代金を受け取ることができます。また、資金繰りの改善も見込めます。手形を銀行で割引することで、商品代金をすぐに現金化することが可能です。
一方で、輸入者にとっては、手形発行にかかる手数料や手続きの煩雑さがデメリットとして挙げられます。また、銀行の審査が必要となるため、信用力が低い場合は利用が難しい可能性もあります。
このように、荷為替手形はメリット・デメリットを比較検討し、自社の取引状況に合わせて利用する必要があります。
荷為替手形の種類
荷為替手形には、主に2つの種類があります。
一つは「一覧払い手形」です。これは、銀行が手形を受け取った時点で、支払いを約束する手形です。もう一つは「期限付き手形」です。こちらは、手形に記載された期日が来た時に支払いが行われる手形です。
それぞれのケースに合わせて使い分けることで、より安全な取引を実現できます。
荷為替手形の流れ
荷為替手形は、輸出者と輸入者の間に銀行が介入することで、双方にとって安全な取引を実現する仕組みです。具体的な流れは以下の通りです。
1. 輸出者は、輸入者との間で売買契約を締結し、商品の発送準備を行います。
2. 輸出者は、取引銀行に荷為替手形の作成を依頼します。この際、船荷証券などの必要書類も提出します。
3. 輸出者の取引銀行は、荷為替手形を作成し、輸入者の取引銀行に送付します。
4. 輸入者の取引銀行は、輸入者に対して荷為替手形の到着を通知します。
5. 輸入者は、荷為替手形の金額を支払い、船荷証券などの書類を受け取ります。
6. 輸入者は、受け取った船荷証券などを使って商品を受け取ります。
7. 輸入者の取引銀行は、輸出者の取引銀行に代金を支払います。
8. 輸出者の取引銀行は、輸出者に代金を支払います。
このように、荷為替手形を使うことで、輸出者は代金回収のリスクを、輸入者は商品受け取りのリスクをそれぞれ軽減することができます。
荷為替手形の注意点
荷為替手形は安全な取引を実現するための有効な手段ですが、いくつかの注意点があります。
まず、書類の記載事項に誤りがあると、支払いが遅延したり、最悪の場合、代金を受け取れなくなる可能性があります。
そのため、信用状の内容と一致しているか、金額や船積み期限などに誤りがないか、細心の注意を払って確認する必要があります。
また、荷為替手形はあくまでも書類に基づいた取引のため、
品物の品質や数量については保証されません。
そのため、取引相手との信頼関係が非常に重要となります。
これらの注意点を守り、荷為替手形を正しく理解することで、より安全な国際取引を実現できます。