知っておきたい『財政投融資計画』の基本
投資をしたい
先生、「財政投融資計画」って、普通の投資とは違うんですか?
投資研究家
いい質問ですね!普通の投資は、企業が利益を目的とするのに対し、「財政投融資計画」は、国が国民生活の向上などを目的とする点が大きく異なります。
投資をしたい
なるほど。では、具体的にどんな事業に使われるんですか?
投資研究家
例えば、道路や橋などのインフラ整備、教育機関や病院の建設など、利益を上げにくいけど、国民生活に不可欠な事業に使われます。
財政投融資計画とは。
「財政投融資計画」とは、資金調達が難しいものの、公共性の高い事業に対して行われる「財政投融資」の運用計画のことです。この計画は、5 年以上の長期運用を前提とした事業を対象としており、毎年度の予算編成に合わせて策定されます。そして、予算の一部として国会の審議と議決を受けます。
財政投融資計画とは?
「財政投融資計画」。ニュースなどで見聞きする機会もあるかもしれませんが、具体的にどんなものか、きちんと理解している人は意外と少ないのではないでしょうか?
この計画は、私たちの生活や日本の未来を左右する、とても重要なものです。複雑な仕組みに見えるかもしれませんが、ポイントを押さえれば、誰にでも理解できる内容です。
この章では、「財政投融資計画」とは一体何なのか、その基礎知識について、分かりやすく解説していきます。
どんな事業が対象になるの?
財政投融資計画は、国の予算とは別に、政府が関与する金融機関を通じて行われる融資や投資の計画です。では、具体的にどのような事業が対象となるのでしょうか?
財政投融資計画の対象となる事業は、大きく分けて「政策的ニーズの高い分野」と「収益性の高い分野」の二つがあります。「政策的ニーズの高い分野」には、例えば、少子高齢化対策や防災対策、科学技術振興など、国の重要課題に対応するための事業が含まれます。一方、「収益性の高い分野」には、例えば、高速道路や空港などのインフラストラクチャー整備、大学などの教育機関への投資など、将来的に収益が見込める事業が含まれます。
これらの事業は、国の政策目標を達成するために、民間企業だけでは十分な投資が見込めない、あるいは、民間企業よりも政府が主体的に取り組む必要があると判断されたものです。財政投融資計画は、このような事業に対して、長期的な視点に立って、低利の融資や出資を行うことで、事業の推進を図っています。
資金の運用期間は?
財政投融資計画は、長期的な視点に立って国の政策目的を実現するために編成されます。そのため、資金の運用期間も長期にわたることが特徴です。具体的には、数十年単位の超長期から、数年単位の中長期まで、事業の内容や性質に応じて柔軟に設定されます。例えば、道路や港湾などの社会インフラ整備は、長い年月をかけて効果が現れるため、超長期の運用期間が設定されることが多いです。一方、中小企業への融資など、比較的短期的に効果が見込める事業には、中長期の運用期間が設定される傾向があります。
財政投融資計画はどうやって決まるの?
財政投融資計画は、毎年度、政府によって作成され、国会の議決を経て決定されます。 複雑なプロセスを経ていますが、大きく分けると以下の3つの段階を経ます。
1. -各省庁からの要望の提出- まず、各省庁は、道路、橋、港湾などのインフラ整備や、教育、科学技術、エネルギーなどの分野における政策を実施するために必要な資金を、財務省に対して要望します。
2. -財務省による審査・調整- 財務省は、各省庁から提出された要望を、国の財政状況や政策の優先順位などを考慮しながら審査し、予算の範囲内で調整を行います。
3. -国会での審議・議決- 財務省によって作成された財政投融資計画案は、内閣の決定を経て国会に提出されます。国会では、予算委員会などにおいて、計画の内容について詳細な審議が行われ、最終的に議決によって決定されます。
このように、財政投融資計画は、国民の代表である国会議員の審議と議決を経て決定されるため、国民の声が反映される仕組みとなっています。
私たちの生活への影響は?
財政投融資計画は、国の予算とは別に、政府系金融機関などを通じて行われる融資や投資計画のことです。私たちの生活には一見、関係ないように思えるかもしれません。しかし実際には、道路や橋、病院など、私たちの暮らしを支える様々なインフラ整備に、財政投融資計画の資金が使われています。つまり、私たちの生活は、財政投融資計画によって支えられている側面があるのです。
例えば、通勤で利用する道路が整備されていれば、渋滞の緩和や移動時間の短縮につながります。また、最新の医療機器が導入された病院であれば、より高度な医療サービスを受けられる可能性があります。このように、財政投融資計画は、私たちの生活の質に大きく関わっていると言えるでしょう。